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【Road FC57】まずは明日の一戦。ホン・ユンハ戦へ──富松恵美「自分に自信を取り戻したい」

Tomimatsu【写真】藤野に刺激を受けるという富松。まずは明日を終えて、彼女の内側に何が見えてくるかだろう (C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)に韓国はソウルのグランドヒルトン・コンベンションホールで開催されるRoad FC57 XXに富松恵美が出場し、ホン・ユンハと対戦する。

10月に前澤智に敗れDEEP JEWELSアトム級王座を取り逃した。37歳、ここからの再起は精神的も簡単ではなかったはずだ。そんな富松が──まずは、負けたままだと癪だからという気持ちでソウルで戦うこととなった。

頑なに公共の場ではBBA軍団入りを否定する一方で、同世代ファイターの強さと努力を誰よりも知る富松、このままでは終われない想いが彼女をロードに誘った。


──5年振りのロードFC出場となります。このタイミングで出場というのは?

「10月にタイトルに挑戦して、負けて。今年はもう休もうと思っていたんですが、佐伯さんからも『行ってもらえる?』という感じで話があり(笑)。そうですね、タイトルマッチで負けてずっと国内でやっていることにもテンションも下がっていましたし、再浮上するにも違う場所で戦ってみるのも良い機会かなと思いました。

でも、相手もDEEP JEWELSで戦っているのであんまり変わらないかもしれないです(笑)」

──ソウルで試合をするわけですし。違いますよ、やはり。

「それはそうですね。計量とか、ホテルとか日本と違いますし。今回は会場がホテルの隣ですけど、前の時はバスがあったり……。普段は働いているので、格闘家だという意識は自分でもあまり持っていないのですが、街路灯に自分と相手の写真が飾られていたりすると、そういう風に見られているんだなって思えて嬉しいですしね。

ホント、引退しても良いかなっていう気持ちもあったんです。でも中途半端なまんまでベルトを獲るという目標も達成できていないし、負けたまま今年を終わらせるのも癪だったので。まだできる……できるのなら、そこが試せる場だと思っています。そういう意味でも、ロードで違う環境というのも大きかったですね」

──ここにきてベルトを獲れなかった。キャリアの再構築がしんどくなってくるところで、海外で仕切りなおすというのも良いかもしれないですね。

「ベルトが目の前にあって、自分の持っているモノが試合に出せない。負けた選手はそういうことなんでしょうけど、出し切れていない。完全に出せて負けたらしょうがないのですが、もっとできるだろうって考えてしまって。それを考えると、ずっと辞められなくなっちゃうんですけどね(苦笑)」

──パンクラスでチャンピオンになった藤野選手が、浜崎選手、黒部選手、山口芽生選手、そして富松選手──自分たちの世代は若い子に負けていないとタイトル戦の前に言っていました。

「藤野さんといつも練習させてもらっていて、チャレンジャーとしてタイトルマッチに出たのは私は2度で……。藤野さんが『4回獲れていない』と言っている煽り映像を見て、私はまだまだじゃんって思えたんです!!」

──BBA軍団の一員として、ここからだと!!

「いやいやいやいや(笑)。そこはまだです。そういうと藤野さんと黒部三奈コンビには『一緒だから』と言われるのですが、私と芽生ちゃんは『まだだから』って(笑)。まだ半熟女で……」

──何が違うのかと(笑)。

「違うくないんですよね(笑)。心ではもうBBA軍団なんですけど……公にはまだ『BBAなめんな』はアチラに任せて、今も半熟で行けるよう、ケアをしています(笑)。でも、日曜日の朝に藤野さんや黒部さんと練習をしていますし、朝の8時半とか、日曜日の午前中は寝ていたいところをBBA軍団は頑張っているんですよ」

──いや、自らBBA軍団と言っているじゃないですか(笑)。

「アッ……まだ公共の場では認めていないです」

──つまりこのインタビューはプライベート・トークだと(笑)。

「アハハハ。まぁ、明日の大会のプログラムを見ても私が一番BBAなんですけどね(笑)」

──しかし、こんなにBBAを連呼しているとセクハラで訴えられてもおかしくないですね。

「いや、BBAなめんな層ができていることでセクハラではないですよ(笑)」

──ではホン・ユンハに関しては、どのような印象を持っていますか。

「最初は負けていたけど、それから3連勝してこないだがアムで……」

──アム・ザ・ロケットはちょっと別格な印象があります。

「寝技もできるし、殴ってくるし、強くなっています。そういう相手にアウェイで勝つことで自分に自信を取り戻したいです。ここで勝てれば、また頑張ろうって気持ちになれるかと……。藤野さんには刺激を貰っていますし、藤野さんのあの迫力を経験しているので、ホンちゃんのパワーぐらいは大丈夫だと思います。

そうですね──。これからを考える前に、ここをまず勝って楽しく年を越したいと思います」

■ Road FC57計量結果

<アトム級/5分3R>
パク・ジョンウン:48.5キロ
シム・ユリ:48.4キロ

<50キロ契約/5分2R>
イ・スヨン:50.4キロ
シ・ミン:50.5キロ

<60キロ契約/5分2R>
ローワン・ピルガー:59.5キロ
奈部ゆかり:60.1キロ

<49キロ契約/5分2R>
ホン・ユンハ:49.0キロ
富松恵美:49.1キロ

<キックボクシング・フライ級/3分3R>
パク・ハジョン:57.3キロ
オ・ヒョンジュ:56.3キロ

<アトム級/5分2R>
シン・ユジン:48.5キロ
キム・ヘイン:48.4キロ

<ウェルター級/5分3R>
ナム・ウィチョル:77.3キロ
シン・ドングク:77.3キロ

<グラップリング70キロ/5分1R>
キム・スーチョル:68.5キロ
タクミ:69.7キロ

<グラップリング70キロ/5分1R>
イ・ユンジュン:70.4キロ
清水俊一:67.1キロ

<ミドル級/5分2R>
ラ・インジェ:84.3キロ
イ・ウンス:84.3キロ

<フェザー級/5分2R>
パク・ヒョングン:65.8キロ
マイク・ガリテーロ:65.0キロ

<ライト級/5分2R>
ジョン・ユンジェ:70.1キロ
ムングントスウ・ナンディンエルデン:70.4キロ

<ウェルター級/5分2R>
チェ・ジウン:76.7キロ
キム・サン:77.2キロ

<フェザー級/5分2R>
キム・テソン:65.9キロ
オ・ドゥソク:65.8キロ

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