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【ONE65】ユースタキオがアクメトフに決定打を打たせず、判定勝ちで暫定フライ級王者に

<ONE世界暫定フライ級(※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
ジェヘ・ユースタキオ(フィリピン)
Def.3-0
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)

昨年9月にアクメトフが判定勝ちした一戦が、ユースタキオの母国でダイレクトリマッチに。素早く重い右ローを蹴るユースタキオに対し、アクメトフは待ちの態勢に。右ボディストレート、前蹴りを繰り出すユースタキオは左ローを続ける。アクメトフはようやく右ローを返し、ユースタキオの右ミドルをキャッチしてバックに回りグラウンドへ。

スクランブル狙いのユースタキオは前転から逃げようとしたが、アクメトフのトップキープにヒザ十字を狙う。左足が伸びたアクメトフだが、ヒザが抜けてヒールへ。ユースタキオはトップキープに切り替えてハーフで抑える。残り10秒でエルボーを打ち付けたユースタキオが、ファンの大歓声に手を挙げて応えた。

2R、アクメトフが左インサイドロー。2発目で姿勢を乱したユースタキオに組みつき、ケージに押し込む。離れたユースタキオが、逆に右インサイドローでアクメトフのバランスを崩す。アクメトフの左フックに組みついたユースタキオオが、足払いで転がせることに成功。すぐに起き上がったアクメトフは、前に出て左フックを見せてダブルレッグへ。両ワキを差し、右を2発入れたユースタキオだが、ダブルレッグからバックに回ったアクメトフがテイクダウンに成功する。

バックを取られたユースタキオは、すぐに胸を合わせて立ち上がる。アクメドフは左フック、組みにいく。ここで右ミドルを放つも、その蹴り足をキャッチされ右ハイを被弾しそうになったアクメトフ、動きが軽快なのはユースタキオだった。

3R、ユースタキオ陣営がマウスピースを失いラウンドスタートが遅れる。アクメトフはクリンチからヒザ蹴り、離れて左ローを蹴る。フックの打ち合いで攻勢なのはエウスタキーオ。ロー、右ストレート、さらに右ローとユースタキオの攻撃が目立つ。アクメドフのシングルを切ると同時にスピニングバックフィストを狙ったユースタキオは、徹底してアクメトフのテイクダウンを切り、右ヒザを合わせる場面も。

残り2分を切り、間合いを一旦外したユースタキオが関節蹴り、アクメトフの左フックをかわして右ロー、続いて左ローをいれて左は回る。アクメトフの左右のフックに組みついたユースタキオがケージに押し込む。アクメトフはギロチンで応えると、ユースタキオはボディロックテイクダウンを狙う。ダブルに切り替えたユースタキオがタイムアップまで耐え抜き、ラウンド終了と同時にガッツポーズを見せた。

4R、ユースタキオがサイドキックを放ち、ケージを蹴ってスーパーマンパンチ。アクメトフが右を当て、肩で息をするユースタキオにプレッシャーを強める。左右のオーバーハンド気味のパンチを見せたユースタキオは、組まれても体を入れ替えて細かいヒザを突き上げて離れる。疲れながらも印象に残る攻撃を仕掛け、テイクダウンを防ぐユースタキオがマウスピースを吐き出す。

これは何かのサインか、アクメトフは後ろ回し蹴り。フック、サイドキックを伸ばしてテイクダウンの機会を伺う。サイドキックを掴み損ねたアクメトフが左フックを当てる。バタバタしてきたユースタキオは、シングルレッグには体を捩じって切り抜ける。直後にダブルで押し込んだアクメトフは、ギロチンを切り抜けてテイクダウンを決める。左右のパンチを落とすアクメトフは、最終回に希望を残すラウンドの終わり方とした。

5R、左から右をヒットさせたアクメトフが、左ストレートを当てる。ユースタキオは右ローを返し、クリンチには右を放って離れる。右ストレートを伸ばしながら、足払いを仕掛けるなど曲者ぶりも発揮するユースタキオは、左ボディフックを打たれも、右を2発返す。残り2分、ダブルレッグを切ったユースタキオはワンツーを被弾しても下がらない。手が出ない両者、ユースタキオのパンチをバックステップでかわすアクメトフは、このままでは逆転はない。

左ストレートをヒットしたアクメトフは、左フックを当てる。最後にダブルレッグを決め、ハーフからパンチ、そしてエルボーを落としたアクメトフ、凌ぎきったユースタキオ──両者が勝利をアピールする。

4Rと5Rは微差で落とした感もあるが、トータルではユースタキオか。果たしてジャッジは3者ともユースタキオを支持し、ヘンゾ・グレイシーからその腰に暫定世界フライ級のベルトが巻かれた。

「何て言えば良いのか……このベルトは僕のモノじゃない。僕らのモノだ。家族、チーム・ラカイ、フィリピンの皆、このスポーツは全てのジェネレーションに支持されている。サードワールドから世界王者が生まれたんだ。アドリアーノ、前に戦った時と僕は違う。次はもっと良いファイターになっている」と話したユースタキオは、正規王者のアドリアーノ・モライシュと握手を交わす。

「まずおめでとうと言いたい。君は素晴らしいウォリアースピリットを見せた。尊敬している。でも、このベルトは僕のモノ。また同じ目に合わせるよ」とモライシュは言葉を返した。


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