【Deep Cage】石司晃一を3-2で下し防衛成功。大塚隆史、試合後の談話──「折れない心で挑みました」
【写真】折れない心を強調した大塚。それだけ、心が折れかけていた勝負で粘りを見せた──激闘だった(C)KAORI SUGAWARA
13日(土)に東京都江東区のディファ有明で開催されたDEEP CAGE IMPACT2017のメインで3-2という僅差の判定で石司晃一を制し、2度目の王座防衛を果たした大塚隆史。
この間、大塚は古巣AACCを離れ、新たにT-GRIP TOKYO MMA GYMに所属を変えてベルトを守った大塚は試合後にRIZIN参戦をアピール。その直後に共同会見で何を語ったかをお伝えしたい(※要約)。
──まずは試合を終えて今の気持ちを教えてください。
「疲れました。疲れたし、打撃のプレッシャーは想像以上だと思ってリングに上がったんですけど、その想像以上でした。細かい部分も上手かったです。ただ、テイクダウンを混ぜればパンチも当たるし、自分が凌いでいけば相手が疲れてちょっとずつ消耗してくるだろうと思いました。
ワンテイク取った時に、グラウンドのところでものすごい力を使って立ちに行こうとしてきたので、それを僕がずっと止めてました。あの止まっている攻防の中で僕も腕がパンパンになったすけど、石司選手も物凄く力を使って消耗してくれたかと思います。あとはちょっとずつ『右、当たるんだ』とか、やりながらずらして修正していきました」
──石司選手の打撃を凌いでいる時にも、チャンスが巡って来るという気持ちでしたか。
「そうっスね。最初は面食らったっスけど」
──最初のテイクダウンで、上を取った時に押し上げられてからの打撃でカットしたようですが。
「ヒジですね。それであそこはダメだったら離れたほうが良いと思いました」
──2Rのシングルレッグがテイクダウン取れたあたりではもう、ペースを掴んでいたのでしょうか。
ちょっと蹴るポイントを変えてきたんです。ヒザ頭の少し下、ふくらはぎの上の方を蹴ってきたんですよ。
僕もカットしようと思ってちょっと骨を出したんですけど、そこもお構い無しに蹴ってきたので、骨と骨がぶつかる音がしました。僕は結構、骨が丈夫なので痛いすけど大丈夫なんですよ。向こうは絶対痛いはずですよ。『やっちゃってる』と思います」
──後半、石司選手が右ローを蹴らなくなったのはその影響があると思いますか。
「あるんじゃないですかね。壊れちゃったんじゃないですか。冷静に『今のぜってえ痛えだろ』と思っていました」
──判定は3-2でした。
「そうですね。僕が印象を取りましたが、取られてもおかしくなかったとは思っています。分かんなかったですね。ただ、後半は僕が掴みました。最後のバックチョークは入りかけましたけど、それまでの流れは僕が支配したと思っています」
──僅差の判定で勝利の決め手になったものは何だと思いますか。
「意地ですね。今回はいろいろあって満足いく練習ができなかったです。負けるとしたらそれは自分が失神する時だと思っていました。
『意識がある限りは戦う、気持ちだけは折れないぞ』と、そういう折れない心で挑みました。」
──T-GRIP TOKYO MMA GYMに所属が変わって変化はありましたか。
「よりチーム一丸となりました。みんなが僕のサポートをしてくれていて、良いチームです。前に所属していたAACCはゴールドジムなんで、サンドバッグだって何本もあるし、器具もジャグジーもありました。今所属しているT-GRIPはものすごくでかいチームじゃないですけど、チーム一丸となっている。所属が変わったからと言われたくなかったんで、僕はこの環境で何としてでも勝ちたいと思いました」
──万全のコンディションではない中で、最強の挑戦者を退けた。それによって変化はありましたか。
「またひとつ強くなれたかなと思います。実はドクターストップがかけられていて、周りからはやるなと言われるような状態でした。でも、どうしてもやりたかった。結果、勝てたから良かったです。石司選手もこんな精神力のある選手との対戦は初めてだったと思います。でも、彼も強かったですね。俺もこのままだとやばいです」
──RIZINへの参戦アピールがありました。
「新たな場所でやってみたいと思っています。榊原(信行RIZIN FF実行委員長)さんも『是非待っている』と言ってくれたんで、たぶん実現すると思うんですけど……このままじゃまずいっすね。
自分で言うのもあれですけど、試合前にいろいろあって、よくこの状態で勝てたなと思います。しんどかったっすね、いろいろと……」
──やはり大舞台で試合をしたいですか。
「やりたいですよねえ。やっぱりああいうところで勝ちたいっスね。さいたまスーパーアリーナで勝ったら気持ち良いだろうなと思います。僕も味わいたいです。格闘技を自分は自分のためにやっていますけど、こうやって僕が勝って泣いてくれてる方もいて、なんか嬉しいです。また頑張ろうと思いました」
──気持ち的には次は7月のRIZINのバンタム級トーナメントですね。
「今日は過去最悪の状態でした。7月に間に合うのかっていう状態なんですけど、勝ったから次があるんでこの怪我を治して早く万全にしたいですね。勝った嬉しさもあるけど、やられて情けないところもある。でも、良い自信につながりました」