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【Special】格闘技のためのLIFE 細川顕<02>「スキルを磨くことに関しては、正解がない」

Akira Hosokawa【写真】それぞれの人に個々の取り組み方がある。それが柔術の格闘技の大きな特徴だ。楽しく汗をかく人達への指導と、強くなるための稽古を細川は模索している(C)MARTIAL WORLD

昨夏、岐阜にカルペディエム・ホープがオープン、杉江(白木)大輔とともに細川顕がスタッフとして指導するようになった。

安定した職を捨て、柔術を生業をした細川インタビュー第2弾。道場経営とともに、現役として強くなることを求めるが故のジレンマ、そして現状の練習形態について語ってもらった。
<細川顕インタビューPART.01はコチラから>

──道場運営の現実問題として、キッズクラスが充実していても中学で部活動が始まると、そこから続けてもらえるかどうかという壁が存在します。

「部活動に流れるのは確かです。中学生は少なくなりがちです。時間はかかるでしょうが、やはり若い年代を指導し黒帯を育てたい。強い道場にしたいという想いはあります。と同時に子供と女性に綺麗な空間で柔術を楽しんでほしい。今は特に力を入れているのは後者ですが、この2つを融合させるような道場にいずれはしていきたいです」

──コンペティション専門という練習になると、MMAのように昼に集まってチーム練習という形が今も取られるケースが多いです。

「基本は趣味で柔術を楽しむ人たちの場だと思います。コンペティションのチーム練習に関しても、東京だと強い選手が多いですから、融通をきかせやすい。ここでは……ではなかなか集まれないですからね(苦笑)」

──道場はできたけど、現役柔術家としての悩みも抱えた感じでしょうか。

「やはり自分も強くなりたい。普通に指導して、生活していく分には申し分ない環境です。ただし、強くなることに関してはジレンマを感じています。スキルを磨くことに関しては、正解がない……から難しいです。練習相手が良いのか──といえば、必ずしもそうじゃないですし。

会社員をやっていると柔術を究めることができないという想いもありました。2部練習や3部練習をしている選手とは、明らかに練習時間にも差がありましたから。1日1回の練習でずっとやっていて……そこそこの結果を残せていたので、『1日に2回練習できたら、メチャクチャ強くなれるんじゃないか』なんて思ったりもしていました(笑)。

何よりもトーナメントに出るのも会社員でいると有給を取る必要もあったし、やはり今とは違う悩みを抱えていて。道場ができたことで、そこが解決していくと、今度は違うジレンマが生まれる」

──格闘技のためのLIFEには悩みがつきものだと(笑)。

「ただ、僕もアダルトで結果を残したい気持ちを持ち続けているし、全く衰えていないので。コンペティション・トレーニングという練習形態がなかったからこそ、それほど大きなケガもなくコンディションは良好を保ち続けています。自由に時間が使えると、まだノビシロはあるし実際にこの1年に成長できたと感じています。

杉江さんとスパーをしてもパスをされない。モダン柔術もできるし、スキルアップはできています。フィジカルも数字的にも伸びています。今は週に3、4回とウェイトもできますし、何よりも休憩時間をしっかりと取れるというのも大きいです」

──休息時間があり、体もリカバリーできるということですね。

「ハイ。会社員の頃は睡眠時間が5時間程度だったのが、今では6時間か7時間あります。そんなロングスリーパーではないですが、睡眠時間も増えて、指導や稽古の合間に休憩も取れる。ここは明らかに以前とは違います。体をケアできるのは大きいです。

仕事を終えてから、練習して帰宅。十分に休めていなくて、仕事に行ってヘロヘロになる(苦笑)。疲労の蓄積がないと、練習の濃度が違ってきますからね」

──その自らの練習に関しては、杉江さんとのマンツーマンのスパー中心ということですね。

「ハイ。そこで問題になるのが、ずっと杉江さんとやっているので同じ展開になってしまうことなんです。『また、これかぁ』って。大会に出て戦う相手は、杉江さんとは違う体型の選手がいくらでもいますからね(笑)」

──その解決策というのは?

「そこは他の道場、梅村(寛)さんのNEXと坪井(淳浩)さんのGSBで指導させていただいているので、その時間で色々なタイプの人と練習させてもらっています。あと月に一度、名古屋ブラジリアン柔術にも行かせてもらっています」

──GSBだと加古拓渡選手とベリンボロの稽古もできますね。

「加古選手はNEXにも来てくれますし、そこで今の柔術をやっています。ダブルガードの攻防もやっていますよ(笑)」

──ALIVEに出稽古に行くというのは?

「そこはケジメです。僕がいなくても、強い選手を育ててほしいという気持ちもあります」

──オォ。

「今のALIVEで柔術を頑張っている子たちが、僕がいなくなって強くなる。その姿を見ることが本当に楽しみなんです。だから頑張ってほしくて。ALIVEには1年は顔を出さないでいようと思っています。だから、今の練習は杉江さんとNEXとGSBという感じですね」

<この項、続く>

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