【Bellator216】ポール・デイリーがまさかのTD狙いのファイトへ。初回の目視戦がMVPを勝者に
<ウェルター級ワールドGP準々決勝/5分5R>
マイケル・ペイジ(英国)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
ポール・デイリー(英国)
オーソの横構えのペイジがケージ中央を陣取る。左右に回るデイリー、ジリジリと距離を詰めたペイジがサイドキックを見せる。両者、攻撃に出ないため会場にブーイングが起こる。そんななかペイジがサウスポーに構え、右のサイドキックを届かせる。デイリーはケージ際を回り続ける3分が経過してようやく前に出る仕種を見せる。ペイジの外側もしくは、極端な内側を取ろうとし、正面に立たないようにするデイリーは右ローを空振りする。ペイジも体は動かすが、攻撃は少ない。残り30秒になり、ペイジが左ジャブを一度伸ばす。サイドで腿を蹴ったペイジが飛びヒザ狙いからパンチを見せた直後に──全く予想外の観客のストレスが溜まるような初回が終わった。
2R、出入りを早くしたペイジにデイリーが右ローを放つ。ペイジは二段蹴りを見せるも、ギリギリ届かない。デイリーはパンチでなくテイクダウン狙いへ。一度は切ったペイジをさらに追いかけてクリンチに持ち込んだデイリーがケージに押し込む。デイリーはインサイドトリップから逆側の足を取ってテイクダウンに出る。ケージを背にして耐え、離れたペイジは続くダブルレッグで尻もちをつかされる。両足を挟んで四の字に組んだデイリーが、ペイジを立たせないよう戦う。
ここから細かいパンチを見せたデイリーが右エルボーを狙う。ケージにもたれた形で立ち上がることができないペイジに対し、残り10秒で離れたデイリーが右から左を放つ。立ち上がり際でパンチが当たったのか定かでないが、ペイジがバランスを崩す。いずれにせよ、この回はデイリーが取り返した。
3R、ペイジが左ローから左掛け蹴り、さらに右フックを見せる。左ジャブを当てたペイジは、デイリーの前進に鋭いヒザを繰り出す。前に出て来るところで飛びヒザを狙うなど、予防線を張るペイジが右を届かせる。デイリーの右をかわしたペイジは、続くシングルレッグを切るが、そのままクリンチでケージに押し込まれる。
体を入れ替えてヒザを突き上げたペイジに対し、デイリーが直後にボディロック&小内刈りでテイクダウンを決める。ペイジはクローズドガードを取り、下からエルボーを放つ。ハイガードに立ち上がって頭を抜いたデイリーは、再び足を殺してトップコントロールを続ける。起き上がって右から、左を当てるデイリー。ペイジは金網にもたれた形で、そのパンチを避けようとしてから立ち上がる。ペイジは逆にテイクダウンを狙うが、タイムアップに。デイリーがポイントをリードすることとなった。
予想外のデイリーのテイクダウン狙いで劣勢のペイジが、右オーバーハンドを入れる。デイリーはここもダブルレッグからシングルに切り替えてテイクダウンに成功する。ケージ中央でクローズドガードのペイジは下からエルボーを連打。デイリーも上から左ヒジを落とすが、両者揃って寝技でも手数は多くはない。
頭を胸につけてスクランブルに持ち込ませないデイリーは、三角狙いに頭を抜く。と同時に立ち上がったペイジを追いかけるよう組んでいったデイリーは、足を抜いたペイジにスピニングバックフィストを狙う。間合いを取ったデイリーに右の飛びヒザを決めたペイジが、さらにもう一発ヒザを見舞う。ペイジは組みに移行しボディロックに取り、デイリーの小手投げを潰してトップを取る。左の鋭いパンチを落としたペイジはヒジ打ちへ。ハーフバタフライのデイリーに覆いかぶさるようにパンチを入れたペイジが4Rを取り返し、2Rずつと取る形で試合は最終回を迎えた。
左フックで前に出たデイリーは、ペイジの飛びヒザに組みついてボディロックテイクダウンを決める。立ち上がったデイリーが蹴り足を捌いて左のパンチを落とす。足をすくいつつ手首を掴んで三角狙いのペイジだったが、デイリーがこれを察知して腕を引き抜く。ガードの中でトップキープを続けるデイリーが右から左のパンチを入れ、起き上がろうとしたペイジをギロチンに捕え、離して頭を胸におしつける。
抑えにかかったデイリーだったが、ペイジはここで立ち上がる。執拗にシングルを狙ったデイリーが上体を起こすと、一気にバックに回ったペイジがRNC狙いから勢いのある左のパンチを打ち込む。足を一本入れたペイジは、デイリーが立ち上がるやワンフックから前方に潰してパンチを落とす。
ペイジは再び立ち上がろうとしたデイリーの側頭部にエルボーを連打する。デイリーも立ち上がって胸を合わせると、体を入れ替えてシングルレッグへ。頭を刈ったペイジは、デイリーの強引な投げを潰しトップ奪うと、すかさずパウンドの連打へ。必死に立ち上がったデイリーだが、がぶられて試合終了に。
お見合いだった初回、4Rと5Rをペイジが取ったと思われるが、果たして──ジャッジの裁定は3者とも48-47でペイジを支持。ブーイングを受けた勝者は「彼は戦いに来なかった。MVPは戦いに来た。でもトップを取ったのは俺だった。俺はベルトを獲る。次はダグラス・リマ……尊敬するファイターとリングをシェアできることは本当に光栄だ」と話し、実父を亡くしていたことを明かした。