【WSOF35】フルマーク、5Rのドミネイトの末マゴメドフがモラエス無き後のバンタム級王者に
<WSOF世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
ビクブラット・マゴメドフ(ロシア)
Def.3-0:50-45.50-45.50-45
ドノヴァン・フリロー(米国)
マルロン・モラエスがフリーランスになったことで、世界王座が空位になったバンタム級。同王座を17勝1敗のマゴメドフと、6勝0敗のフリローが争う。間合いを測る両者、マゴメドフが右ローを蹴っていく。右ストレートを伸ばし、フリローが下がってところでマゴメドフは飛びヒザを見せる。マゴメドフの右ローに右フックを合わせたフリロー。マゴメドフの腰が一瞬落ちる。すぐに動きを戻したマゴメドフは右オーバーハンドに右フックを合わせてシングルレッグから、ダブルに移行してテイクダウンを奪う。
立ち上がり際にバックを取ったマゴメドフが腰をコントロールしてトップを取る。フリローは首を抱えながら、またも倒されバックを譲りつつ立ち上がる。ボディロックでテイクダウンしたマゴメドフにフリローはキムラクラッチも維持できず下になった状態で初回が終わった。
2R、スーパーマンパンチからワンツーを入れたマゴメドフ。続いてスピニングバックキックをボディに軽く当てて、左ジャブから前蹴りを繰り出す。マゴメドフが右フックから右ローを入れ、フリローの攻撃は距離を取る。スピニングバックフィスト、再び右前蹴りを入れる。さらに後ろ回し蹴りから、前に出てきたフリローにダブルレッグを決め、ギロチンから頭を抜くマゴメドフ。
フリローはケージ際に移動するも、足を一本抜かれる。ここもバックを譲って立ち上がったフリローだが、腰をコントロールされ倒されるという初回と同じ展開に。マゴメドフはこの回もトップを取った状態でラウンド終了を迎えた。
3R、距離を詰めたフリローが右オーバーハンド。マゴメドフは右ミドルを返す。粗いフックに組んだマゴメドフだが、ケージ際でリリースする。プレッシャーを強めるが、一発の打撃はそれほど力を入れないマゴメドフは、フリローの前進を待っていたかのようにカウンターでダブルレッグを合わせる。ギロチンに拘るフリローは、頭を抱えたままマゴメドフの動きに合わせて立ち上がる。テイクダウン&ポジショニングでポイントを加算しているという考えの下、終盤になるとトップ、あるいはバックを制するマゴメドフがこの回も取ったか。
4R開始直後のマゴメドフのダブルレッグに、フリローはまたもギロチン──そして頭を抜かれる。細かいパンチを入れるマゴメドフに対し、フリローは頭を抱えて立ち上がろうとする。キムラクラッチのフリローからバックを取り切ったマゴメドフだが足をフックはしない。支配はあっても、制圧がないMMAに観客の空気は緩む。
フリローに疲れが見え、仕留めるチャンスだが……。と、マゴメドフが両足をフック。残り90秒でトライアングルフックに出たマゴメドフが後方からパンチを入れる。RNCのチャンスを伺う間に残り10秒となり、マゴメドフがポジションキープに転じた。
最終回、フィニッシュされなければまず負けはないマゴメドフ。ボディロックから小外掛けであっという間にテイクダウンを奪うと、バックコントロールへ。またもキムラロックと対抗手段のないフリローに座り込むようにマウントを取る。腰を押して、背中を預けながら立ち上がろうとしたフリローだが、マゴメドフの腰からシートベルトポジションでバックをキープする。
フリローはまたもキムラロックを潰され、四の字でバックマウントを取られる。RNCを懸命にしのぐフリローは残り10秒を切って胸を合わせ──試合終了。マルロン・モラエスが懐かしくなる試合展開の末、マゴメドフがフルマークの判定勝ちで新WSOF世界バンタム級王者に輝いた。