【World NO GI 2019】重量級4階級プレビュー。アブレウ、ADCCでの怒りをノーギワールドにぶつける?!
【写真】ADCCではニック・ロドリゲス戦の敗北に納得せず、3決を放棄したアブレウはノーギワールドでも優勝候補だ(C)SATOSHI NARITA
12日(木・現地時間)から15日(日・同)にかけて、カリフォルニア州カリフォルニア州アナハイムのアナハイム・コンベションセンター・アリーナにて、IBJJF主催の世界ノーギ柔術選手権大会が行われる。ノーギ・グラップリングの国際大会としては、2年に1回のADCC世界大会に次ぐ規模を誇るこの大会のプレビュー最終回は、重量4階級の模様をお伝えしたい。
【ミディアムヘビー級】
今年の茶帯世界王者、23歳のジョナタス・グレイシー(アトス)がエントリー。いわゆるグレイシー一族とは無関係だが、彼らに深い敬意を表する父によってグレイシーの名を授けられた新黒帯のジョナタスは、今後間違いなく世界柔術における優勝争いにも絡む逸材だ。
その他、今年のノーギ・ヨーロピアンを制したルーカス・アウヴェス、今年のノーギ・ブラジレイロを制したハファエル・パガニーニ等のアリアンシ勢も優勝を狙っている。
【ヘビー級】
強烈無比なスタックパスを武器とし、道場内世界最強とも呼ばれるユニティ柔術の重鎮ムリーロ・サンタナと、彼から黒帯を授かり、今年のヨーロピアン・ノーギを制したディヴォンテ・ジョンソンがエントリー。師弟によるクローズアウトを狙う。
が、このユニティ勢を倒して逆にクローズアウトを狙うのが、13年にこの大会を制し、16年には世界柔術準優勝に輝いているジャクソン・ソウザと、今年のヨーロピアン・ノーギを制したポーランドのガード巧者アダム・ワルジンスキのチェックマット勢だ。順当に行けば準決勝でジョンソンとソウザ、サンタナとワルジンスキの組み合わせが見られそうだ。
【スーパーヘビー級】
昨年黒帯を取得し、今年のADCC世界大会にてジャクソン・ソウザやヴィニー・マガリャエス等のビッグネームを倒して準優勝に輝いた22歳のヴィニシウス・フェレイラ(アリアンシ)がエントリー。今年の世界柔術でもパトリック・ガウジオを倒しており、今後の重量級柔術グラップリング界を担う若手の一人だ。
また、今年のKasai pro大会でフィリッピ・ペナを内ヒールで仕留めて世界を驚かせた「テックス」ことアーロン・ジョンソン(ファイトスポーツ)も注目だ。戦績は安定しないものの、その一瞬の極めの力は天下一品だ。
また日本在住の経歴を持ち、13年の本大会で準優勝に輝いたエリオット・ケリー(イェマソ)の活躍にも期待したいところ。そしてそのケリーやムリーロ・サンタナを倒して今年のヨーロピアン・ノーギの無差別級を制した新黒帯のマルセロ・ゴミーデ(グレイシー・バッハ)も優勝候補に挙げられるだろう。
【ウルトラヘビー級】
13年のADCC世界大会無差別王者にして、この大会も10-12年、そして17年と4度制覇しているサイボーグことホベルト・アブレウ(ファイトスポーツ)と、11年のADCC世界王者にして、07年にこの大会を制しているヴィニー・マガリャエス(ヴィニー・マガリャエスBJJ)という二人のビッグネームがエントリー。
このレジェンド同士の決勝戦の実現を阻む可能性のある存在として、今年の世界柔術茶帯の部の階級別&無差別を完全制覇し、昨年の本大会茶帯の部も制しているヴィクトー・ウゴ・マルケス、その先輩のジェームズ・プオポロのヒベイロ柔術勢二人の名前が挙げられるだろう。