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【UFC196】残り2分の逆転RNC。ミーシャがホルムを落として、ついに女子MMAの頂点に立つ

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
ミーシャ・テイト(米国/2位)
Def.5R3分30秒 by RNC
ホーリー・ホルム(米国)

サイドキックのホルムに対し、右ローを狙ったミーシャ。遠目の距離で出入りを見せる両者だが、近づくと王者がサイドキックを入れる。ホルムの左の蹴りを掴んだミーシャはテイクダウンこそできなかったが、離れ際にパンチを入れる。ホルムの左ストレートには角度をつけてミーシャはよける。右ジャブから右サイドキックでミーシャを突き離すだけでなく、距離をはかるホルム。ミーシャは前進には反応するが、距離を詰めることはなかなかできない状態が続く。

左を入れて、サイドキックでミーシャを跳ね返す。ミーシャも蹴りがない状態で間合いが近づくと、カウンターを狙っていく。しかし、同じリズムで近づくとホルムは左ハイ。サイドキックを続け、足を取らせないホルムが手数で初回を取った。

2R、低い姿勢でワンツーを見せて距離を詰めたミーシャ、離れるホルム。続く局面で左ストレートにダブルレッグを合わせたミーシャがクリーン・テイクダウン。ハーフで抑えこんでエルボーを落とす。左の鉄槌から右のエルボーというコンビネーションを見せたミーシャは、「ミーシャ」チャントをバックにホルムのヒップエスケープに合わせて、抑え込みを続けボディにエルボーを入れる。すかさず顔面にパンチを落とすと、ホルムはケージに近づくが、背中をつけた状態が続き、右手の手首を取られてパンチを連続で被弾する。

ミーシャはさらに勢いのある右エルボーを落とすと足を抜き、ブリッジに合わせてバックに回りこむ。残り90秒、背中を伸ばしかかるミーシャ。背中を伸びかけ、RNCを仕掛けられたホルム。ミーシャは自ら後方に倒れ込み、チョークを続ける。アゴを入れてディフェンスしたホルムが絶対的なピンチを耐えきった。

3R、重心が低くなったチャンピオン。テイクダウンを考慮してのことだろうが、これだとパンチの伸びも落ちるはずだ。ミーシャは頭を振ってプレッシャーを掛けるも、ホルムは前蹴りとサイドキックを繰り出す。初回と比較するとキレが落ちた蹴りに、両者の距離も近づく。ミーシャの右ミドルにストレートを合わせたホルムだが、ミーシャは続く左に組んでいく。これをカットしたホルムはサイドキック、右ジャブをダブルで見せて左ハイをガードの上から蹴っていく。

ジリジリと距離を詰めるホルムは、これまでになく近い距離に立つ場面が増える。ヒザを狙った蹴り、右ジャブを当てたチャンピオン。ミーシャはこのラウンドは仕掛けが少ない。ホルムはパンチの交換からサイドキックで距離を取り、続くテイクダウンをスプロールする。この回はホルムが、やや近い距離を取りながらミーシャを完封した。

4R、ミーシャ側の指示は「ホルムはもうアグレッシブじゃない」というもの。低い重心のまま前に出てサイドキックから離れるホルム。ミーシャは続くサイドキックをキャッチして組みつく。逆にケージにミーシャを押し込んだホルム。ミーシャはそれでも離されまいとクラッチにしにいくが、押し込んでいる方のホルムが送り出すようにリリースする。左ジャブを見せる王者に対し、ミーシャはサークリングから前へ。

ホルムはジグザグに下がり、的を絞らせない。前蹴り終わりに組みに行こうとしたミーシャ、ホルムはステップバック。次のダブルレッグはがぶってパンチを落とす。こうなると、ミーシャもパンチで前に出る必要が出てくる。ならばとワンツーを入れ離れるホルムが、マタドールの機能を発揮し前蹴りを突き刺す。ホルムに動きが戻ってきたラウンドとなった。

最終回、左フックから前に出るミーシャに対し、ホルムは左前蹴りと関節蹴りを見せる。ミーシャの右ミドルに左を合わせたチャンピオン、打撃の回転数が上がり最後は蹴りでコンタクトを終える。ミーシャはテイクダウンをかわされ、首の後ろに手を回そうとしても押し返される。左ストレートを伸ばしたホルムは、スッと下がる。と左フックにミーシャが組みつきケージに押し込む。ここも体を入れ替えた王者の方から離れる。

ホルムの前蹴りを払ったミーシャは、テイクダウン狙いも足より手が前に出るようになる。ジャブを打ってサイドに移動するホルム、ミーシャは左ジャブに合わせて飛び込むや一瞬にしてバックへ。落とされそうになりながら、ケージ際で足をフックする前にRNCの形に入ったミーシャ。腕を深く喉元に差し込むと、立ち上がったホルムは苦し紛れに前方回転。一回転すると、そのまま背中に張り付いて両足をフックしミーシャはRNCを完成させる。渾身の力をこめるミーシャ、両手を前に差し出したホルムが落ちついに女子MMA界の頂点に立った。

「我慢して、プッシュすること。その瞬間がきたの。凄く嬉しいわ。フィニッシュしないとダメだってわかっていた。5Rはパーフェクトだった。5Rが凄く大切だったの。タップをしない人なんてそんなにいないわ。彼女のことを心から尊敬している」と語ったミーシャはチームの全員と抱き合って勝利を喜んだ。詰将棋でいよいよ追い込まれた状態での逆転劇、UFC女子世界バンタム級戦に外れなし――感動的なフィナーレを迎えた。

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