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【Gladiator005】濱村健の挑戦、岸本泰昭─01─「本当に試合を受けてくれるのかなって」

Kishimoto【写真】2016年11月の新生グラジ第2回大会でキ・ウォンビとの熱戦を制して、挑戦権を獲得した岸本 (C) MMAPLANET

21日(日)に大阪市阿倍野区の阿倍野区民センター大ホールで開催されるGLADIATOR005で、岸本泰昭が濱村健の持つライト級王座に挑戦する。

岸本は一昨年より、HEATやDEEPというインディ系プロモーションで力のある外国人選手と戦い、ベルトを目指してきた。そしてHEATはオク・レユンに敗れ、王座奪取とならず今回のタイトル挑戦を迎えた。

ストラッサー・メソッドならぬ岸本メソッドを構築する彼に、昨年の戦いとタイトル挑戦について尋ねた。


──タイトル挑戦が迫ってきました。この時期の試合というのは正月が間に入ることで、以前は練習相手がなかなかいないなど問題があったのですが、岸本選手の年末年始はいかがでしたか。

「それを皆が気を使ってくれたのか、1月2日から誰もいない公園での走り込みに付き合ってくれたりする状態でした。ジムも違うのに下石(康太)君なんかは『年末年始、連絡くれたら練習いきますから』という感じで言ってくれて。コブラ会で同じライト級の出花(崇太郎)選手も練習に付き合ってくれましたし、練習相手に不足することはなかったです。

それに年末は(ストラッサー)起一さんも試合があったし、いつもの試合と変わりなかったです。ただコブラ会はガッツリ閉館していましたけどね(笑)」

──アハハ。

「コブラ会が動き始めたのは9日ぐらいからでしたからね。それまではパラエストラ東大阪、吉鷹(弘)先生のところ、それとSFKでやらせてもらっていました。フィジカルのプラマーズデンは年中無休で、フィジカルや打ち込みをやらせてもらって。

今、プラマーズデンは室内に人工芝を張ったトレーニング施設に変わったので、フリーウェイトとか走りもやってきました。日本であれだけの設備が整っているところは、あまりないと思います。練習に関しては、まるで困ることはなかったですね」

──つまりお正月気分もまるでなかったということですね。

「全然なかったですね。おせちの味もあんまりしなかったです(笑)。ただ、体重は余裕なので食事も摂れています。なんちゃってグルテン・フリーでパン、パスタ、うどんとか粉モノを避けていたら体が勝手にシェイプされて、調子が上がっていく感じですね」

──グルテン・フリーは常にやられているのですか。

「いえ、大体試合の1カ月か1カ月半前からですね。余分な脂肪が落ちる気がして。粉モノの避けると、体が絞りやすくなります。ただ、普段から絞っているとケガもしやすくなるので試合前だけですね。試合がない時は、ぶつかり合いがしっかりとできる体が必要ですからね。

グルテン・フリーにしていると、胃の負担も少ない上でグルテン以外のモノはたくさん食べることができて、それで体重が落ちるので凄く良いような気がしています。あくまでもそんな気がしているので、そうしているだけですけどね(笑)。ただ、直前まで食事をしっかりとしているから、練習も十分にやりこめます」

──今回のタイトル挑戦、一昨年11月のキ・ウォンビンとの挑戦者決定戦で挑戦権を確定させました。あの時、実際に濱村選手と戦うという実感を持つことはできていましたか。

「本当に試合を受けてくれるのかなっていう気持ちはありました。全然、グラジエイターで試合をしていないからチャンピオンっぽくないじゃないですか。方向性として、他を目指して返上するんじゃないかとも思っていました。

僕自身、グラジエイターのタイトルに挑戦したいという気持ちでしたけど、濱村さんがベルトに対してどういう想いでいるのかは分からない。なので、返上して僕はまたどっかの強い韓国人選手……得体が知れない強い外国人と王座決定戦とかで戦うことになるのかなというのはありましたね」

──どこかの強い韓国人……(苦笑)。キ・ウォンビン、トム・サントス、そしてオク・レユンとキャリア最高に強いファイターとの対戦が続いた2017年でした。そしてHEATライト級王座が賭けられたオク・レユン戦で判定負けを喫しました。改めてあの試合をどのように捉えていますか。

「まぁ、そうですね……試合だけでいえば悔しいですけど、相手の方が強かったです。これまでの敗戦のなかでも、特にダメージを負った試合になりました。あの時点では相手が上手だったことは認めないといけないです。

ただDEEPを離れ、HEATやグラジエイターでキャリアを再生させようというなかで、相手がどれだけ強かろうが取っておかないとしけない試合でした」

──オク・レユンに勝算が立つ日本人のライト級の選手は、久米鷹介選と徳留一樹選手ぐらいではないかと、あの試合を見た時に素直に感じました。

「そうですね、強い相手でした。あの時点の僕ではベルトに手が届かなかったです。戦い方を変えれば、試合内容は変っていたかもしれないですが……最初に良いのを貰って凄く難しい試合になってしまいましたね。

知名度でいえばHEATやグラジエイターはDEEPや修斗、パンクラスより下かもしれないですけど、対戦相手が落ちるということはまるでないです。僕にとって良い相手をぶつけてくれています。そこで勝たないといけないのに強い外国人選手と当たったら、力の差が出た。地力をつけないといけないと思いました」

──それなのに11月にAngel’s Fightingでウレンゾリグ・バットムンクに敗れてしまいました。

「5分×2Rで、ほぼ相撲みたいな試合で。相手は型にはまっていない、何をやってくるか分からない打撃の持ち主だから、綺麗に組み立てるオク・レユンが思ったように試合ができなかったですね。

ビックリして戦っている間に立て直すことができなくて、2Rが終わったような試合でした。でも僕はあのモンゴル人選手には興味ないですね」

<この項、続く>

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