【UFC223】常に冷静沈着、コバケビッチがヘリッグとのタフマッチをクールに制す
<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
フェリース・ヘリッグ(米国)
相変わらず後ろ手に組んで試合開始を待つ、美形のコバケビッチ。試合が始まると、積極的に手を出すヘリッグに右を打ち込む。ヘリッグも右、そして左のカウンターを打ち、コバケビッチのローに右を合わせていく。遠距離、近距離でヘリッグが、左フックをヒットさせる。首相撲にも激しく左右のフックを打ち込むヘリッグが、両ワキを差して小外掛けでテイクダウンを狙う。
コバケビッチが耐え、ケージを背にするとヘリッグは離れて左ジャブを伸ばす。コバケビッチは右アッパー、右エルボー、そしてヒザ蹴りと接近戦でムエタイで魅せる。右腕を差してテイクダウンを狙うヘリッグに、コバケビッチが再び右エルボーを打ち込む。と、コバケビッチが今成ロールから足関節を狙い、そのままがガードを取るとハイガードから後方回転でスイープに成功。トップを取り切ってタイムアップを迎えた。
2R、初回終盤の勢いから打撃でも攻勢を握るコバケビッチが、右ローを蹴り込む。気持ち的に押されているのか、表情が弱くなったヘリッグは、パンチの勢いもやや落ちたように見える。対してコバケビッチが首相撲からヒザ、エルボーを打って離れ右ストレートを打ち込む。
接近戦でエルボーを効果的に使うコバケビッチは、スピニングバックフィスト。組んでは左右のエルボーを打ち込み、ヘリッグをケージに押しこんで右腕を差し込んでテイクダウンを狙う。ヒザをついたヘリッグはすぐに立ち上がると、コバケビッチがヒップトス。両者が腹這いから立ち上がり、コバケビッチは首相撲&エルボーでヘリッグを攻め込む。両者、息が荒くなるなか右を被弾したコバケビッチが右を打ち返して、ラウンドを明確に取った。
最終回、互いにジャブを出し、ヘリッグが右をヒットさせる。さらに左フックを当てて離れると、コバケビッチが左ハイを狙う。ヘリッグは引き続き、やや遠目の距離から左ジャブを届かせ、コバケビッチも左ジャブを返して右を打っていく。必死の表情で打撃を繰り出すヘリッグに対し、コバケビッチが実に淡々とストライキングバトルを戦い、首相撲からヒザ、エルボーをここでも打ち込む。
右ストレートと右エルボーで、どの位置からも打撃を当てるコバケビッチは、左ジャブを打たれても前に出ていく。ヘリッグは打ち終わりに首相撲に捉えられることが多く、攻勢をキープできない。それでも勢いのあるフックを打ち込んだヘリッグだが、ここでクリンチ戦となりコバケビッチに回復の時間を与えてしまう。
最後に近距離での打ち合いでエルボーを決めたコバケビッチは、全くエキサイトする素振も見せず3Rの激闘を戦い抜きスプリット判定をモノにし、ようやく安堵という感情を見せ──「全部のラウンドを取ったと思ったけど、ジャッジの判断は理解できない。3Rの激しい試合になることは分かっていたから、勝てて嬉しい。今日の試合は義父のために戦った。彼はガンと戦っている。私は勝ったから、次はあなたが勝つ番よ」と話した。