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【UFC218】やり過ぎゲイジーの明日なき暴走ファイトをアルバレスが止めるには──

UFC218【写真】ゲイジーにやり過ぎさせない──そのためのアルバレスは何が必要なのか (C)Zuffa LLC/Getty images

12月2日(土・現地時間)、ミシガン州デトロイトのリトルシーザーズ・アリーナで開催されるUFC 218「Holloway vs Aldo 2」では、その前夜=1日(金・同)にラスベガスで行われるTUF26フィナーレのコーチ対決=エディ・アルバレス×ジャスティン・ゲイジーのライト級戦が組まれている。


シーズンのコーチ対決としては、異例ともいえる私恨というのもがほとんど感じられない一戦。元WSOF世界ライト級王者=やりすぎゲイジーは、キャリア16連勝で今年の7月にUFCに満を持して初出場し、殴られては殴り返すという変わらぬ戦い方でマイケル・ジョンソンをKOしてしまった。

キャリア15度目のフィニッシュ後に、「次は誰だ!」絶叫──そして、前UFC世界ライト級王者アルバレスが相手となった。アルバレスはBellatorとUFCを制した唯一のファイターで、コナー・マクレガーに王座を失われたもののUFCではギルバート・メレンデス、アンソニー・ペティス、そしてハファエル・ドスアンジョスに勝利しており、ゲイジーが戦っていた相手とは、やはり一枚も二枚も違う経験値を持っている。

その自信からか「ただの相手に過ぎない」とゲイジーを一刀両断するアルバレスだが、自分のパンチが当たることでゲイジー・ペースに巻き込まれると、彼もまた十分にKO負けの恐れはある。相手が自分のペースで戦っているつもりが、実はゲイジーのペースになっているというのが明日なき暴走ファイトの強味だ。

もちろん、この戦い方を続けているといつまで体がもつかは誰も分からない。それでもMMAをディフェンス・コンテストでなく、オフェンス・コンテストと位置付けるゲイジーはこのスタイルをアルバレス戦でも貫くだろう。

ではアルバレスはパンチが自分の当たっているなかで、何が必要となって来るのか。それがテイクダウンの仕掛けだ。MMAのトップファイターは、やはり攻撃力が高い。自らの攻撃が当たれば、一気に勝負を決めに行く。だからこそ、アルバレスもハファエル・ドスアンジョスに勝つことができた。ただし、ゲイジー戦ではそこを切り替えてテイクダウンを仕掛ける。テイクダウンできるかどうは別で、ゲイジーの反応と意識がテイクダウンディフェンスに向くことで、彼特有の乱打戦を避けることができるのではないだろうか。

その戦いを実施するためにもアルバレスは、ゲイジーのローをしっかりとチェックする必要がある。強烈なパンチャーの印象が強い──実際にそうであるゲイジーだが、実はローキックも強力だ。下から崩して、相手の足を止めることでまた彼のパンチ力が生きて来る。当然、ローでテイクダウンを狙うファイターの踏み込みも殺すことができる。

この2点に注意した結果、ゲイジーがテイクダウンディフェンス及びレスリング力という、これまでほぼ封印してきた攻防を見せることになれば、彼の新しい一面を知ることができる。ここが脆いのか、あるいは組みからの攻撃力もUFCで通用するのか。

殴ってからのテイクダウンは決して消極的なファイトではない。ゲイジーにはヒザ蹴りという武器もあり、リスクを背負った選択となる。そして、過去にアルバレスはペティスやメレンデスにこのような戦いで競り勝っている。ゲイジーにやり過ぎさせないことで、アルバレスは勝利に近づき、またファンはゲイジーの違う一面を垣間見ることができるかもしれない。

■ UFC218対戦カード

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]マックス・ホロウェイ(米国)
[挑戦者]ジョゼ・アルド(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
アリスター・オーフレイム(オランダ)
フランシス・ガヌー(カメルーン)

<フライ級/5分3R>
ヘンリー・セフード(米国)
セルジオ・ペティス(米国)

<ライト級/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ミッシェレ・ウォーターソン(米国)
ティーシャ・トーレス(米国)

<ライト級/5分3R>
ポール・フェルダー(米国)
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
アレックス・オリヴェイラ(ブラジル)
ヤンシー・メデイロス(米国)

<ライト級/5分3R>
ドラッカー・クローズ(米国)
デイビッド・ティーマー(スウェーデン)

<女子ストロー級/5分3R>
フェイス・ヘリッグ(米国)
コートニー・ケイシー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アブドゥル・ラザク(米国)
サバウ・ホマシ(米国)

<ライト級/5分3R>
ドミニク・レイジェス(米国)
ジェレミー・キンボール(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
アンジェラ・マガーニャ(米国)
アマンダ・クーパー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレン・クロウダー(米国)
ジャスティン・ウィリス(米国)

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