【UFC103】ミルコ、ドスサントスに言い訳のきかない完敗
■第12試合ヘビー級/5分3R
ジュニオール・ドスサントス(ブラジル)
Def.3R 2分00秒/バーバルタップアウト
ミルコ・クロコップ(クロアチア)
【写真】ジュニオール・ドスサントスの右アッパーは確かに左目を直撃していたが、それ以前にヒザの連打で戦意喪失しかけていたミルコ・クロコップ。PRIDE時代の雄姿の再現は、もう難しいか (C) ZUFFA
いきなり右ボディを放ったドスサントスに、素早い反応を見せたミルコ。両者が並ぶと、ドスサントスの長身が目立つ。ケージを背に左ハイを見せたミルコだが、ドスサントスは苦もなくブロックする。続いてミドルを見せたミルコ。と、ケージ際でドスサントスの左フックがヒットし、ミルコの動きが鈍くなる。
組み付いたドスサントスは、距離をとってヒザをミルコのボディに見舞っていく。ドスサントスのパンチに、真っすぐ下がるミルコ。組みついて自らテイクダウンを狙ったが、ドスサントスはトップをキープし、スタンドへ戻る。
ミルコ相手に打撃戦を選択したドスサントスは、ミルコの左で右瞼をカットする。肩で息をするミルコは、自らアクションを起こすことなく、劣勢を印象つけたまま1Rを終える。
2R、右をヒットさせたドスサントスが、ミルコの左をステップバックでかわしていく。距離を詰めて、ドスサントスが左フックを打ち込むと、足を滑らしたようにミルコはバランスを崩す。パンチこそ返していくが、威力が感じられないミルコは、顔面にパンチを被弾することが多くなる。
ボディを受けて、後ずさりするミルコ。劣勢のミルコが放った左ローは、ドスサントスの急所を直撃した。ドスサントスには5分間のインターバルが与えられ、2分ほどで試合は再開する。試合はそのままミルコが待つ展開が続き、最終ラウンドへ。
明らかにポイントで劣勢のミルコ、倒さなければ勝利はなく、左を打ち込んでいく。勢いに乗りミルコは鋭いローを見せたが、直後にドスサントスのボディで動きが止まってしまうと、続いてヒザの連打をボディに受け、ついには顔面にもヒザを受ける。
ケージに詰められ、さらにボディにヒザを受けたミルコ。距離を取ったドスサントスが、ここで両手を広げて勝利の雄叫びを挙げる。直前左目にパンチを受けたミルコは、試合を諦め、口頭でタップ――という裁定を受けるが、その裁定を聞くことなく足早にオクタゴンを後にした。
試合序盤に弱気の虫を見せたミルコは、気持ちを盛り返すことができないまま、自らTKO負けを選択。現役ファイターとして、今後にどのような道が残るのか、不安が残る敗北となった。一方、勝者ドスサントスは「次? UFCの望む相手を戦うだけ」と喜びを爆発させた。