【ONE91】人生を変える戦い、パシオとの防衛戦へ猿田洋祐「全部できると思っていれば、驚くことはない」
【写真】収録は東京大会前。写真はマニラに向かう羽田空港で撮影されたもの。いずれの猿田は非常に落ち着いていた(C)MMAPLANET
12日(金・現地時間)、フィリピンはマニラのMOAアリーナで開催されるONE91「Roots of Honor」。同大会のセミファイナルで1月にタイトルを奪取したジョシュア・パシオの挑戦を受けるONE世界ストロー級チャンピオン猿田洋祐をAbema TVが制作するドキュメンタリー番組= ONE DAY が追った。
MMAPLANETではパシオ戦に関し技術的、また戦術的に特化し猿田の話を訊いた。そのなかで知られた猿田の体質も含め、勝負の時に挑むチャンピオンの声を届けたい。
──今日は花粉が凄くて、猿田選手は花粉症の方は?
「あります」
──! では今年は凄く量が多いですし、調整に影響がでないですか。花粉の時期は試合を控える選手もいるほどですが。
「なんか減量中は大丈夫なんです。何でですかねぇ?」
──へぇー、そういうことがあるのですか。
「自分、果物もアレルギーでダメなんですよ。でも減量中は食べることができるんです。逆に減量中はフルーツしか食べないぐらいです。バナナやキウイとフリーズドライの野菜をスムージーにして飲んだりだとか」
──「フルーツ・スムージーで減量し、さよなら花粉症!!」という本を書きませんか(笑)。
「アハハハ。花粉に反応しないぐらい免疫が落ちているんじゃないですか」
──しかし、果物がダメというのも珍しいですね。
「ノドが痒くなってしまうんです。だからバナナ1本ぐらいですね、食べられるのは」
──そのバナナで喧嘩したと(笑)。
「アハハハハ。魚井さんとね。果物は普段食べないです」
──ハイドレーションがあるONEでは果物と水というコンビネーションで体重を調整することを勧めていたこともありました。
「現地でも食べるのはフルーツぐらいなんです。余裕があると朝ごはんを食べることもありますが」
──試合が終わると?
「もう果物はダメです」
──そんな人、周囲にいますか。
「知らないです。聞いたことありません(笑)。リンゴとかも食べられなくて。イチゴなんて一番嫌いで。イチゴって美味しいですか?」
──凄く美味しいと思います(笑)。ではパシオ戦についてですか、前回タイトルを獲得した試合の翌週にチャトリCEOがパシオの勝ちだったと発言しました。あの試合内容で負けになるのであればということで、何か対策を練ってきましたか。
「そうですね、ハッキリとテイクダウンのポイントはないと明らかになりました。打撃だ、ダメージだというのが明確になったので意識を変えることはできました」
──それでもMMAという競技では試合を組み立てるうえで、テイクダウンは欠かせないと思うのですが。
「コントロールしてダメージを与えると評価されるので、テイクダウンは展開を作る武器だと思います。そういう部分でグラウンド、立際で殴ってダメージを与えていこうという戦略はあります。
大幅に戦い方を変えることなく、今まで使ってきた武器をどう組み合わせるのか、時間の中でどのように使うかですね」
──この判定基準、ニア・フィニッシュも考慮されるのですが、極めについて猿田選手はどのように捉えていますか。
「そうですねぇ……もともと僕は柔術とMMAを同時に始めて、最初の頃は柔術を使って戦っていたんですけど。そこにレスリングが入ってきて、上からのパウンドを意識するよういなりました。
だから極めに関しても上からというのはあるのですが、下からは立ち上がるためやスイープのために狙うぐらいです」
──やはり下にならないということが前提になっているのですね。
「体に染みついていますね。ラカイは下になっても殴られなければ良いというぐらい割り切れているようですが……自分がソレをやって評価されるのかというのもありますし(苦笑)」
──彼らはスタンドでポイントを得ることができる技を駆使して戦う。そのバランスのなかでの、テイクダウンを取られてもという割り切りかもしれないですね。
「難しいところですね。マニラでの試合だと、下から鉄槌を出していて観客がわいている。それがジャッジに影響を及ぼすのか。歓声って聞こえるので、嫌なイメージになり焦りという部分で影響が出るかもしれないです」
──そういうなかでパシオの攻撃で気を付けないといけないのはどこでしょうか。
「やはりポイントを取れる蹴りだとか、常にカウンターを狙っている点ですね。瞬発力もあるので、いかに入っていくのか。実際に戦ってケージ際、ディフェンスが上手かったです。HERTSは壁際の練習を相当やっているので自信はあったのですが、ラカイもやっていますね。パワーもあるのですが、向こうもやっている。
ただ全部できると最初から思っていれば、別に驚くことではないです。普通に戦うだけで。それよりも、もっと前に出てくると思ったのにずっと待ちだった。そこが意外でした。いつになると出てくるのかと。
ただあの試合展開で、僕がスプリットで判定勝ちできたことは大きいですね。パシオは戦略を変えてくるだろうし。変えてこないのかな? どうなんでしょうね」
──アグレッシブになる可能性は十分にあるかと思います。
「前に出てきてくれれば、戦いやすいというのはあります。下がる相手をテイクダウンするのは難しいですし。前に出てくると、自分にはパンチがあるし、テイクダウンも混ぜて上下で崩すこともできます。だから前に出てきて欲しいですね。
ただ出てこないのであれば、それはそれで僕にもやりようがあります。自分も出ないとか(笑)。前に出ても効果がないことがあるので、しっかりと見極めていきます」
──ONEルールに対応することで考えることが増えましたか。
「今も言ったようにただ前に出るだけでなく、練習中も距離やタイミングを見てどの攻撃が当たるのか、ここではテイクダウンが取れるなとか意識するようになりました。一歩踏み込んできたら合わせられるとか、そういうイメージもしています」
──今回、このインタビューは東京大会前に行っています。両国ではラカイの2人のチャンピオン、エドゥアルド・フォラヤンが青木真也選手、ケビン・ベリンゴンがビビアーノ・フェルナンデスの挑戦を受けます。猿田選手が自分の試合を考えた場合、この2つの世界戦はどのような結果を望んでいますか。
「それは青木さんとビビアーノに勝ってほしいです(笑)。本当に長く続けてきて修斗のチャンピオンになって、そのおかげでONEからチャンスを貰い、生かすことができました。自分の人生が変わり始めています。色々な人がサポートしてくれたり、応援してくれるようになりました。
防衛することでファイトマネーもそうだし、勝つことで自分の人生が経験したことないぐらい変わると思っています。大切な試合です。ここで結果を残すことによって、自分の将来を変えないといけないと思っています」
■ONE91対戦カード
<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]ジャダンバ・ナラントンガラグ(モンゴル)
<ONE世界ストロー級(※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]猿田洋祐(日本)
[挑戦者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
和田竜光(日本)
グスタボ・バラルト(キューバ)
<68キロ契約/5分3R>
レアンドロ・イッサ(ブラジル)
フー・チャンシン(中国)
<キック・ライトヘビー級/3分3R>
イブラヒム・エルブウニ(モロッコ)
アンドレイ・ストイカ(ルーマニア)
<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ルイス・サッポ(ブラジル)
ジェイムス・ナカシマ(米国)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
エドワード・ケリー(フィリピン)
イ・スンジョン(韓国)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
エリック・ケリー(フィリピン)
クォン・ウォンイル(韓国)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)
オグニエン・トピッチ(セルビア)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
アフマッド・カイス・ジャスール(アフガニスタン)
シエ・ビン(中国)(中国)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ニコ・ソーナルテ(シンガポール)
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ルーシラー・プーケットトップチーム(タイ)
MOMOTARO(日本)(日本)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ビ・ウェン(ベトナム)
ドゥイ・レトノ・ウーラン(インドネシア)
<ストロー級(※61.2キロ)/5分3R>
ラモン・ゴンザレス(フィリピン)
藤沢彰宏(日本)