【ONE68】MMA初陣のゲイリー・トノン─02─「サドル・ライドはMMAでも有効か? 僕はそう信じている」
【写真】サドル・ライドはMMAでも有効なのか。そうであればMMAの技術変遷がまた変わることになる(C)ONE
24日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで行われるONE68「Iron Will」で、MMAデビューするゲイリー・トノン・インタビュー後編。
グラップリングとMMAは違う。だからこそ、ダメージを受けないよう守備重視の戦い、スマートに戦うことが重要だというトノンに、グラップリングに技術革命を起こした──彼の代名詞といえるサドル・ポジションが、MMAでも有効なのかを尋ねた。
<ゲイリー・トノン・インタビューPart.01はコチラから>
──全てが未知の経験になってくるのですね。
「グラップリングなら僕はいくらでもリスキーな攻撃はできる。良くない態勢だって、何千回も経験しているから盛り返すことが可能だ。
でもMMAはパンチがあり、力で制されるとなかなか悪いポジションから挽回できない。だから、リスクを冒すことができなくなってくる。エナジー、インテリジェンスがパンチを受けるたびに奪い取られるのがMMAだ。
だからこそエナジーを使い切らないこと、そして自分の能力の全てを使い果たすような攻撃は控えざるを得ない。さっきも言ったように守りが大切なファイトになる。MMAではスタンドでもグラウンドでも、柔術では起こりえなかった状況が待っているからね。
最初の数戦は用心深く戦っていくことになるだろう。守りをしっかりして、スマートに戦う。でも、ずっとそんな風に戦うつもりじゃないよ」
──逆に慎重なゲイリーも貴重です。
「アハハハ。どうなんだろうね。でも、明日からやっちゃうかもね(笑)。とにかくどんなメンタルで戦うことになるのか。スマートにいきたいと思っている」
──ONEは他のMMAイベントと計量方法が違います。今回、ゲイリーは77キロで戦いますが、それは通常体重以上ではないかと思うのですが。
「僕はちょっと真面目じゃないから(笑)。ほとんど、ヘルシーな食事を摂ることがないんだ。そんな食生活をしていると、普段でも77キロ近くあるんだよ。ただ、少し気を付けていると72キロぐらいになるはず。
だから、ONEで戦っていくならフェザー級(※70.3キロ)ということも有り得る。ただ、今は何とも言えないな。まぁ、アスリートらしい食生活を送っていれば、僕はこんなに重くない。
70キロで戦うのは普通なんだろうね(笑)。今回の試合を見て、ONEも何かリクエストしてくるかもしれないね」
──この試合で最も興味深いのはダナハー、エディ・カミングス、そしてゲイリーが足関節に革命をもたらしたサドル・ポジションが、果たしてMMAでも有効なのかという点です。これまでの足関節はオール・オワ・ナッシングだったのが、サドル・ポジションはトランジッションになる。それはパンチがある場合も、同じことなのかを見てみたいです。
「グッドクエスチョンだ。僕らは色んなアプローチでレッグロックをMMAでも使っていきたい。少し安全なところからサブミッションを仕掛けようと思う。そして、そこに重点を置いてきたので、実は練習ではかなりの割合で上手くいっているんだ。
君が一点をついてきたインサイドトライアングル……クロス足がらみのことを僕らはサドル・ライドと呼んでいる。サドル・ライドがMMAで有効か……そう信じているよ。対戦相手とのスペースをしっかりと作ることができれば、ね。
MMAでレッグロックを仕掛けるファイターもいるけど、自分の頭と相手の頭がとても近い。だから殴られる。ただね、MMAはパンチが許されているけど、後頭部は殴ってはいけないんだ。ここがポイントだよ。
後頭部以外を殴ることができない位置取り、それがレッグロックで仕留めるための大きなカギとなる。それにレッグロックから逃げようとした相手は、僕らにとって恰好の餌食になる。そこも注目すべき点だよ」
──今の話を聞いていると、ゲイリー達はグラップリングだけでなく、MMAでも足関節革命を起こしそうですね。
「それこそが僕らのプランだからね。この旅の最もエキサイティングな点はそこにある。そして、それが僕のチャレンジなんだよ」
──本当に試合が待ちきれないです!!
「今、ここで話したことが日本のファンに伝わることが凄く嬉しいよ。日本にはまだ行ったことがないけど、近いうちに必ず訪れたいと思っているんだ。皆が僕を受け入れてくれて、セミナーを開くことができれば本当に嬉しい。
もっとエキサイティングなのは、ONEが日本大会を開き、その場で僕が戦うことだよ!!。ONEとともにアジアで戦っていくことが楽しみでならないんだ。日本の皆も、僕のMMAを楽しんで欲しい」
■ONE68対戦カード
<ONE世界バンタム級 (※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者]マーチン・ヌグエン(豪州)
<ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)
<ライト級(※77.1キロ)/3分5R>
シャノン・ウィラチャイ(タイ)
ラフール・ラジュ(インド)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
サイー・フセイン・アルサラエフ(ロシア)
山田哲也(日本)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ワカー・ウマー(パキスタン)
チャオ・チーカン(中国)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
リカルド・コーミナル(フィリピン)
<ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
クリッサダ・コンスリチャイ(タイ)
ロビン・カタラン(フィリピン)
<ライトヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
アリウンボルド・トロチェル(モンゴル)
<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ジェイク・バトラー(米国)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)
<バンタム級(※65.81キロ)/5分3R>
ヒシャム・サムス(マレーシア)
ツー・ノット(インドネシア)