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【ADCC2017】無差別級優勝。ノーギグラップリング2017年世界最強はフィリッピ・ペナ・プレギーサ

Pana【写真】世界の頂点に立った24歳、柔術&グラップリング界は今度、プレギーサが中心となるのか?(C)SATOSHI NARITA

9月23日(土・現地時間)と24日(日・同)の2日間、フィンランドのエスポーにあるエスポー・メトロ・アリーナでアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション・レスリング選手権が行われた。

2年に1度のノーギグラップリングの世界最高峰の舞台で行われた戦い。レポート最終回はは無差別級3決&決勝戦の模様をお伝えしたい。


01<無差別級3位決定戦/10分1R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
Def.0分24秒byヒールフック
モハメッド・アリー(ブラジル)

02試合開始早々シッティングのブシェシャが、足を越してきたアリーの左足を捉えて外ヒールへ。先ほどライアンに内ヒールを極められたアリーは、今度は定石とは逆方向にスピンしてのエスケープを試みてしまう。自ら足首を万力にはさみ、ヒザを捩じっていくような動きをしてしまったアリーはタップ。試合開始後わずか24秒で勝負は決した。

優れた機動力を誇る最重量級2人による3位決定戦は、無理に動くことが負傷につながりかねない足関節の怖さ、正しい対処をすることの大切さを改めて認識させる結果となってしまった。

03<無差別級決勝戦/20分1R>
フィリッピ・ペナ(ブラジル)
Def. by 6-0
ゴードン・ライアン(米国)

無差別級を勝ち上がったのは、88キロ以下級優勝のライアンと、99キロ以下級準優勝のペナ。

両者は、昨年12月にスタジオ540で行われたスーパーファイトにおいてもノーギルールで激突しており、その時は約30分戦った上で、ライアンの足関節狙いを切り返してトラックポジションに入り、そこからバックを奪ったペナがチョークで勝利している。

開始時から引き込みがマイナスポイントとなる決勝戦だけに、立ち技でいなし合いが続く。やがて8分過ぎ、ライアンはすっと前に出した右手でペナの左ヒザ裏を掴むと、両手で左足を抱えて回す。しばらく片足で耐えていたペナだが、倒されると無理に立とうとはせず、左ヒザを立てて内側に入れる形でガードを作る。ライアンは瞬時に横に飛んで横に着くものの、ペナはすぐにガードに戻す。やがて試合は加点時間帯に入った。

04ペナはライアンの左足を引き出す得意な形を作ると、シングルレッグXの形から煽るがライアンもバランスを保つ。ならばとばかりにペナは50/50に。

最先端の足関節システムを駆使するダナハー軍団のライアンに相手にこの形は危険とも思われたが、前回ライアンの足関節を切り返して勝利したペナは、今回も積極的に回転してバックを狙ってゆく。

05それを防いだライアンは、両足を伸ばしたペナの右足の外側で組むアウトサイド・サンカクを作ると、そのまま外ヒール狙い。危ないかに見えたがペナは、ライアンの足を掴んで下げ、さらにマットに両手をポストして自分の体を浮かせるようにして隙間を確保してディフェンス。

06ライアンはさらに横に回転し、自らうつ伏せになるような形でヒールを狙うが、ペナは回転の方向を変えてライアンの背中側に出ると、そのままダイブするような形でバック狙い。

あわてて前方回転して逃げようとするライアンだったが、ペナはそのまま付いていきバックを奪取! さらにライアンの腕による防御を超えて両足のフックを完成し、残り2分のところで先制の3点を奪った。

時間のないライアンは、チョークをディフェンスしながら体をずらしていくものの、ペナは一度外れたフックをもう一度入れ直して6-0。残り10秒、ペナのグレイシー・バッハ・ベリオリゾンチの大先輩でありセコンドのホムロ・バハウが「お前がチャンピオンだ!」と歓喜の声をあげると、満面の笑顔で応えたペナがそのままバックをキープして試合を終えた。セコンド陣が飛び上がって狂喜乱舞するなか、仰向けに天を仰いで感無量の表情を見せたペナは、やがて立ち上がりホミーニョ達と抱き合って勝利を喜んだのだった。

07進化する足関節技を、進化するバックテイクが制す。前回の両者の対戦に続き、近年のグラップリングの技術革新を象徴するような形で無差別級王座に就いたペナは、2年後に元スーパーファイト王者のアンドレ・ガルバォンに挑戦することになった。

■無差別級リザルト
優勝 フィリッピ・ペナ・プレギーサ(ブラジル)
準優勝 ゴードン・ライアン(米国)
3位 マーカス・アルメイダ・ブシェシャ(ブラジル)
4位 モハメッド・アリー(米国)

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