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【UFC245】無慈悲なまでの強さを見せたピョートル・ヤンが、全局面打撃でユライアから完全KO勝ち

<バンタム級/5分3R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
Def.3R0分43秒by KO
ユライア・フェイバー(米国)

ワイドスタンスから左ミドルを蹴ったユライアを、ファンが大USAチャントで後押しする。同じような蹴りを見せたユライアに対し、ヤンが右ローを蹴る。ユライアはステップインからヒザをボディに突き上げるが、ヤンがジリジリと距離を詰めていく。シングルを切り左を伸ばすヤンは、左ハイからワンツーを狙い──ユライアは、蹴りの後のパンチはあまり見えていないか。ここからヤンはスイッチを織り交ぜ、さらにプレッシャーを高める。ユライアも右オーバーハンドやジャブと手数は多いが、圧力から逃れるための動きにも見える。

自らの蹴りでスリップしたユライアは、左ミドルをキャッチしてクリンチへ。しっかりと対応したヤンはアッパーを突き上げて離れる。ユライアの飛び込んでのパンチも見極め、アッパーを狙うヤン。首相撲から離れたユライアに左フック、そしてヒザを入れると、続くクリンチでヒザ蹴り、そして左フックを放つ。ユライアもローを返し、ワンツーもヤンが飛び込んでヒザを繰り出したところで初回が終わった。

2R、ユライアが右オーバーハンドを届かせ、ヒザ蹴りへ。ヤンは慌てず、右アッパーを狙う。左フックを被弾しながら、ワンツーで前に出るヤン。押され気味のユライアだが、それでも良く対応できているという見方が成り立つ。右ストレートをかわされたヤンは、ヒザ蹴りから左フックを打ちこむ。直後に組んだユライアだが、自ら離れる。ユライアのリードフック、右ストレートをMMAグローブでブロックするヤンは左ジャブを見せる。

シングルも余裕を持って切ったヤンは、ユライアのワンツーに笑顔を浮かべて逆にワンツー。この右ストレートをモロに被弾したユライアは、続く左ストレートで腰から崩れ、背中を見せてしまう。ワキの下からアッパーを連打したヤンは、立ち上がって前を向いたユライアをおちょくるような態度を見せる。直後にユライアは向き合って右オーバーハンドを当てるが、ヤンはシングルを切って首相撲から右エルボーで2度目のダウンを奪う。

再びグラウンドで亀となったユライアは、殴られながら立ち上がるも左目尻をカットし、大流血に見舞われている。レフェリーはここで試合を中断、ドクターストップを要請する。大きく目の下を腫らし、ユライアのガードから試合が再開される。潜ってバックを狙ったユライアは、スクランブルに持ち込みスタンドへ。ユライアのフックに組みついたヤンがボディロックテイクダウン、ハーフで潜るユライアが何とかタイムアップまで持ちこたえた。

3R、顔面傷だらけのユライアは左ミドルを受け、左に回る。ガードの上から右ハイを蹴ったヤンは、クリンチの状態で右の足払いで崩し、右ショートを2発。クリンチから離れようとしたユライアの顔面に左ハイを蹴りこむ。腰から崩れたユライアを見て、レフェリーが試合をストップ。Tモバイル・アリーナのファンが、静まりかえった。

ノーマーシーの異名通りの試合展開を見せたヤンは「今日からユライアのファンは、僕のファンになったはずだ。クリンチからはいつだって打撃を狙っている。次の試合はセフード、タイトルに挑戦したい」と話した。


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