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【DEEP82】林源平とミドル級で対戦、長谷川賢 「UFCに出たい気持ちは変わらない」

Ken Hasegawa【写真】大会を週末に控え、明らかにウェルター級時代と比較すると体調が良さそうな長谷川だった (C)MMAPLANET

24日(日)に東京都江東区のディファ有明で開催されるDEEP82 IMPACTで林源平と対戦する。世界を目指して挑んだウェルター級転向から、再びミドル級に戻すことを決心した。

DEEPウェルター級GP決勝=王座決定戦で色々とあったが敗れ、ウェルター級転向に関しても色々と思うところがあるに違いない。その間に考えていたこと、そして見つめなおし、積んできたモノとは。長谷川に訊いた。


――ミドル級で戦う。色々な想いがあると思いますが、改めて階級を上げることについてどのような気持ちだったのか教えてもらえますか。

「言いたいことは色々とあるのですが、もうミドル級で戦うと決めたからには、そこに集中して戦うつもりです。そこしかないです。決めたのは自分なので、夏までのことは全て忘れようと思っています」

――色々な感情が長谷川選手のなかで交錯したかと思われます。

「久しぶりですね、何も用がないのに会場に試合を見に行かなかったっていうのは。試合を見ることは勉強だと常々思っているのですが、それも嫌になってしまって。セコンドに就いた試合以外は見に行かなかったです。普段はお世話になっている濱村(健)さんの9月の試合とかも行かなくて。

濱さんも『あれやろ、来たくないやろう』って言ってくれて……。去年の暮ぐらい、体調不良が改善されるにつれて気持ちも戻ってきました」

――つまりウェルター級で戦っていた時は体調が悪かったと。

「それがウェルター級に落としたからなのか、体調が悪い時に落としてしまったのかは分からないですけど……。そこは正直、引っかかっている部分はありました。まだやりたい。でも、もうこれ以上は失敗できないという気持ちがあってミドル級に戻すことにしました。結局は自分で決めているので、言った言葉には責任を持っていきたいですし、決めたらやらないといけないです」

――今回の試合が決まったのは、いつぐらいですか。

「今年に入ってからです。6月ぐらいにちょっとこれまでと違う環境で戦う話もチラホラとあるので、1試合挟んでおきたかったというのはあります。ケガをしている期間も、できる技術練習は続けていました。その技術の蓄積を試合で試してみたかったです」

――対戦相手の林選手については、どのような印象を持っていますか。

「水野(竜也)先輩との試合で、良い勝負をしていましたし、パワフルでアグレッシブな打撃には注意が必要です」

――ボクシングに関しては、基礎から練り直してきた部分であるかと思います。荒い打撃は逆に怖いという意見もありますが……。

「普段と出どころが違うから、見づらいというのはあると思います。でも、しっかりとやっているとソレは見られるようになっているはずです。とにかく、ボクシングもMMAも相手をよく見ることだと思っています。

ボクシングをやっていると気づきが多く、組みも伸びたと自分では感じていますし。練習では上手く回っているので、それは試したいですね」

――技術的には充実がある。では精神的にはどうでしょうか。

「そりゃ、怖いですよ(笑)。だから楽しんじゃおうと思っています。MMAが好きだから試合がなくても練習はやるし、厳しいことも気持ちで乗り切ることができます。ただし、試合になった時の精神状態は分からない。だからこそ、いつもの行ってこいでいくしかないです」

――この試合に集中するというのは当然ですが、今後を考えないわけはないと思います。特に試合が決まる前後から、試合までは。

「その通りですね。トーナメントの時は、次を考えちゃいけないって思うようにしていました。でも、前は次のことを普通に考えていましたからね。だから、そういう部分も気にしすぎることが、逆に次に捉われていたんでしょうね。どう考えようが、結果が出てからしか動けないし。結果が出たら、真剣に考えることにしようと思っています」

――相変わらずの達観振りの早さですね。

「もう積み上げてきたことを出すだけで、話は消えてしまってもUFCに出たい気持ちは変わらないですから。『頭が当たっているから、評価は変わらない。でも、ミドルで戦うならミドル級の実績が必要』と言われたので、実績を積むだけです。だから海を渡るしかないですね。どの海かは分からないですけど、プロモーションに関係なく戦っていきたいです。

ミドル級は国内ではイベント間で壁を設けると、もう回らないです。そもそも人材不足だし、外国人を呼んでもらうのも申し訳ないですし」

――そのような状況下での、今回の試合でファンに見せたいことは、どのような点でしょうか。

「元気な姿ですね。カリカリじゃない姿(笑)。ベーシックなことをやり続けてきたので、技術は上がりました。フィジカルで力もつきました。打撃も寝技もグラップリングも全ての局面で一つ上の段階になっている僕を見てほしいです。でも、元気なところが一番ですかね(笑)」

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