【UFC208】デランダミーがホルムを下し、初代UFC女子世界フェザー級チャンピオンに
<UFC世界女子フェザー級王座決定戦/5分5R>
ジャーメイン・デランダミー(オランダ/※女子バンタム級10位)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
ホーリー・ホルム(米国/※女子バンタム級2位)
左に回るホルムが右サイドキックから、ワンツーで前へ。デランダミーはバックステップ。距離を詰めてきたデランダミーに右ローを蹴っていくホルムは、そのまま左に回る。行く手を止めるように右ローを蹴り込むデランダミーは、距離が近づくと右エルボーを打ち込む。ホルムのワンツーをかわすなど、しっかりと攻撃を見切っているデランダミーが右フックを当てる。
ホルムはワンツー&右ローとダッチ・コンビネーションを見せる。接近すると、再び右エルボーをデランダミーが繰り出す。関節蹴りにカウンターの右を当てられ、ホルムの姿勢が乱れる。と、ホルムはデランダミーの右にテイクダウンを合わせてドライブ、ケージにデランダミーを押し込んでシングルレッグを仕掛ける。ケージを背にして耐えたデランダミーはヒザをボディに一発返し、ラウンドが終了となった。
2R、左ストレートに続き右ローを蹴るホルム。デランダミーも右ローを返し、ステップインを右ストレートで迎え撃つ。ホルムの前進をステップバックするだけでなく、迎え撃つ距離で止るデランダミーが、右をヒットさせる。この要領で勢いのある右を打ちこんだデランダミーに対し、ホルムが再び組みついていく。
細かいヒザを腿に打ち合う両者。ホルムが押し込む時間が続くも、デランダミーが右腕を差し返し態勢を入れ変えると、左のヒザをボティに突き上げる。ホルムが押し返すも、デランダミーが首相撲からヒザ蹴りを2発。ホルムはワキをすくってバックに回るが、デランダミーは慌てず胸を合わせて、スペースを作るとヒザをボディに入れる。このスペースを潰したいホルムだが、終盤にヒザを受け、左を被弾。しかし、デランダミーは終了後に右ストレートを打ち込み、ホルムの腰が落ちた。
減点モノの反則だったが、ペナルティはないのか。
そのまま3Rが始まり、デランダミーは周囲を回るホルムに右ローを走らせる。ホルムのワンツーから蹴り技というリズムが変らず、テイクダウン狙いも遠い。手詰まり感のある元バンタム級王者に、デランダミーは時折り右を伸ばす。右ミドルも入れたデランダミーだが、手数が少ない点は否めない。ホルムは残り80秒でクリンチからテイクダウンを狙うが、デランダミーが持ち超えた左フックをヒットさせる。
続くスピニングバックフィストは空振りになったが、デランダミー優勢のままこの回も終わるかと思いきや、終了間際にホルムの右ハイがその頭部を捉えダウンを奪う。この一発が試合の流れにどのような影響を与えるか。
デランダミーにとって、未知の4Rが始まった。ケージにデランダミーを押し込むホルム。2分を経過しレフェリーがブレイクを命じると、ホルムの右ローにデランダミーが右ストレートを合わせていく。ホルムのスーパーマンパンチも届かない。それでも左ストレートをようやく当てたホルムだったが、正面の中間距離ではデランダミーのプレッシャーの方が強く、組みに移行する。
デランダミーはアンダーフックでテイクダウンを耐え、鉄槌をボディに入れる。押し込むホルムのボディにヒザを2発入れたデランダミーは、首相撲に組んでさらにヒザを2発見舞う。嫌がったホルムが離れたところで4Rも終了となった。
最終回、ローにワンツーを入れるデランダミー。ホルムは右ジャブに続き、左ミドルを狙う。ホルムの右ロー、デランダミーが右ハイ。そして右ストレートを打つ動きを見せる。詰将棋は『歩』の使い合いとなり、両者が前に出たところでホルムの左がデランダミーの顔面を捉える。
グンと動きが落ちたデランダミーが自ら組みにいくが体を入れ替えられ、ケージに押し込まれる。鼻血が確認できるデランダミー、ここでレフェリーがブレイクを掛け試合は残り2分に。すぐに組んでケージにデランダミーを押し込むホルムに、観客がブーイングを送る。セコンドは「キックボクシング」と指示を送るもののホルムのクリンチが続く。
デランダミーはヒザを返し、ケージを背にして体を入れ替えてヒザ蹴り。離れたホルムの前進にワンツーをデランダミーが入れ、初代世界女子フェザー級王座決定戦はブーイングのなかでタイムアウトを迎えた。
ジェッジ3者が48-47とスコアし、初代王者の栄光を手にしたデランダミーは「接戦だったけど、彼女は戦おうとしなかった。オランダ、UFC王者が誕生したわよ。2Rのタイムアップ後の攻撃は彼女に謝りたい。ホルムのことは尊敬しているけど、彼女は戦おうとしなかった。私は殴り合いがしたかったの。私は誰とでも戦う。クリス・サイボーグとも。ただ、拳の手術をして、靭帯を治したい」と語った。