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【ONE97】世界フェザー級王者マーチン・ウェンに挑戦、松嶋こよみ─02─「距離、蹴りだと思っています」

Koyomi Matsushima【写真】少し照れつつ站樁を披露してくれた松嶋(C)MMAPLANET

本日2日(金・現地時間)、フィリピンはマニラのMOAアリーナで開催されるONE97「Dawn of Heroes」。今大会のメインでONE世界フェザー級王者マーチン・ウェンに挑戦する松嶋こよみインタビュー後編。

ナチュラルボーンMMAファイターが多くの格闘技と触れ合い、試行錯誤を重ね手痛い経験をしてきた。勢い溢れる戦いと、成熟しつつある人間性と融合させることが、出ないと勝てないが闇雲に突き進むと倒されるという難解なマーチン・ウェン戦に挑む松嶋には欠かせなかった。

集大成という名のステッピングボードへ、松嶋は何を語っていたのか。
<松嶋こよみインタビューPart.01はコチラから>


──このタイミングで挑戦というのは、ここまでの格闘技との付き合い方の全てを踏まえて絶好のタイミングなのかもしれないですね。

「ガフロフとウォンイル戦以前が、本当に重要だったと思います。勝ち続けていたら、こういうことは感じることができなかったはずです。ISAO選手とやった後からメディテーションをやるようになって、そこをやることで岩﨑(達也)先生と一緒にやっていた站樁も、『あっ、これのことか』って言う風に気づきがあったんです」

──形意拳からくる立禅の站樁ですか!!

「ハイ、站樁に関しては岩﨑先生に6つぐらいの型、気の流れを教えてもらいました。それを今、操っています。本当の意味で操ることができているのか、分からないですけど(苦笑)。呼吸法などをイメージしながら、站樁をすると落ち着きます。僕はスパーリングではイライラしがちなので、そういう時に一度、落ち着くために意識して站樁をすると、その効果がかなり分かるようになってきました。メディテーションをするようになったからこそ、分かるようになったというのはあります」

──メディテーションは小池瑞香さんと今も?

「ハイ。この試合前もずっとやっていただいて」

──站樁も心が落ちいた状態というモノを理解したからこそ、効果的になったと。ビシバシと怒られながらやるモノではないということですね(笑)。

「確かに、それはそうかもしれないです(笑)。そういう部分があって、パフォーマンスに生かすことができています。本当にやっと……何となく分かったというか。岩﨑先生が言っていたことは、こういうことだったんだと気づくことができました。それを出せるか、出せないかは自分次第です」

──格闘技と武術は別もので。でも生かせることがあるといのは、まさにそういうことなのでしょうね。

「だからこそ、出したいですね。これまでやってきたことを全部出せれば戦える……勝てると思っています。勝ちたいですね」

──当時は分からなくて、やらされていた練習というのは存在したと思います。そがキャリアの浮き沈みがあって分かるようなったということですね。

「やらされている間は、わけが分からずやってきました。その頃、マルロン・サンドロに負けて……それからも色々と経験できたからこそ気づいて。今、必要だなと分かりました。集大成ではないけど、自分がやってきたことを出し切れる機会だと思います」

──最後に尋ねようとか思っていた集大成という言葉が早くも出てきたので、聞かなかったことにします(笑)。そういうなかマーチン・ウェンの印象を教えてください。

「本当に何でもできる選手です。ただ打撃が強いだけではない選手なので。こんなに全てが整った選手と戦うのは初めてです。きっとウェンが経験したことがないような動き織り込んでいかないと崩せない。そういう戦いをしなければいけないと思います。

ケビン・ベリンゴンと戦った時は、バンタム級で決して体調が良かったわけじゃないのに、あれだけスピードに対応できていた。本当にただひたすら自分を出し切って戦うしかないです」

──この試合を戦うために、過去のマーチンの試合で一番参考にできるのは誰と戦った試合でしょうか。

「クリスチャン・リーとの2試合目ですかね。あの試合のマーチンが一番強いというイメージです。テイクダウンを切って良いところでパンチを入れるという。あの試合を見て、同じような動きで戦っていたら勝てないと思いました。それをするとクリスチャンの二の舞になる。だからこそ、自分のタイミングで戦っていきたいと思っています。自分のセンスは信じてはいるので」

──クリスチャンとの2戦目を参考にするということは、前提が攻めないといけないということなのでしょうね。

「ビビアーノ・フェルナンデスもベリンゴンにしても、行かすに戦って判定勝ちしました。前に突っ込むと、貰うことが分かっているからです。それは重々承知なんですけど、あの行かない試合は僕にはできない。かといって全力でぶつけにいってもやれる。だからこその距離、蹴りだと思っています」

──では、先ほど出た集大成ではないですが……という言葉ですが、今回の世界戦は松嶋選手にとってどのような位置づけなのでしょうか。

「僕が一つ、もう一皮剥けるというか……ステップアップするのに大切な試合です。ここで心が折れて負けているようじゃ、この先がない選手だと思います。今までやってきたことを出し切って、最後まで戦い抜きたいです。そういう意味で、集大成。これまでやってきたことを全て出す。これがあるから今後があると思うので、しっかりとそこをぶつけて戦いたいです」

■ONE97対戦カード

<ONE世界フェザー級選手権試合(※70.3キロ)/5分3R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]松嶋こよみ(日本)

<Super Seriesムエタイ・世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョナサン・ハガディ(英国)
[挑戦者] ロッタン・ジットムアンノン(タイ)

<ライト級 (※77.1キロ)ワールドGP準決勝/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
エディ・アルバレス(米国)

<フライ級(※61.2キロ)ワールドGP準決勝/5分3R>
デメトリウス・ジョンソン(米国)
和田竜光(日本)

<フライ級(※61.2キロ)ワールドGP準決勝/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
リース・マクラーレン(豪州)

<Super Series ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ロドレックP.K.センチャイムエタイジム(タイ)
クリス・ショウ(英国)

<フライ級(※61.2キロ)ワールドGP補欠戦/5分3R>
ジェヘ・ユースタキオ(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アルジャン・ブラー(カナダ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ホノリオ・バナリオ(フィリピン)
パク・デソン(韓国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
レアンドロ・イッサ(ブラジル)
竹中大地(日本)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ジェイムス・ナカシマ(米国)
岡見勇信(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドワード・ケリー(フィリピン)
シエ・ビン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ポンシリ・ミートサティート(タイ)
ミャオ・リータオ(中国)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
サマラ・サントス(ブラジル)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
スノト(インドネシア)
ムハメド・アイマン(マレーシア)

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