【UFC FOX10】表裏一体万能ファイター対決、ベン・ヘン×トムソン
【写真】王座を失って5カ月、ベンソン・ヘンダーソンが実力者ジョシュ・トムソン戦で再起を目指す(C)MMAPLANET
25日(土・現地時間)にイリノイ州シカゴのユナイテッドセンターで行われるUFC on FOX 10 「Henderson vs Thomson」。大規模な寒波に覆われ、真っ白に染まったウインディ・シティをUFCライト級コンテンダーが熱くする。
ランク1位の前世界王者のベンソン・ヘンダーソンと、元ストライクフォース世界ライト級王者で現在ランク4位のジョシュ・トムソン。昨年8月にアンソニー・ペティスに敗れ王座を失ったヘンダーソンに対し、トムソンはTJ・グラントの代役として12月にペティスに挑戦予定だったが、王者の負傷で試合がキャンセル。ある意味、タナボタで得た挑戦権を失い、新たに挑戦者選びの列に戻されたことになる。
レスリングベースで柔術も打撃もできる両者。ベン・ヘンの戦績が19勝3敗で2KO勝ち、一本勝ちは8試合。一方、トムソンは20勝5敗1NCで5KO、一本勝ちは9試合だ。ウェルラウンダーというだけでなく、勝ち方やリザルトも似通っている両雄だが、試合の組み立て方は明らかな違いが見て取れる。トムソンは打撃を効かして、テイクダウンからポジションを進め、バックチョークで息の音を止める。ベン・ヘンは打撃を散らしてテイクダウンからパウンド、スクランブルのなかでギロチンを合わせる。
いわばトムソンが打撃で削るのに対し、ベン・ヘンはテイクダウンとホールドダウンで対戦相手を疲弊させていくわけだ。打撃の精度も高い両者、ダメージを与える蹴りやパンチが多い分、トムソンの方がややテイクダウン・ディフェンスで遅れを取っている。柔術の強さでも定評のある2人、ここでもその性格の差は顕著だ。ミドルを効かされ、頭が下がってしまいペティスに腕十字を取られたヘンダーソンだが、基本的にポスチャーと呼ばれるトップでの姿勢の良さは抜群だ。ポスチャーの強さは攻撃面でも、守備面にも生きてくる。
トムソンの寝技で武器は、そのバックグラブの強さにある。RNCを狙うまでの体重の掛け方はMMA界随一といっても過言でない。職人的な技術をベースに、万人に理解できる攻防で勝負をつけることができる彼らは、表裏一体のオールラウンダー。コアファンからもカジュアル・ファンからも支持されるベン・ヘンとトムソンの対戦は、ジョゼ・アルドが色気を見せるライト級王座次期挑戦者決定戦に相応しいファイトといえるだろう。
■ UFC FOX10「Henderson vs Thomson」対戦カード
<ライト級/5分5R>
ベンソン・ヘンダーソン(米国/1位)
ジョシュ・トムソン(米国/4位)
<ヘビー級/5分3R>
スタイプ・ミオシッチ(米国/8位)
ガブリエル・ナパォン(ブラジル/12位)
<ライト級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国/8位)
アドリアーノ・マルチンス(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国/10位)
ジェレミー・スティーブンス(米国)
<バンタム級/5分3R>
アレックス・カサレス(米国)
セルジオ・ペティス(米国)
<バンタム級/5分3R>
エディ・ワインランド(米国/4位)
イーブ・ジャボウィン(カナダ)
<バンタム級/5分3R>
チコ・カムス(米国)
ヤオツィン・メザ(米国)
<バンタム級/5分3R>
ジュニア・ヘルナンデス(米国)
ウゴ・ヴィアーナ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ダロン・クルックシャンク(米国)
マイク・リオ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
マイク・ローデス(米国)
ジョージ・サルヴィアン(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ウォルト・ハリス(米国)
ニキータ・クリロフ(ウクライナ)