【ACB77】勝ったか――と思われたヴァルタニャンだが、統一王者はアブドゥルバクヘヴァに
<ACBライト級選手権試合/5分5R>
アブドゥルアジス・アブドゥルバクヘヴァ(ロシア)
Def.2-1:48-47.48-47.47-48
エドゥアルド・ヴァルタニャン(ロシア)
頭を振って右を伸ばす正規王者アブドゥルバクヘヴァ。暫定王者ヴァルタニャンの左バックステップでかわし、右を狙ったアブドゥルバクヘヴァはテイクダウンを許す。すぐに状態を起こしてシングル出たアブドゥルバクヘヴァに対し、スクランブルのなかでヴァルタニャンがギロチンを狙う。頭を抜いたアブドゥルバクヘヴァはバックからパンチを入れ、ヒザを腿に蹴るがヴァルタニャンは尻をずらしてケージを背にしつつ胸を合わせる。
アブドゥルバクヘヴァがシングルレッグを狙うが、ヴァルタニャンが耐える。左エルボーを打ち付けたアブドゥルバクヘヴァは、大内でテイクダウン。立ち上がり際にヒザを入れてテイクダウンに成功すると、正対してきたヴァルタニャンにペルヴィアンチョーウを仕掛ける。足のフックが十分でなく、頭を抜いたヴァルタニャンが立ち上がる。アブドゥルバクヘヴァはケージに詰めてワンツーを打ち、初回を取った。
2R、ヴァルタニャンが左ミドルを2発入れる。アブドゥルバクヘヴァは右から左を当て、さらに右フック、右アッパーを打ち込む。ヴァルタニャンはここでも左ミドルを返し、左ストレートから右をヒットさせる。組んで、ワキを差し上げてテイクダウを狙うアブドゥルバクヘヴァだが、際でバックに回れる。スピニングバックフィストを避けて離れたヴァルタニャンが左ミドル、アブドゥルバクヘヴァは空振りが増えてくる。
それでも左フックを打ち込んだアブドゥルバクヘヴァが、前に出て右ローを蹴りこむ。ヴァルタニャンはここで左ミドルを当て、ワンツーで前に出ていく。クリンチからスクランブル戦、離れて中間距離で打ち合うという互角の攻防の中でヴァルタニャンがダブルレッグ、スプロールしたアブドゥルバクヘヴァが組んでバックに回りRNCをスタンドで狙う。すぐに反応したヴァルタニャンが離れたところで2Rが終わった。
3R、左の相打ちからアブドゥルバクヘヴァが前に出ていくも、ヴァルタニャンのワンツーに下がる。動きが柔らかいのは挑戦者で、右ローでチャンピオンの姿勢を乱す。アブドゥルバクヘヴァのワンツーにも、ヴァルタニャンは左を返し、さらに左フックを振るっていく。アブドゥルバクヘヴァのパンチを被弾しても、打ち返すヴァルタニャンが左ハイ。気が付けばアブドゥルバクヘヴァが見る展開に。
右から左フックを当てたチャレンジャーがシングルレッグ。アブドゥルバクヘヴァが尻もちをついてすぐに立ち上がる。左ジャブ、右ストレートを振るうチャンピオンは左フックを被弾しそうになる。左を当てたヴァルタニャンが、王者の浴びせ蹴りをかわし、背中をつけたアブドゥルバクヘヴァにパンチを入れる。アブドゥルバクヘヴァも即立ち上がり、組んでいったが、タイムアップとなった。
4R、強い右ローからワンツーフック、右エルボーと手数が多いチャレンジャー。アブドゥルバクヘヴァは自分の距離で戦うことができない。それでも圧力を強めるチャンピオンが前に出る。回りながらパンチを差すヴァルタニャンが、左ミドルを蹴り込む。さらに左ハイを見せ、左回りを続ける。追いかける展開のアブドゥルバクヘヴァが左ストレートを当てるも、ローでバランスを崩される。ヴァルタニャンが左を伸ばし、クリンチはヒザ蹴りで切る。さらにワンツーを当てたチャレンジャーは前に出て来たアブドゥルバクヘヴァに右を当てると、その腰が落ちる。すぐに態勢を戻したアブドゥルバクヘヴァだが、2Rから4Rまで3つのラウンドを失った形で、最終回へ向かうか。
アブドゥルバクヘヴァが左ジャブを当て、ヴァルタニャンが左フックを返す。飛び込むようなヴァルタニャンのテイクダウン狙いをすかされ、続いて組んでからのテイクダウンも切られる。パンチをまとめては離れるヴァルタニャンのダブルレッグを切り、がぶったアブドゥルバクヘヴァだが、金網まで押しこむことはできず離れる。
残り2分、手数が減った両者だが、踏み込んで一発に力を籠める。と、一気にダブルレッグを決めたアブドゥルバクヘヴァは、バックを許さないヴァルタニャンの投げを潰して背中に回り込もうとする。ここも譲らず離れたチャレンジャーは、ダブルレッグへ。アブドゥルバクヘヴァがこれを切るが、挑戦者はここで距離を詰めてケージに押しこむ。
そのままタイムアップに。1R以外はチャレンジャーが取ったか。しかし、ジャッジの裁定は意外にもアブドゥルバクヘヴァを支持した。