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【ADWP2019】110キロ級 黒帯になってから一本勝ちが全てアキレス腱固めの男=パスタリゴフ、記録更新

4月24日(現地時間・水)から26日(同・金)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのムバダラ・アリーナにて、UAE柔術連盟主催のアブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2019が開催された。世界の強豪が参加するこの大会のレビュー最終回は、黒帯になってからの一本勝ちが全てアキレス腱固めというロシア代表ムスリム・パスタリゴフらが出場した最重量110キロ以下級の模様を紹介したい。


<110キロ以下級1回戦/6分1R>
エルダー・ラフィガエフ(モルドバ)
Def. by 三角絞め
ムスリム・パスタリゴフ(ロシア)

ごく一部で熱い注目を集めた、アキレス腱固め専科パスタリゴフの相手はモルドバのエルダー・ラフィガエフ。所属道場名は「ジャングルBJJ」といい、そのギには「Yakuza BJJ for life」と書かれたバッジが。こちらも劣らず衝撃的だ。

試合開始早々引き込んだラフィガエフは、片襟片袖を取るとすぐにパスタリゴフの右腕を超えて三角絞めに。すぐに背筋を伸ばしたパスタリゴフは、さらにラフィガエフをリフトして立ち上がって絞めを緩めようと試みる。が、やがてそのまま静かに座ってそっとラフィガエフを降ろしてしまうパスタリゴフ。地上に戻ってきたラフィガエフが深く三角をロックすると、パスタリゴフがタップ。

何もできずに2分少々で負けてしまったパスタリゴフだが、「黒帯になってからの一本勝ちが全てアキレス腱固め」という記録は守られた。

<110キロ以下級敗者復活戦1回戦/6分1R>
ムスリム・パスタリゴフ(ロシア)
Def. by 2-2 アドバンテージ
アントニオ・ジュニオール(英国)

試合開始早々、パスタリゴフは巨体に似合わないスピードのシングルレッグでテイクダウンして2点を先制。そのままハーフガードで胸を合わせてアドバンテージを取ったパスタリゴフは、その後はジュニオールのディープハーフからの攻撃を受けつつも、巧みなボディバランスで上をキープ。膠着のペナルティを重ねつつも最後まで上を譲らずに判定勝ちした。

膠着連発の上にアキレス腱固めも不発に終わったパスタリゴフだが、判定勝利であったが故に「黒帯になってからの一本勝ちが全てアキレス腱固め」という記録は今回も守られた。

<110キロ以下級敗者復活戦2回戦/6分1R>
ムスリム・パスタリゴフ(ロシア)
Def. by アキレス腱固め
ウォルター・ドス・サントス(アンゴラ)

試合開始早々引き込んだドス・サントスに対し、すかさず左ヒザを入れたパスタリゴフは、横にパス狙いと見せかけて左手で相手の左足をクロスに取るアキレス腱固めへ。そのまま腹ばいになる形で締め上げ、開始後45秒にてあっという間にタップを奪ってみせた。

今大会3試合目にしてとうとう伝家の宝刀を炸裂させたパスタリゴフ。ワキ腹で相手の足首を横に圧迫する強烈な極めで、ブラジルの世界的強豪であるヒカルド・エヴァンゲリスタとの3位決定戦に駒を進めたのだった。

<110キロ以下級敗者3位決定戦/6分1R>
ヒカルド・エヴァンゲリスタ(ブラジル)
Def. by 手首固め
ムスリム・パスタリゴフ(ロシア)

スタンドで頭を付けてギを掴み合う両者。やがてパスタリゴフは素早く飛び込むと、エヴァンゲリスタの巨体を豪快に肩車でリフトしてテイクダウンに成功。そのままパスを狙うが、エヴァンゲリスタも対応してクローズドガードを取った。

ガードの中のパスタリゴフは、左腕でエヴァンゲリスタの首元の襟を掴む。と、エヴァンゲリスタはおもむろにパスタリゴフの左ヒジを両腕で掴んで、自らの体に押ししける。いきなり手首を強烈に極められたパスタリゴフは一瞬でタップした。

最後は1分足らずで極められてしまったパスタリゴフだが、一本負けゆえに「黒帯になってからの一本勝ちが全てアキレス腱固め」という記録は最後まで守られたままだった。

このように国際色豊かで、豪快かつ予測不可能な試合が多数見られた最重量級だったが、大本命のジョアオ・ガブリエル・ホシャは、準決勝でエヴァンゲリスタとの接戦を制して順当に勝ち上がる。決勝はそのホシャが、UAEのヤヤ・アル・ハマジにチョークで完勝。先日ブシェシャことヒカルド・アウメイダとの頂上決戦を制し、年頭のKASAI PROでゴードン・ライアンのヒザを破壊したホシャこそ、現在地上最強の競技柔術家の座にもっとも近い位置にいる男と言えるだろう。

■110キロ以下級リザルト
優勝 ジョアオ・ガブリエル・ホシャ(ブラジル)
準優勝 ヤヤ・アル・ハマジ(UAE)
3位 エヴァンケリスタ・サイボーグ(ブラジル)

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