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【UFN65】豪腕マーク・ハント、スタイプ・ミオシッチと再起戦対決

Hunt【写真】メインでミオシッチと対戦するハントは空振りでも、対戦相手を疲弊させることができる圧力の持ち主。オクタゴン随一のストライカーといえるC)MMAPLANET

10日(日・現地時間)に豪州・南オーストラリア州のアデレードはアデレード・エンターテイメントセンターで開催されるUFC Fight Night 65「Miocic vs. Hunt」。メインは大会タイトルにあるようにマーク・ハントとスタイプ・ミオシッチが対戦するヘビー級の一戦だ。

昨年9月の日本大会でロイ・ネルソンから豪快なKO勝ちを収めたハントは、僅か2カ月後にケイン・ヴェラスケスの代役としてメキシコ大会に出場、暫定世界王座決定戦=ファブリシオ・ヴェウドゥム戦でTKO負け喫して以来、半年振りの実戦復帰となる。とはいっても、ショートノーティス&高地、しかも対戦相手はヴェウドゥムということもあり、この対戦を受けた時点で漢を挙げた感もあったハントはUFCヘビー級戦線に置いてなくてはならない存在だ。

長らくATTに所属しレスリングや柔術を消化すると、故郷ニュージーランドに戻り気のおけない友人たちとの練習のなかで着実にテイクダウンディフェンス能力を高めてきたハント。今やK-1ファイターでなくて完全にMMAファイターとして風格を身につけており、オクタゴン随一のストライカーといえる。その結果として、左右の豪腕の威力とともに抜群のボクシングテクニックが生きるようになっている。

左肩を内側に入れ、ガードは低くてもヘッドスリップ、あるいはダッキングと称して良いディフェンスをこうじる。MMAとしてはあり得ないほど頭が下がることもあり、足元に組み付かれたり、ヴェウドゥムが見せたようなヒザ蹴りを受ける可能性もあるが、ハントのパンチの圧力に対して、そこまでの踏み込みを見せることができるファイターの方が、まれだ。

組み技&寝技対策を重ねてきたハントの打撃の圧力は、それこそ半端ではない。だからこそ、ダッキングやスウェイのような防御を見せても、すぐに重心を戻して強烈なパンチを振るうことができる。そんなハントに対し、ランク的には上位のミオシッチはジュニオール・ドスサントス戦の敗北からの再起戦で、オセアニアの地でハントと戦わなければいけないシビアな状況に身を置いている。

D-1レスラーとは思えない、打撃に比重を置いた戦いを見せるミオシッチ。左右のボディフックや、右ストレートの威力は十分KOパワーを秘めている。とはいっても、純粋に打撃でハントと渡り合うのは無謀だ。よって本来はベースであり、ここ一番で使っていたテイクダウンをより織り交ぜた攻撃を見せたい。ミオシッチの打撃はかなり重心が高く、テイクダウンを警戒していないような構えから繰り出される。ただし、自らテイクダウンを狙う際にはやや前方姿勢になるきらいもあり、テイクダウンを頭に入れて打撃を繰り出してくるのか、そうでないのか判断しやすい。ハント戦を前に、この辺りが修正されたかどうかも、勝負を行方を占ううえで大きな焦点となるだろう。

ハントを倒すには、組み力は欠かせない。ただし、今やすぐにワキをさしてダーティボクシングに持ち込むことも得意としている彼を攻略することは簡単ではない。何よりも、思い切り打撃の圧力をかけることで──、いってみれば空振り一発でも対戦相手を精神的に削ることが可能だ。その精神的優位が保てる分、スタミナも続く。組みで優位に立つために、打撃でハントの圧力に屈しないだけの気持ちと技術が必要になってくるミオシッチ。この一戦を制すれば、間違いなく6月13日の統一王座戦の勝者への挑戦権との距離が近くなるが、そのためにはハントという高い、いや厚い壁を乗り越えなければならない。果たして──。

■ UFN65対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
スタイプ・ミオシッチ(米国/4位)
マーク・ハント(ニュージーランド/5位)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス(米国/14位)
ロバート・ワイッタカー(豪州)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・ペロシュ(豪州)
ショーン・オコネル(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイク・マシューズ(豪州)
ジェイムス・ヴィック(米国)

<フェザー級/5分3R>
日沖発(日本)
ダン・フッカー(ニュージーランド)

<ウェルター級/5分3R>
カイル・ノーク(豪州)
ジョナビン・ウェブ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ダニエル・ケリー(豪州)
サム・アルヴィー(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ベック・ハイアット(豪州)
リサ・エリス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ディラン・アンドリュース(ニュージーランド)
ブラッド・スコット(英国)

<女子ストロー級/5分3R>
アレックス・チェンバース(豪州)
ケイリン・カーラン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ビク・グルジック(豪州)
ブレンダン・オライリー(豪州)

<フライ級/5分3R>
アルプテキン・オズキリッチ(米国)
ベン・ウェン(米国)

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