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【UFC223】マゴメドシャリポフが、ボクニアクの大健闘で大大デモンストレーション

<フェザー級/5分3R>
ザビット・マゴメドシャリポフ(ロシア)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
カイル・ボクニアク(米国)

マゴメドシャリポフは、前に出て来るボクニアクを左ジャブであしらい、右ローを蹴り込む。さらに上半身を振ってパンチを振るうボクニアクにサイドキック、左ジャブを打っていく。ボクニアクのパンチにまるでプレッシャーを感じないマゴメドシャリポフは、鋭いローからケージを蹴り、大きな動きの攻撃を見せる。

左フック、直後にスピニングバックキックを見せたマゴメドシャリポフは手をマットについて旋回キック、それでも必死に前に出て来るボクニアクに左フックを振るっていく。後ろ回し蹴りから、二段蹴り、ボディロック&ヒザ蹴り、左ジャブ、右ロー、左ハイとマゴメドシャリポフのデモンストレーションが続く。ハイとサイドキックに続き、スーパーマンパンチ、近づくとスピニングバックフィストを繰り出したマゴメドシャリポフが、テイクダウン狙いからボディ、そして左フックを当てて初回を圧倒した。

2R、ワンツーを振るって前に出たボクニアクだが、ダックアンダーからバックを譲ると、足を払われ大きくリフトされ前方に落とされる。直後にダブルレッグを決めたマゴメドシャリポフは、ボクニアクの腕十字を察知してスペースをあける。ボクニアクがすかさず立ち上がるも、左ミドルを蹴られる。パンチをノーガードで受けて、戦意を露わにするボクニアクはジャブとストレートを被弾し続けるが、懸命に右オーバーハンドや左フックを繰り出す。

と、左手を差し出し、左足の足払いでテイクダウンを奪ったマゴメドシャリポフ。バクニアクはオモプラッタを狙い、マゴメドシャリポフの重心が下がるとスタンドに戻る。ダブルレッグを切ったマゴメドシャリポフが、スピニングバックフィスト、右に合わせてヒザを顔面に突き上げる。最後もステップインして左フック、スピニングバックフィスト&バックキングを連続で見せるなど、2Rも心が折れないボクニアクを攻め続けた。

最終回、雄叫びを挙げて戦うボクニアクの右に、マゴメドシャリポフがスピニングバックキックを合わせ、一旦呼吸を置いてダブルレッグでテイクダウンを奪う。スクランブルでバックを取り、足をフックしにかかるマゴメドシャリポフはボクニアクが正面を向くと、すかさずテイクダウンを決める。

インサイドガードでエルボーを落とすマゴメドシャリポフは、スイープ狙いにバックを制してボクニアクが離れることを許さない。しかし、残り2分で背中に乗り過ぎて前方に落ちたマゴメドシャリポフは、初めて下になる。

すぐに立ち上がり、シングルレッグに余った足で飛び蹴りを見せたマゴメドシャリポフは、スクリーンで残り時間をチェックし、パンチの打ち合いへ。左を当てるマゴメドシャリポフだが、ボクニアクも右を思い切り打ち返す。息をついたマゴメドシャリポフが左フック、ボクニアクはパンチを受けても前に出続け、最後は完全に足を止めての打ち合いを経てタイムアップに。

当然、ジャッジの裁定はマゴメドシャリポフを指示。世界戦を戦う力を示した勝利というジョー・ローガンに対し、マゴメドシャリポフは「カイルに感謝している。5人のファイターが僕との試合を避けたのに、彼は受けてくれた。ジャイー・ロドリゲス、9月にモスクワで戦おう」と落ち着いた口調で返答した。

判定では間違いなく勝ち目がなかったボクニアクは負けて価値を上げた一戦となったが、フィニッシュだけが足りなかったマゴメドシャリポフも完全に勝っている試合で、最後に打ち合いを逃げないという底力を見せつけた。


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