【Fullforce Cup】フルフォースカップ出場、JBJJFランク1位=西本健治「伊東さんに勝って優勝狙う」
【写真】メフォーザ柔術キッズたちと (C)Kenji Nishimoto
28日(日)、大阪府豊中市の豊中市立武道館ひびきで日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)公認の『FULLFORCE CUP JIU-JITSU OPEN 01』が開催される。
柔術、そしてMMAの映像で業界を支えているフルフォース・プロダクションの冠大会には関根“シュレック”秀樹、加古拓渡ら各階級のトップランナー、HEATバンタム級チャンピオンの赤尾セイジらが出場する。
そんななか、昨年のJBJJF黒帯ランキング1位を獲得した西本健治も要注目だ。メフォーゼ柔術アカデミーを北九州にオープンして1年、アダルト黒帯ミドル級にエントリーした西本に初インタビューを試みた。
Text by Takao Matsui
――2017年JBJJF黒帯ランキング1位獲得、おめでとうございます。
「ありがとうございます。獲得といっても、自分は他の選手よりも大会に多く出ていただけですからね」
――確かにポイントを多く獲得するためには、大会への出場数が関係してきます。とはいえ、コンディションの調整も含めて、それも簡単なことではありません。
「昨年、道場をオープンしましたので、宣伝をする意味でも可能な限り、大会へ出場するようにしました。JBJJF関係の大会だけに拘らず、タイミングが合えばどこでも出る感じですね。JBJJFだと南日本選手権(アダルト黒帯ミディアムヘビー級優勝)、中国選手権(アダルト黒帯ヘビー級優勝)、九州オープン(アダルト黒帯ヘビー級準優勝)でしょうか。1ヵ月に1回のペースで試合することを心掛けていました」
――1ヵ月に1回のペースで年間12回。かなりタイトな日程ですね。ケガとかコンディション調整は大丈夫だったのでしょうか。
「全日本選手権は試合中に肩を負傷してしまいましたが、それ以外は問題ないです。頑丈に生んでくれた親に感謝したいですね」
――道場の経営と選手としての活動の両立は、なかなか難しいのではないですか。
「オープン当初、うちの道場は柔術が好きな大人中心の活動をしようと思っていたんですけど、キッズの方が多くなりました(笑)。でも子どもは、試合を怖がるじゃないですか。大会に出たくないという子もいて。
もちろん大会出場への強制はしませんし、趣味やダイエット、体力をつけるために柔術を習う生徒さんがいても良いとは思っています。それでも怖いというイメージだけで試合を経験しないことは、もったいないとも思います。勝ち負けはありますが、試合が終わった後の景色は、経験をしなければ見られませんからね。
そうした中、『先生が試合するならば、僕も出る』という子も出てきて、『だったら一緒に出てみよう』という流れができました。そうしたことも、試合に多く出場してきた背景にあります」
――なるほど。道場経営と試合に出ることが、むしろリンクしているわけですね。
「いつまで、これを続けられるのだろうという気持ちもありますけど(笑)」
――道場は北九州にありますが、モットーがあれば教えてください。
「できる限り、怒らないことですね。ルールを守らなかったり、集中できていない時は注意しますが、やりたくないのに強制したり怒ると柔術が嫌いになっていくと思うんです。みんなで楽しく、柔術をやっていける場を設けることが僕の仕事。せっかく入会してくれたわけですから、生活が豊かになれる場にしていきたいですね。
その結果か、柔術にはまってしまい毎日のように道場へ通う主婦の方もいらっしゃいます。まだはじめて2ヵ月なんですけど、子どもよりも好きになってくださったようで、道着を3着、ブルテリアのパーカーまで購入していました」
――それは、関係者が聞いたら喜びますね。
「あとは、ダイエットを目的にしたスマートクラスというのを設けました。3カ月間の集中ダイエットで、柔術の基礎トレーニングを取り入れています。10キロ痩せるのが目的です」
――3カ月で10キロ痩せる柔術ダイエット!! いいですね。
「3カ月間で終了するプログラムなんですけど、効果があります」
――その後、柔術クラスの練習に出て好きになってくれるといいですね。
「基礎体力はついていますので、もちろんそれも可能です。興味のある方は、ぜひ(笑)」
――ではFULLFORCE CUPが2018年最初の試合になると思いますが、出場を決めた理由を教えてください。
「伊東元喜さんとFacebookでつながっているんですが、そこで『みんなで出場しませんか?』と呼び掛けがあったんです。それでアダルト黒帯ミドル級にエントリーしたら、一回戦の相手が伊東さんになりました(笑)」
――縁がありますね。
「そうなんです。伊東さんは、自分が茶帯の頃に黒帯で活躍されていて、目標であり、ライバルなんですよ。黒帯に上がった時の最初の相手が、たまたま伊東さんでしたし。過去4回対戦して、2勝2敗。今回で決着をつけますよ。伊東さんに勝って、優勝を狙います」
――4回も対戦していたら、互いに手の内を知り尽くしており、接戦になる可能性が高いですね。
「間違いなく、膠着です(笑)。いつもアドバン差とか、本当に僅差になるので。伊東さんとは、噛み合うんですよね」
――噛み合い過ぎて、膠着になると。その膠着の先にあるものを想像するのが、柔術の楽しみ方の一つです。
「そう思っていただけると嬉しいです。アダルト黒帯ミドル級は、ブルテリアボンサイの選手が強いようなので、決勝で対戦してみたいです」
――今大会後の試合スケジュールは、どのような計画がありますか。
「2月では南日本選手権、福岡国際に出場する予定です。あとは世界選手権にもまた挑戦したいので、3月の東京国際へ出場してポイントを狙いたいと考えています」