【ONE90】見逃し厳禁、フライ級GPでアクメトフと戦うマクラーレン「柔術&レスリングは誰にも負けない」
【写真】アクメトフと対戦するマクラーレン。27歳で12勝5敗。フライ級に転向してからは3連勝中。この顔とリース・マクラーレンという名をインプットしてほしい(C)MMAPLANET
明日31日(日)、東京都墨田区の両国国技館で開催されるONE90「A NEW ERA」ではフライ級ワールドGPの戦いの火蓋が切って落とされる。
当初の予定では4つの準々決勝が組まれていたワールドGPだが、和田竜光が対戦相手の負傷で欠場に。またダニー・キンガドと戦うはずだったアンドリュー・レオーネが負傷欠場し、仙三がONEと契約し代替出場することも決まっている。
DJ✖若松佑弥に注目が集まり、他の試合も日本人絡みということで注目度は日本国内では低いことは否めないが、元世界王者カイラット・アクメトフ×リース・マクラーレンの一戦は決して見逃すことができないONEフライ級を知る上では外せない一戦だ。
豪州のグラップラー、日本では無名ながら確かな力を持つマクラーレンに現在の気持ちを尋ねた。
──日曜日にフライ級ワールドGPでカイラット・アクメトフと対戦します。今の気分は?
「こんな凄いカードが並ぶ大会に出られるなんて、それだけで夢が現実になった想いだよ。しかも、元チャンピオンのカイラットというレベルの高い選手を相手に、自分の力を見せることができる。もう1つ夢まで、叶ったように思う」
──ラインナップが素晴らしいだけに埋もれてしまいがちですが、カイラット✖マクラーレンは見逃せない一番です。
「ありがとう、そういってもらえて嬉しいよ」
──2015年12月にリースがマーク・ストリーグルとONE初戦で戦った時、注目していたのはストリーグルの方でした。その試合でリースは素晴らしいグラップリングを披露し、RNCで一本勝ち。3戦目でビビアーノの持つ世界バンタム級王座に挑戦しスプリットで判定負けも大健闘でした。リースはどのようにして、あの高度なグラップリングを習得したのでしょうか。
「僕は子供の頃、WWEが好きでずっとTVで視ていたんだ。でもプロレスリングは子供が習って、トレーニングしてできるものじゃないことに気付いた。それもあってコンバットスポーツに興味を持ったんだけど、本格的な習うようになったのは本土に戻った17歳の時からだよ」
──本土というのはオーストラリア大陸ということですか。
「そう。僕はクィーンズランド州のブリスベン生まれだけど、インドネシアのジャカルタの方がよほど近いクリスマス島で育ったんだ。3歳から14年間、クリスマス島で暮らしてムエタイやボクシングを習っていた。そんなときに豪州空軍で働いていた1人が柔術の経験があり、その人からMMAの存在を教えてもらったんだ。
それが14歳ぐらいのときで、17歳で本土……クィーンズランド州のトゥーンバ……ブリスベンの内陸にある街に引っ越し、カチMMAに入門した。ジムの代表のジェフ・ペリーはボクシング、カンフー、ムエタイを15年間学びカチMMAをスタートさせ、同時にブラジリアン柔術も始めてジョン・ウィル&マチャド柔術の黒帯なんだ。
彼の弟ヴィセントが今の僕のメイン・コーチなんだけど、ビンセントはMMAファイターとして素質があると言ってくれて、ゴールドコーストに彼が持つPotential Unlimited MMA──PUMMAに僕を連れて行ったんだ。それからゴールドコーストに引っ越し、フルタイムでトレーニングする環境を手にしてMMAファイターになった」
──豪州の選手の目標はUFCだと思いがちなのですが、3年以上も前にリースがONEと契約をしたのは?
「凄くラッキーだったと思うよ。僕が出ていたローカルショーにたまたま来ていた関係者がいて。僕の試合を気に入って、コンタクトを取ってきたんだ。いや、本当についていたよ」
──ONEは打撃に重きを置いているように思えることも多々ありますが、グラップリングベースのリースはフィニッシュという結果を残しています。
「北米のジャッジとは少し違うからね。だから僕は相手の穴を衝いて、そこを捕らえて離さないような戦いを心がけているんだ。どっちにしても、ジャッジに試合結果を委ねたくない。僕はビビアーノ戦以外でも、判定になるとスプリットで負けることがあった。だからタツミツ・ワダにはスプリットで勝てて本当に良かった。誰もが判定はどうなるか分からないから避けたいと思っているはずだけど、フィニッシュできないこともある。それがMMAの試合だからね(笑)」
──和田選手に勝ったことで、リースの力を日本のファンも知ることとなりました。対して、日曜日の相手はレスリングが主武器の元世界王者です。
「皆、知らないだろうけど僕もレスリングではグレコで豪州チャンピオンになっているんだ。だから僕はレスリングだけでなく、柔術とレスリングを融合させて戦うことができるし、この戦い方では誰にも後れを取らない自信がある」
──この大会でインパクトを残せば、大変なアピールになると思います。
「ホントに凄いカードが揃っている。この場にいることが信じられなくて、頬をつねったよ(笑)。この大会はMMAの歴史で最高のモノだよ。5人の世界チャンピオンがいて、最も偉大なフライ級ファイター、世界のファンから愛されているファイターがいる。それにキックやムエタイのレジェンドが戦うんだよ。
12年間の努力が実を結ぶのか、この1日に掛ってくる。この試合のために何もかも犠牲にして、練習に取り組んできた。ONEはヒーローを生み出すプロモーションだ。日本人の言うところの武士道精神、ウォリアーズ・スピリットをもって僕が何者であるかを証明するために戦う。そしてONE世界フライ級王座に近づけるよう勝利を手にするよ」
■ONE90対戦カード
<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
[挑戦者]青木真也(日本)
<ONE世界女子ストロー級(※56・7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィォン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]アンジェラ・リー(米国)
<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]長谷川賢(日本)
<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
[挑戦者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
デメトリウス・ジョンソン(米国)
若松佑弥(日本)
<ONEライト級(※77.1キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
<キック72キロ契約/3分3R>
ヨーセングライ・IWE・フェアテックス(タイ)
アンディ・サワー(オランダ)
<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
仙三(日本)
<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
リース・マクラーレン(豪州)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
V.V Mei(日本)
クセニア・ラチコワ(ロシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
アンソニー・アンゲレン(オランダ)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
ハキーム・ハメック(フランス)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
パニコス・ユーサフ(キプロス)
モハマド・ビン・マフムード(マレーシア)
<キック・フライ級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ヨゼフ・ラシリ(イタリア)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ユン・チャンミン(韓国)
バラ・シェッティー(インド)