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【HEAT44】初来日、クロアチアのグラップラー=サシャ・ミリンコヴィッチ「技術の積み重ねを披露したい」

Sasa Milinkovic【写真】クロアチアとドイツでMMAキャリアを積んできたミリンコヴィッチ (C)MMAPLANET

2日(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールで開催されるHEAT44にクロアチアからサシャ・ミリンコヴィッチが初来日を果たし、HEATライトヘビー級王者チョン・ダウンとヘビー級マッチで戦う。

ミルコ・クロコップの下でMMAの練習を積むミリンコヴィッチはキャリア6勝1敗、石井慧が認めるグラップラーだ。クロアチア産のグラップラー、その実力は如何に。計量後に初めての日本に士気が高まるミリンコヴィッチをキャッチした。


──計量を終えて、今はどのような気分でしょうか。

「凄く良いよ。サトシ・イシイとジェロム・レバンナというレジェンド達と同じ大会で戦える機会を与えてくれたHEATに感謝している。僕の対戦相手は、明日が最後の試合になるだろう」

──クロアチアのファイターといえば、どうしてもストライカーを連想しがちですが、ミリンコヴィッチ選手はグラップラーらしいですね。

「その意見は分かるよ。僕のバックグラウンドはレスリングとグラップリングなんだ。特にグラップリングかな。ジムではグラップリングだけでなく、ずっと世界で最高のストライカーであるミルコ・クロコップと練習してきた。でも、一番の武器はやっぱりグラップリングかな(笑)。

クロアチアにも幾人かのブラジリアン柔術の黒帯はいるんだ。僕もそのうちの1人だよ。リオ・グラップリングのホベウト・タタに黒帯を与えられた。とにかく練習し、旅をして試合に出ること。そうやって自分に投資して力をつけることがファイターはできる。逆にいえば、そうしないとトップレベルにはたどり着けない。

たくさん旅をしてきた。そして試合に出てきた。僕はIBJJFのヨーロピアンで3度、優勝している。FILA世界グラップリング選手権で銀メダルも取った。2度、クロアチア国内の柔術チャンピオンにもなった。とにかく、強くなるにはマットに上がって戦うしかないと思っている」

──では日本で試合をすることは、どういう意味を持っていますか。

「日本にはMMAの歴史がある。世界には2つの格闘技のメッカがあって、それが米国と日本なんだよ。アメリカにはUFCとBellatorという世界1位と2位のプロモーションがあるからだ。対して日本はMMAの文化がある。日本のファンと他の国のファンは大きな違いがある。日本のファンだけが寝技や組技のテクニカルな面を評価してくれる。とても感謝しているよ」

Jung vs Milinkovic──そんな日本のファン前で、明日は韓国の新鋭チョン・ダウンと戦います。どのような試合をファンに見せたいですか。

「う~ん、彼がそんな良いファイターとは思わない。僕は彼の穴を見つけているし、そこを突いて僕が勝つ」

──ところでミルコは日本で戦うことについて、何かアドバイスをくれましたか。

「もちろん。ミルコは日本で何度も戦ってきた。だから時差のことも分かっているし、日本での過ごし方や食事のことも凄く理解している。でもね、ミルコのアドバイスっていうのは『キックもパンチも思い切り打て。そして相手を破壊しろ』って。そういうもんなんだ(笑)」

──アハハハ。らしいといえば、らしいです。

「とにかく明日は僕が強いファイターであることを証明したい。ただし、予測不能な気が狂ったようなファイトではなく、しっかりとした技術の積み重ねを披露したいと思っている。これがサシャ・ミリンコヴィッチなんだと日本のファンに分かってもらえる試合をするよ」

■HEAT44 計量結果

<HEAT総合ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]カルリ・ギブレイン: 111.9キロ
[挑戦者]石井慧: 112.0キロ

<キック・スーパーヘビー級/3分3R>
ジェロム・レバンナ: 110.0キロ
楠ジャイロ: 118.4キロ

<HEAT総合ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]オク・レユン: 69.8キロ
[挑戦者]トム・サントス: 70.0キロ

<バンタム級/5分3R>
春日井たけし: 61.4キロ
清水俊一: 61.5キロ

<ヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン: 106.0キロ
サシャ・ミリンコヴィッチ: 108.3キロ

<55キロ契約/5分2R>
鈴木万李弥: 55.3キロ
本野美樹: 55.0キロ

<キック・スーパーライト級/3分3R>
ヴィトル・トファネリ: 63.4キロ
石田勝希: 62.7キロ

<キック・ミドル級/3分3R>
ヒマラヤン・チーター: 69.9キロ
チョ・ギョンジェ:69.0キロ

<キック65キロ契約/3分3R>
安川侑己: 64.9キロ
加藤駿: 64.7キロ

<キック・ライト級トーナメント1回戦/3分3R>
チャオ・ロゲート: 62.5キロ
将輝: 59.8キロ

<キック・ライト級トーナメント1回戦/3分3R>
ヘンリー・セーハス: 59.5キロ
ジュ・ギフン: 59.6キロ

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