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【ONE108】北岡悟と共に振り返る、✖キム・ジェウン─03─「弱気になったら、怒るからな」(北岡)

Koyomi & Kitaoka【写真】勝利を決め、興奮状態から覚めると松嶋は北岡の下に歩み寄っていった(C)MMAPLANET

2月7日(金・現地時間)にインドネシアはジャカルタのイストラ・セナヤンで行われたONE108「Warrior’s Code」で韓国の猛者キム・ジェウンからTKO勝ちを収めた松嶋こよみ&北岡悟対談Part.03。

Kitaoka北岡の言っていたスーパーストライカーではない松嶋が、ダウンを奪い最後はパウンドアウトの勝利を掴むまでの2Rから3Rの流れとは。

ダウンを奪ってなお、弱気に陥る心理などを2人に話してもらった。

<松嶋こよみ✖北岡悟・対談Part.02はコチラから>


──武術も意識せずに出るなら、ファンクショナルと同じで良いということでしょうか。

松嶋 岩﨑先生自身が『意識して、試合に出そうと思って出るモノじゃない』と言っていますし。稽古をして、やってきたことが無意識に出て勝てれば、それで良いと僕も思っています。

──それが今回は出たと?

松嶋 そうですね。ただ試合前に『殴る』とは言っていましたが、『殴り倒す』とは一言も言っていなかったですし、全然思っていなかったです。何を言われても構わないという心づもりをして、『何もやっていない』って言われても良いからテイクダウンをして勝ちたいと思っていました。結果的に倒して勝てましたが、今後もこんな風に勝ち続けるというつもりはないです。

──右が入って倒せたというのは、予想外というわけですね(笑)。

Koyomi松嶋 ハイ。2Rのダウンは全く予想していなかったです。ちょっとビックリしたほどでした。

──そこでパウンドで勝ち切れなかった時は、反撃されたらとか嫌な空気にはならなかったですか。

北岡 結果的に効いていましたよね。メチャクチャ効いていました。ただしキム・ジェウンは素晴らしいハートを持っている。だから怖かったです。だって、逆にこっちは怪しいですよ(笑)。こっちはメッチャ怪しいから、インターバルの時はもうメチャクチャ言いましたよ。「オイ、弱気になんなよ!!」って。「弱気になったら、怒るからな」とか(笑)。

──アハハハハ。大人の言葉ではない。

北岡 ホントにその通りです(笑)。それを2、3回言ったら「ハイ」、「ハイ」って頷いていて(笑)。

──弱気になっているというのはあったのですか。

松嶋 何をやられたから弱気というのではなくて、スタミナがもつのかなという恐怖心がありました。2Rでかなり使い切っていたので。まぁ、弱気になっていたということですね、完全に(苦笑)。

──ただし、3Rにパンチが入ると北岡選手が言っていたように、キム・ジェウンが完全に効いているのが分かりました。

北岡 逆にキム・ジェウンは効いていたから勝負を賭けに来たんでしょうね。だから、そこが怖いところですよ。

松嶋 当たった時も手応えとして『効かせた』とは思わなかったです。でも完全に頭がフラフラしていたので、それで分かりました。

──パウンドに関しては、早々に止める時と延々に見る時があるではないですか。私は「もう止めろ」って思いながらシャッターを押していました。

松嶋 それは僕も、です。「止めろ」って思いながら殴っていました。相手のダメージとかでなく、僕がしんどかったので(笑)。「止めてくれ」って感じでしたね。

──あの場面は、もう行けと言うことでしょうか。

北岡 ハイ。もう勝てると思いましたから。

──北岡選手からすれば、この勝利をどのように捉えていますか。

北岡 試合後に本人にも言ったのですが、ガフロフの時はやってきたことが勝手につながった勝ちだけど、今回はつなげようと思ってつながったから、それだけ価値がある勝利だったと思います。前々日の計量の失敗もあり、それをアジャストし、試合中も弱い部分が少し出ていたけど、あの相手を上回ることができたので。

ガフロフの時に「スーパーストライカーでない」と言ったのと同じことですよね。混ぜて倒せた。そういうことですよね。

──某映像ディレクターが『北岡さんも生徒の勝利が嬉しくなった。そういう年齢になったのですね』と言っていました。

北岡 どういうことですか? なんですか……舐めんなよ……。本当に嬉しかったですよ、勝ってくれて。でも、それは昔からだから。この年になったからじゃない。昔から、一緒にやってきた人間が勝てば、本当に嬉しかった。だから何も変わっていないし……舐めんなよ。

──俺も現役なんだと。

北岡 それはここでは言いません。ここは松嶋こよみのセコンドとして取材を受けているので。僕が云々っていうのは、彼の取材で言うことではないです。セコンドとしてこの試合を見て、マーチン・ウェンともう1回やれば勝てる要素が出てきている。そういう勝利だったと言わせてもらいます。

──では、改めて今回の勝利を経て今後目指すところは?

松嶋 今回の試合はボクシングで戦っても勝てなかったです。MMAだから勝てた。打撃で倒せる選手になりたいと思っているわけではない。そこを考えると総合力をもっと上げていかないと、強い選手には勝てないです。なので今後、やっていかないといけないことは見えています。

僕はレスリングがあるから対応できています。何か一つが突出して強いわけではないから、一つひとつの精度を上げていく。打撃も寝技も全部を混ぜていきます。

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