【UFN111】ウェルター級のドスアンジョス、サフィジーヌに圧を掛けることはできるか
【写真】ウェルター級に階級を上げたドスアンジョスの戦い方に、どのような変化が見られるだろうか (C)MMAPLANET
17日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるUFC Fight Night111「Holm vs Correia」で元UFC世界ライト級王者ハファエル・ドスアンジョスがタレック・サフィジーヌを相手にウェルター級第1戦を戦う。
2015年3月、アンソニー・ペティスを破りライト級世界王者になったドスアンジョスは、12月にドナルド・セラーニを相手に初防衛に成功も、昨年7月にエディ・アルバレスにKO負けを喫し王座陥落。再起を目指した11月のトニー・ファーガソン戦も判定負けを喫し、今回からウェルター級で戦うこととなった。
身長175センチとライト級でも背が高いわけではないドスアンジョスの階級アップは意外だ。その戦い方は柔術ベースながら、イヴォルブMMAでムエタイの技量を上げ、さらにはカリフォルニアでカレッジレスリングに勤しみ、どの局面でも戦えるように完成度を高めた。
ドスアンジョスの持ち味はなんといっても、中間距離での打撃戦の強さ。サウスポーの構えから右ジャブ、左ストレート、左ミドルヤローで相手をケージ際に追い込み、頭の位置が変わらぬ打撃とテイクダウンを織り交ぜて、翻弄&疲弊させていく。この圧力を前にして、ライト級の頂点に立つ前にもベンソン・ヘンダーソン、ネイト・ディアズらがドスアンジョスの軍門に下っている。
185センチの長身、セラーニやリーチの長いネイトも、この圧力に屈したので特に身長差を苦にすることはないのだろうが、やはりウェルター級で戦うとなるとサフィジーヌでなくても、肩周りからして体格が違ってくる。
打撃で圧を掛けても、ファーガソンのようにサフィジーヌが一発や二発被弾しようが、下がらないようならドスアンジョスは厳しくなる。特にサフィジーヌが打撃戦の押収でなく、組んで局面を変えようとしてきた時、ドスアンジョスは打撃ですら無力化される恐れがある。これといって大きな特徴があるわけではないサフィジーヌだが、キックボクシングをMMAに消化し、結果を残すことができているのは、地味な組みの強さを持っているからだ。
その組みとは打撃を加えた組みのことだ。正面からでも、バックを制しても細かい打撃の完成度の高さがサフィジーヌを支えているといっても過言でない。特に対角線の腕を制して、ディフェンス能力を下げさせてのダーティーボクシングはマイスターシャーレを贈呈したくなるザ職人技だ。
この組み&打撃の強さを持つことで、足払いなどレスリングに頼らないテイクダウンに結びつけることができるサフィジーヌに対し、ドスアンジョスは圧力を掛けるだけでなく、近づき過ぎないステップが必要となってくる。それこそ、ウェルター級で勝ち上がるために欠かせないエレメントだ。
■ UFN111対戦カード
<女子バンタム級/5分5R>
ホーリー・ホルム(米国)
ベチ・コヘイア(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)
マルチン・ティブラ(ポーランド)
<ウェルター級/5分3R>
キム・ドンヒョン(韓国)
コルビー・コビントン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
タレック・サフィジーヌ(ベルギー)
<ライト級/5分3R>
五味隆典(日本)
ジョン・タック(グアム)
<ヘビー級/5分3R>
マット・ハリス(米国)
シリル・アスケア(フランス)
<フェザー級/5分3R>
アレックス・カサレス(米国)
ロランド・ディ(フィリピン)
<フライ級/5分3R>
佐々木憂流迦(日本)
ジャスティン・スコッギンス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
リー・リンジャン(中国)
フランク・カマチョ(グアム)
<バンタム級/5分3R>
クァク・グァンホ(フランス)
ラッセル・ドーン(米国)
<フライ級/5分3R>
ジョン・デ・トーマス(フィリピン)
井上直樹(日本)
<女子バンタム級/5分3R>
キム・ジヨン(韓国)
ルシエ・プシオワ(チェコ)