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【UFC220】ダニエル・コーミエーに挑戦するスイス人、ヴォルカン・オズデミアって??

Oezdemir【写真】名前もうろ覚え、その顔と名も一致している方が少ないのではないだろうか。そんなヴォルカン・オズテミアだ (C)Zuffa LLC/Getty Images

20日(土・現地時間)、マサチューセッツ州ボストンのTDガーデンで開催されるUFC 220「Miocic vs Ngannou」。イベント名にあるスタイプ・ミオシッチ×フランシス・ガヌーのUFC世界ヘビー級選手権試合がメインの同大会ではセミで世界ライトヘビー級選手権試合を組まれている。


昨年7月にようやく実現したジョン・ジョーンズ戦でハイキックからパウンドで敗れたダニエル・コーミエーだが、その後JJがドーピング検査で陽性となり試合結果がノーコテンストに。試合自体が存在しなかったことになり、コーミエーはタイトルを保有し続けることになった。

そんなDCにとって3度目の王座防衛戦は相手ヴォルカン・オズテミア。この選手のことを1年前の今頃に認識している人間がどれだけいただろうか。オズテミアが1年後にUFC世界王座に挑戦することが予想できていた人がいれば、相当な目利きだとシャッポを脱ぐしかない。

2017年1月、スイス出身でキックボクシングからMMAに転向し12勝1敗というレコードを持っていた彼はTitan FCのヘビー級タイトル戦を控えている身だった。ここでUFCからOSP戦のオファーが届き、対戦相手がブドウ球菌感染症を患い試合がキャンセルされるという経緯を経て、オズテミアのオクタゴン・デビューが決まった。

3週間のショートノーティス出場でありながら、OSPを相手にスプリット判定勝ちという金星を挙げたオズテミア。ただ、この時点でも誰もオズテミアがタイトル挑戦権を獲得できると予想はできなかったに違いない。

まぜなら、この試合は粗いパンチにOSPがリズムを掴めず、ズルズルと時間が経過した結果、オズテミアが勝ち星を拾ったように見えたからだった。しかし、オズテミアはここからミーシャ・サークノフとジミ・マヌワを連続KO──しかも、2試合の合計タイムが僅か50秒という秒殺KOを続け、タイトル挑戦権を獲得することとなった。

OSPと戦った時に粗いと感じられたパンチのラッシュ、その波に巻き込まれたかのようにマヌワもサークノフもアッという間にキャンバスに沈んでしまった。

オズデミアに対し、DCはまず様子を見るファイトを展開することが予想される。アレクサンダー・グスタフソン戦では打撃、アンソニー・ジョンソン戦ではテイクダウンの攻防に序盤は付き合っていたコーミエー。肌感覚で相手の距離、仕掛け、パワーやタイミングを理解、解析して攻めに転じるスマートさを持つ。

AJ戦のように一気にサブミッションでケリをつける場合もあるが、グスタフソン戦では5Rにもつれ込む試合で勝利してきた。つまり相手の動きを理解した上で、コーミエーは勝利に向かう選択ができるということだ。

オズテミアが常識の範疇を越えた規格外のポテンシャルの持ち主でない限り、2連続KO勝ちしたようなラッシュを5Rも続けることは不可能だ。よってコーミエーが反撃に転じた時にオズテミアが、チャンピオンの想定以上の動きができるのか否か。勢いでタイトル戦を手繰り寄せたオズテミアにとって真価が問われる世界挑戦となる。

■UFC220対戦カード

<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]スタイプ・ミオシッチ(米国)
[挑戦者]フランシス・ガヌー(カメルーン)

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]ダニエル・コーミエー(米国)
[挑戦者] ヴォルカン・オズテミア(スイス)

<フェザー級/5分3R>
シェーン・バーゴス(米国)
カルヴィン・ケイター(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジャン・ヴィランテ(米国)
フランシマール・バホーゾ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
トーマス・アルメイダ(ブラジル)
ロブ・フォント(米国)

<フェザー級/5分3R>
カイル・ボクニアク(米国)
ブランドン・デイヴィス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アブドゥル・ラザク(米国)
サバウ・ホマシ(米国)

<フライ級/5分3R>
ダスティン・オーティズ(米国)
アレッシャンドリ・パントージャ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダン・イゲ(米国)
フリオ・アルセ(米国)

<フェザー級/5分3R>
マット・べセット(米国)
エンリケ・バルゾラ(ペルー)

<女子ストロー級/5分3R>
マリナ・モロズ(ウクライナ)
ジェイミー・モーイル(米国)

<ライト級/5分3R>
グレイゾン・チバウ(ブラジル)
イスラム・マカチェフ(ロシア)

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