この星の格闘技を追いかける

【UFC228】KOパワーを持つ両者、右=王者ウッドリー×左=挑戦者ティルは我慢の神経戦に?

UFC228【写真】互いにKOパンチを持ち、ウッドリーにはテイクダウンという武器もあるが……果たして (C)Zuffa LLC/Getty Images

8日(土・現地時間)、テキサス州ダラスのアメリカンエアライン・センターでUFC 228「Woodley vs Till」が開催される。メインは大会名にあるようにタイロン・ウッドリーにダレン・ティルが挑戦するUFC世界ウェルター級選手権試合だ。


ウッドリーは2016年7月にロビー・ローラーを倒して手にしたベルトの4度目の防衛戦となる。対するティルは17勝0敗1分というパーフェクトレコードを持ち、前回のスティーブン・トンプソン戦では体重を落とせず、174ポンド契約マッチで勝利しての挑戦権獲得となった。

ティルの武器は何といっても左ストレート。自ら距離を詰めて打つパターン、誘ってカウンターを打ち込むケース、どちらもKOパワーを秘めている。以前は殴られても殴り勝つという試合を見せていたが、最近では打たれてないことも重視しているティルのスウェイバックやヘッドムーブというディフェンス能力はUFCでも有数といえるだろう。

ただし、この上半身の動きはウッドリーには、あまり有効ではないかもしれない。素早く重心移動ができ、軸がぶれないといっても、やはりバランスはどちらかに傾いている。テイクダウンディフェンスに関しても、強さを見せて来たティルだが、ウッドリー・クラスのレスラーなら、一つに動作で組める距離にいると、テイクダウンできるはずだ。よってティルは今回の試合も、前回のトンプソン戦のように距離を見極め、飛び込んでの左を入れ、サッと離れるという戦いをすることも十分に考えられる。

カウンターに関しては、ウッドリーが自分の攻撃に合わせて打たれたパンチでダメージを受けるような思い切った打撃を使うことは、あまり考えられない。倒せる右よりも、ウッドリーはコツコツと左ジャブを当てて離れる戦いを見せるのではないだろうか。

このポイント争いで、ウッドリーが優位に立てば終盤にはティルの動きが大きくなるので、テイクダウンが合わせやすくなる。逆にティルが序盤をリードすれば、ウッドリーはパンチに関する動作が大きくなり、力も入ってくるのでカウンターのターゲットになりやすい。

つまりゲームが動くのは終盤、序盤は両者が我慢の展開を続ける可能性は決して低くないだろう。もしくはウッドリーが汗をかく前にテイクダウンを本気で狙い、そこに反応したティルに一発が入る展開もあり得る。ただし序盤はテイクダウンを奪っても、スクランブルに持ち込まれ上を取っても疲弊する結果に終わることもあるため、5R戦ということを考えるとウッドリーが早いラウンドで仕掛けることも現実的ではない。

加えて2017年規定以降、採用されていない大会でもテイクダウンよりも一発のインパクトが評価されることが増えている事実も今回のタイトル戦に影響を与えるだろう。ティルはスプロール&打撃に神経を使い、その一発のインパクト重視の戦術を立て、一方でチャンピオンはどこまでテイクダウンに比重を置くのか。ウッドリーがテイクダウンを奪うよりも、殴られないという選択をしてもおかしくない。あるいはティルの左ミドルもしくはハイ、ウッドリーの右ミドルが戦局に影響を与える可能性もあるUFC世界ウェルター級選手権試合だ。

■ UFC228対戦カード

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]タイロン・ウッドリー(米国)
[挑戦者]ダレン・ティル(英国)

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]ニコ・モンターニョ(米国)
[挑戦者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(ペルー)

<フェザー級/5分3R>
ザビット・マゴメドシャリポフ(ロシア)
ブランドン・デイヴィス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
タチアナ・スアレス(米国)

<バンタム級/5分3R>
アルジャメイン・ステーリング(米国)
コディ・スタマン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ダレン・スチュアート(英国)
チャールズ・バード(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ニコ・プライス(米国)
アブドゥル・ラザク(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジミー・リベラ(米国)
ジョン・ドッドソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ディエゴ・サンチェス(米国)
クレイグ・ホワイト(英国)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
アレックス・ホワイト(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
アイリーン・アルダナ(メキシコ)
ルシエ・プシオワ(チェコ)

<ウェルター級/5分3R>
フランク・カマチョ(米国)
ジョフレイ・ニール(米国)

PR
PR

関連記事

Movie