【UFC211】ロドリゲスの立体MMAを切り崩すには、エドガーはガチャガチャした地上戦が命題!!
【写真】ジャイー・ロドリゲスという時代の流れに巻き込まれないため、フランキー・エドガーはどのような戦いを見せるか (C)KEITH MILLS
13日(土・現地時間)、テキサス州ダラスのアメリカンエアライン・センターで開催されるUFC211「Miocic vs Dos Santos 2」。メインイベントは大会名にある通り、UFC世界ヘビー級王者スタイプ・ミオシッチにジュニオール・ドスサントスが挑戦する一戦が組まれている。
さらにセミではもっとP4Pとして評価が高くても良いはずの女子ストロー級の絶対王者ヨアナ・イェンジェチックがジェシカ・アンドレジを相手に5度目の防衛戦を行う。そんな2階級の世界戦を前に組まれた──世界戦という場を射止めるための生き残り合戦、あるいはトップ戦線に踏みとどまるためのサバイバル戦にも注目したい。
当然のように時代が流れ、かつてのトップ選手は下からの突き上げに抗い切れない時がやってくる。ここで踏みとどまれるのか、レジェンド路線へ転向を余儀なくされるのか。フランキー・エドガー×ジャイー・ロドリゲスの一戦が見逃せない。
TUFラテンアメリカ01ウィナーのロドリゲスは、オクタゴン戦績7勝0敗。今年の1月にはBJ・ペンを2RTKOで倒し、もう一人のUFC世界王者経験者に挑む。そのスタイルはケージという空間を立体利用できる四次元MMAと称すべきモノ。時にはバック宙をしながらの蹴りや、寝ている相手にサマーソルト・カカト落としというべき前転しながらのキックを見せることもある。
ロドリゲスの打撃のベースはテコンドー、軸足を頻繁に変えて蹴りで対戦相手を混乱させる。さらに蹴りやパンチを打ち込む際にステップの幅まで変化させることができるのが、最大の強味だ。キックの届く距離で、下は脹脛から上は頭の天辺までを自らの制空権として戦うことができる。BJ戦のフィニッシュは、バックステップから後ろ足(=右足)で前蹴りを見せ、そのまま前方に足を落とす前に、右フックを──まるで蹴りの後ろ側から放っていったという優れもの。
パンチの威力以前、全く見えないところから虚を突かれた一発でBJは腰から崩れ落ちた。まさに変幻自在のロドリゲスの空間MMAに対し、エドガーもまた変幻自在振りを武器に一時代を築いたファイターだ。独特の小刻みのステップから、8の字を描くように動き続け、打撃を繰り出した場所に決して留まることがない。
そのサークリング&シュートボックスでMMAに新時代をもたらしたエドガーだが、フェザー級転向後は念願のコナー・マクレガー戦に辿り着くことなく、その前後でジョゼ・アルドに競り負けてライト級に続くベルトを巻くことができていない。
上記にあるように相手を惑わすステップは健在で、チャド・メンデスにはKO勝ちを収めている。それでも、倒せる蹴りがない分──ロドリゲスの方が新しいMMAに見えるのも確かだ。何より、打撃がテイクダウンに帰結するという風に振り切り、小刻みな動きを意識しないで戦ったアルドが、エドガーを2度に渡り攻略したのも大きい。
試合全体でアルドが、エドガーよりもスピードがあった、より動いたということはない。しかし、瞬間、瞬間での踏み込み、反応でよりインパクトの残るパンチを入れ、テイクダウンを避けるために得意のローまで封印してみせた。
ロドリゲスとすれば、やはり遠い距離をコントロールして、素早い引きで掴ませない蹴りでエドガーを惑わせたい。一方のエドガーはロドリゲスよりも、ガチャガチャ動くことが命題。一つ一つの動きは効果的に映らなくても、その積み重ねがテイクダウンに繋がり、ペースを握ることになる試合展開──に持ち込みたい。
■ UFC211対戦カード
<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]スタイプ・ミオシッチ(米国)
[挑戦者]ジュニオール・ドスサントス(ブラジル)
<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]ヨアナ・イェンジェチック(ポーランド)
[挑戦者]ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
デミアン・マイア(ブラジル)
ホルヘ・マスヴィダル(米国)
<フェザー級/5分3R>
フランキー・エドガー(米国)
ジャイー・ロドリゲス(メキシコ)
<フライ級/5分3R>
ヘンリー・セフード(米国)
セルジオ・ペティス(米国)
<ライト級/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
ダスティン・ポイエー(米国)
<フェザー級/5分3R>
チャス・スケリー(米国)
ジェイソン・ナイト(米国)
<ミドル級/5分3R>
デヴィッド・ブランチ(米国)
クリシュトフ・ヨッコ(ポーランド)
<ライト級/5分3R>
ジェイムス・ヴィック(米国)
ポロ・レイジェス(メキシコ)
<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アギラー(米国)
コートニー・ケイシー(米国)
<フェザー級/5分3R>
エンリケ・バルゾラ(ペルー)
ガブリエル・ベニテス(カナダ)
<フェザー級/5分3R>
ジャレッド・ゴードン(米国)
マイケル・キニョネス(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ラシャド・コールター(米国)
チェイス・シャーマン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ガジムラッド・アンディグロフ(ロシア)
ヨアキム・クリステンセン(デンマーク)