【UFN104】劣勢予想のヘリッグが、グラッソの距離にさせず判定勝ち取る
<女子ストロー級/5分3R>
フェリース・ヘリッグ(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
アレクサ・グラッソ(メキシコ/12位)
ブラジルの天才女子グラッソがオクタゴン2戦目で、セックスアピールも強いヘリッグと対戦。テキサス州という土地柄もあり、大きなメヒコ・コールの後押しを受けるグラッソは間合いを図って左ミドルを蹴っていく。ヘリッグのワンツーはやや遠いが、前に出て距離を掴もうとしているようだ。ワンツーから左ミドルハイを繰り出すヘリッグ、グラッソは軸足を変えて跳び蹴りを見せると、バランスを崩して尻もちをついてしまう。
すかさずヒールフックでヘリッグを捉えたグラッソ。ヘリッグは足を抜いてスタンドへ戻る。グラッソが前蹴りとサイドキックのコンビネーションを見せた直後にヘリッグは右を顔面に。2発右を当てたヘリッグが、ワンツーで前に出てプレッシャーを与える。右ストレートから左フックのコンビをヒットさせたヘリッグが接近戦で試合をリード。右を被弾しても、すぐに右フックを返したヘリッグ。グラッソのテイクダウン狙いも切って初回を取った。
2R、グラッソの左ローに右ストレートを合わせたヘリッグは、引き続きパンチで試合をリードする。グラッソも左を返しジリジリと前へ。右を見せて前に出たヘリッグが、右ミドルを蹴りこむ。ボディからワンツー、左ハイにも右を合わせたヘリッグが優勢に試合を進める。ボディと顔面、パンチを被弾するグラッソはいつものようにボクシングで攻勢に出ることができない展開が続く。そのグラッソが放った右ミドルは軽い。それでも終盤に右を当てて、蹴りにつなげたグラッソに対しヘリッグがテイクダウンを仕掛ける。ヒザの応酬から、ヘリッグが声を挙げてテイクダウンを奪った。
最終回、ローを外されパンチの距離を構築できないグラッソに対し、ヘリッグはパンチを当ててすぐにレンジの外に出る。右ミドルは当たるが、それは構わないかのようなヘリッグが右ストレートをヒットさせる。ヘリッグはシングルレッグを後方回転され上を取られかけるが、譲らずギロチンを外す。グラッソのキムラは足を制しておらず、ヘリッグがマウントへ。ここはスクランブルに持ち込み、スタンドに戻ったグラッソだがこれといった攻撃を見せることができない。
一瞬の前進でパンチを当てて、すぐに下がるヘリッグをグラッソは捉えることができない。時間を掛けるかのように組みに行ったヘリッグはクリンチの展開から離れると、試合タイムは残り40秒に。手数は多いが、届かない攻撃も多かったグラッソが残り10秒を切ってパンチを効かせることに成功する。一瞬、腰が落ちたヘリッグだがここをしのぎ、タイムアップと同時に右手を高々と掲げた。
ジャッジは3‐0でヘリッグを支持。一瞬、驚いたように目を見開いたグラッソだが、裁定には納得しているようだった。「私のことをグラップラーって皆、言っているけど……、私は4度のキックボクシングなのよ。昨日は私の亡くなった兄弟の25歳の誕生日だったの。彼は生き続けられなかったけど、彼のために戦ったの」と涙ながらにヘリッグは語った。