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【Bellator206】王者対決=ゲガール・ムサシ×ローリー・マクドナルド、左ジャブ=先手争いに注目

Bellator206【写真】両者揃って、どのような局面でも戦える。そして、良い時と悪い時の差が大きいという共通点がある (C)MMAPLANET

29日(土・現地時間)にカリフォルニア州サンノゼのSAPセンターでBellator206「Mousasi vs MacDonald」が開催される。メインはベラトール世界ミドル級王者ゲガール・ムサシに、同世界ウェルター級王者ローリー・マクドナルドが挑戦するタイトルマッチだ。


ムサシとマクドナルドは共にUFC移籍後、2戦目にしてそれぞれの階級で頂点に立ち今回の階級を越えたチャンピオン対決=ミドル級選手権試合に臨むこととなった。サークルケイジ初陣のアレキサンダー・シュレメンコ戦では打撃で劣勢、加えてテイクダウンも決まらないという試合内容ながら、ジャッジ3者が29-28を付け、薄氷を踏む思いで判定勝ちを収めたムサシ。

今年5月のタイトル挑戦ではハファエル・カルバーバリョを寄せ付けず、最初の好機でバックマウントを奪いパウンドでTKO勝ちを収め王座に就いた。一方、マクドナルドは昨年5月のベラトール初戦で苦も無くポール・デイリーからRNCで一本勝ちを収めると、今年1月にはドゥグラス・リマに挑戦しローを効かされ危ない場面もあったが、心は折れずトップを奪取し判定勝ち、見事にベルトを巻いている。

そんな両者の世界戦、階級が下のマクドナルドは身長183センチでリーチが194センチ、ムサシの身長は186センチでリーチは193センチと公称の数字上、体格差はほとんど見られない。

スタイルマッチアップ的には、左ジャブでどちらが主導権を握るのかという点が、最初のポイントとなるか。左ジャブを当てる距離、タイミングを掴んだ方が右ストレートやボディフックなど他のパンチに加え、テイクダウンに結びつけることが容易になるに違いない。その左ジャブを入れるための前後の武器が、ムサシとマクドナルドで違う点も興味深い。

ムサシの場合は左ジャブの前後に繰り出される前足からのロー、つまり左インサイドローに注意が必要だ。つまりマクドナルドとしてはローが当たる距離だと、その前後の左ジャブを被弾しやすくなる。対してマクドナルドの場合はオーソを相手にした時は右、つまり奥足の前蹴りで相手の動きを制して、左ジャブにつなげることに長けている。

奥足の前蹴りは基本ストッピングでなく、ダメージを与えることが目的とされるなか、マクドナルドの前蹴りはプレッシャーを与えるという役割を持つ。特に自らが前に出てイク時の、この右の前蹴りは非常に有効といえるだろう。

この試合はウェルラウダ―の総合力勝負。加えて5Rの長丁場は、2度は流れが変わって然りだ。故に3R制ほど先制ポイントを最重要視とはしないものの、両者とも自分のペースで戦った時の強さは格別なだけに、左ジャブの先手争いは見物だ。

さらにいえば上にサイズで大きく変わりはないと書き記しているが、かつてはライトヘビー級で戦ってきたムサシは、マクドナルドより大きな相手の圧力を知っている点がアドバンテージとなるだろう。打撃の距離よりも攻守ともに組んだ時に、マクドナルドがどのような感触を持つのか。ここで想定外のフィジカルの差を感じるようだと、打撃からシングル&腰をコントロールしてのテイクダウンという得意の流れ、もしくは追い込まれた時の逆転という部分でも影響がでる。

左ジャブの先手争い、組んだ時の主導権争い。この2つを注視したいゲガール・ムサシ×ローリー・マクドナルドのチャンピオン対決だ。

■Bellator206対戦カード

<Bellator世界ミドル級選手選手権試合/5分5R>
[王者]ゲガール・ムサシ(オランダ)
[挑戦者]ローリー・マクドナルド(カナダ)

<ヘビー級/5分3R>
ランペイジ・ジャクソン(米国)
ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)

<ウェルター級ワールドGP1回戦/5分3R>
ドゥグラス・リマ(ブラジル)
アンドレ・コレシュコフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ(米国)
レアンドロ・イーゴ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ガストン・ボラノス(ペルー)
イシドロ・グティエレス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ケリー・メレンデス(米国)
ダコタ・ジマーマン(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
アダム・ピコロッティ(米国)
ジェイムス・テリー(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
アーリーン・ブレンコウ(豪州)
アンバー・リーブロック(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジャスティン・スミットリー(米国)
ジェレマイア・ラビアーノ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジョシュ・サンディエゴ(米国)
ジョー・ニール(米国)

<ライト級/5分3R>
チャック・キャンプベル(米国)
ジョゼフ・ラミレツ(米国)

<ライト級/5分3R>
アンソニー・フィゲロア(米国)
サミュエル・ロメロ(米国)

<バンタム級/5分3R>
イザヤ・バティン・ゴンザレス(米国)
カイ・ウー(米国)

<フェザー級/5分3R>
リッキー・アブデラジス(米国)
レアード・アンダーソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
イグナシオ・オーティズ(米国)
ジェイコブ・イカロ(米国)

<バンタム級/5分3R>
キャス・ベル(米国)
タイ・コスタ(米国)

<ミドル級/5分3R>
エイブラハム・ヴェーサウ米国)
ディマルコ・ヴィリャロナ(米国)

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