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【UFN237】19カ月振りのロドリゲス戦。ブライアン・オルテガ「技術は変わっても、原理原則は変わらない」

【写真】凄くクールに、そして多弁でも言葉少なげでもなく適切な返答をしてくれたオルテガ (C)MMAPLANET

24日(土・現地時間)、メキシコはメキシコシティのアレナ・シウダ・デ・メヒコで開催されるUFN237:UFN on ESPN+95「Moreno vs Royval2」のコメインでブライアン・オルテガがジャイー・ロドリゲスと戦う。
Text by Manabu Takashima

2022年7月に対戦した際、オルテガは右肩の脱臼で試合続行不可能となりTKO負けを喫した。あれから19カ月を経ての再戦が、オルテガにとっての実戦復帰戦となる。あの脱臼はなぜ起こったのか。どうして再起戦まで、ここまでの長い時間が必要だったのか。そしてグレイシー柔術がベース、柔術の基本は護身。護身、その身を守る思考と現代MMAに溝が無いのかをオルテガに尋ねた。


──ブライアン、インタビューの機会を与えてくれてありがとうございます。

「こちらこそ(笑)。調子はどうだい?」

──ブライアンのインタビューができるので、絶好調でしょう(笑)。ジャイー・ロドリゲスと今週末に戦います。今の気分は?

「良いよ。気持ちも高まってきたし、精神的にも準備ができている」

──ところで前回のロドリゲス戦から19カ月が過ぎました。あの右肩の負傷ですが、今もどこのタイミングでブライアンがケガをしたのか分からなくて。腕十字を逃げた時、それともアンダーフックから大腰でテイクダウンを奪った時なのでしょうか。

「腕十字を仕掛けられ、腕を引き抜こうとした時だよ。彼のボディと脚に腕がハマってしまって、肩だけが抜けた形になったんだ」

──う……。想像するだけでも、恐ろしいです。

「滅多にあることじゃない。変わったアクシデントだった。まぁ、そういうことが時に起こってしまうもんなんだ」

──う~ん、十字を抜こうとしての負傷は正直、少しショックです。自分にとってブライアンはブラジリアン柔術の黒帯ではなくて、グレイシー柔術の黒帯で。

「(微笑)。ありがとう」

──グレイシーは極めさせない護身の極みという感覚を持っているので。サブミッション・ディフェンスにかけて、ブライアンはMMA界でも最高の技術を持っているはずだと。

「そうだね。僕も理解できなかったよ。『何が起こった?』っていう感じでね。『なぜだ?』と本当に思った。ヘナーとも話した……でも、結果はこういうことも起こり得るってことだよ。練習でも起こる。それが試合で起こってしまった。トレーニング中だったら、嫌なことは嫌でもしょうがない。でも、試合中だったからね。そうなるような対処もしていないし、アクシデントだから予測はできなかった」

──そうですね。ジャイーも肩が脱臼するような仕掛けをしたわけではなかったでしょうし。それにしてもあの敗北から、実戦復帰まで長い時間が掛ってしまいました。

「あのケガから1年の間に、実は4度も手術をしているんだ」

──えっ? そんなにもですか。

「練習をやり過ぎてしまうんだよ」

──つまり、負傷が直り切っていないのにトレーニングでまたケガをするというパターンですか。

「そうなんだ。ケガにケガを重ねてしまった。『俺は大丈夫だ。強い心を持っていれば、乗り越えられる。だから、やるんだ』っていう風にトレーニングをして、またケガをしてしまう。2度目、3度目、結果的には4度も手術をするハメになった。そして、その時悟った。本当に強い心とは、トレーニングを我慢することなんだって」

──ハイ……。

「練習を止めないと、この負の連鎖を止めることはできなかったよ。『もう一度、完調に戻してやり直しだ』って思うようになった」

──練習をストップし、ケガが癒えると気持ちもリフレッシュしていたのではないですか。

「絶対に諦めない。そう思い続けてきた。諦めるのなんて、まっぴらごめんだ。人生はハードだ。どん底に落ちることもある。でも、絶対に諦めない。もう一度、勝利を手にすると自分に言い聞かせていた」

──素晴らしいです。ところで今回、メキシコ人の両親を持つメキシコ系米国人のブライアンがメキシコシティでメキシコ人ファイターと戦う。気分はアウェイなのですか。

「どうなんだろうね(笑)。僕に対し、メキシコのファンがどのような反応をするのか。その時になってみないと分からないよ。でも、今日までメキシコの皆は凄く僕のことを歓迎してくれている。敵対心を感じることは一度もない。彼らも分かっているはずだよ。僕はメキシコで生まれてはいない。でも、僕のファミリーは皆メキシコにいる。僕がメキシコに想うところがあるはずがない。自分のルーツを知りたいと誰もが思っている。そして今、僕はそういう状況にある。メキシコで戦うことに関して、何も問題はないよ」

──では今回の試合に向けて、どのような準備をしてきましたか。2200メートル以上の標高で、空気も薄いところでの試合となりますが。

「そんな風には、まるで感じない。普通にしていられるよ」

──えっ、本当ですか!!

「ノー。冗談だよ(笑)。でも問題ない。問題ないようにしてきた。皆に良い試合を見てもらうためにもね。だから楽しみにしてほしい」

──高地トレーニングをしてきましたか。

「ノー。これは本当にノーだ」

──スタミナに不安は?

「僕のスタミナは、ランニングで創られている(笑)。そしてたくさんの柔術、たくさんのレスリング、たくさんのボクシングをやってきた」

──柔術はヘナー・グレイシーと?

「もちろん。僕とヘナーは20年ずっと一緒だからね」

──MMAはファイトエインターテイメントで、攻撃重視という側面が最近は特に目立ってきました。護身のグレイシーをベースとするブライアンも、アグレッシブなファイターですが、一部防御が軽視される傾向についてはどう思っていますか。

「そういう選手は、勝てない。マーシャルアーツの原理原則が分かってないと。MMAに防御は欠かせない。柔術の使い方を理解していれば、今もベストだ。しっかりとマーシャルアーツを学び、賢明にならないといけない。戦う上で最も大切なのモノは何か、それは原理原則なんだ。技術は変わっても、原理原則は変わらない。

僕はグレイシーの教え子であるかけど、それは技術面の教え子ではない。原理原則の教え子なんだ。原理原則は普遍だ。テクニックには変遷がある。原理原則は変わらない。マーシャルアーツをこの身に修めるということは、技術ではなく原理原則を修めることなんだよ。原理原則とは何か。それが分かっていないファイターは増えたよ」

──いや、グースバンプスものです。

「アハハハハハ。それは有難いよ」

──1年7カ月振りの再戦、今もブライアンがUFCフェザー級のトップファイターであることを証明するにはどのような試合にしないといけないと思っていますか。

「グレイシーのブラックベルトの力を見せつけるよ(笑)」

■視聴方法(予定)
2月25日(日)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS
午前8時30分~U-NEXT

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