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【UFC206】MMA選手協会発足に賛同したセラーニが、4連勝賭けブラウン戦へ

cerrone【写真】オクタゴンの外の雑音の影響を受けるようなタイプとは思えないドナルド・セラーニだ(C) MMAPLANET

10日(土・現地時間)にカナダはトロントのエアカナダ・センターで開催されるUFC 206「Holloway vs Pettis」。UFC世界ライトヘビー級選手権試合に代わり、アンソニー・ペティス×マックス・ホロウェイの暫定世界フェザー級王座決定戦がメインで行われる同大会のセミで、ドナルド・セラーニ×マット・ブラウンのウェルター級の一戦が組まれている。


昨年12月にハファエル・ドスアンジョスの持つUFC世界ライト級王座に挑戦し、僅か66秒でミドルで沈んだ惨劇後、ウェルター級に転向を果たしたセラーニ。以来、アレックス・オリヴェイラ、パトリック・コーテ、リック・ストーリーを相手に3連勝を果たしている。しかも、3試合連続でパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得するという離れ業を成し遂げている。

ライト級時代より明らかに体が大きく、打撃の威力が上がりつつもスピードや俊敏性が損なわれずに、階級アップに成功した。特にローやボディを効かせてから、大鉈を振るうようなハイキックで致命傷を与え、パンチのラッシュで仕留める姿は圧巻だ。

加えて打撃戦を刷り込ませておいて、一瞬でテイクダウンに移行。カウボーイ対決ではオリヴェイラを三角絞めで仕留めたように全てが上手く回っている。対して、セラーニとは真逆の負のスパイラルに陥ってしまっているのがブラウンだ。

一時期はウェルター級王座挑戦直前まで上り詰め、セラーニ同様に3試合連続でボーナスを獲得。しかし、タイトル挑戦権が掛かったロビー・ローラー戦で調整に失敗、計量オーバーでキャッチ戦となり、判定負けを喫した。

この一戦でもファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得をしたブラウンだったが、ローラー戦を含めここ5試合で1勝4敗。デミアン・マイア、ジェイク・エレンバーガーに一本&TKO負けと厳しい状況にある。

勢いの差が明らかな両者だが、ここにきてセラーニにはまた違って意味で注目が集まっている。11月30日に発足が発表されたMMAAA(Mix Martial Arts Athletes Association=MMA選手協会)への賛同をジョルジュ・サンピエール、ケイン・ヴェラスケス、TJ・ディラショー、ティム・ケネディらと表明。

現時点でMMA選手協会としながらも、その対象はUFCに特化しており、過去に遡りUFCと関係がこじれた選手の間に立って和解を目指す、選手への支払いのUFCの利益の8パーセントから50パーセントに引き上げる、UFCとの団体交渉を目指すことを目的としている。このような組織の一員として、選手の立場向上を訴えた直後にセラーニはオクタゴンに足を踏み入れることとなる。

TV中継等で制作サイドがこの問題に触れることは考えられないが、勝利者マイクでセラーニが言及しないとは限らない。MMAAAでは7日(水・同)に複数のファイターと関係のある法律家グループから、排除処置の通知が送られたが同意しないことを表明している。

いってみればMMA界に労働争議を持ち込んだ――MMAAA設立に賛同したセラーニ、そしてケネディの試合は自然と注目度が上がるのも然りだろう。

■UFC206対戦カード

<UFC世界フェザー級暫定王座決定戦/5分5R>
アンソニー・ペティス(米国/5位)
マックス・ホロウェイ(米国/2位)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国/5位)
マット・ブラウン(米国/14位)

<フェザー級/5分3R>
カブ・スワンソン(米国/4位)
チェ・ドゥホ(韓国/11位)

<ミドル級/5分3R>
ティム・ケネディ(米国/10位)
ケルヴィン・ガステラム(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジョーダン・メイン(カナダ)
エミル・ミーク(ノルウェー)

<ライトヘビー級/5分3R>
ミシャ・サークノフ(ラトビア)
ニキータ・クリロフ(ウクライナ)

<フライ級/5分3R>
ザック・マコウスキー(米国/7位)
ダスティン・オーティズ(米国/10位)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴァラリー・レターノー(カナダ/9位)
ビビアン・ペレイラ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ランド・バンナータ(米国)
ジョン・マクデッシ(カナダ)

<ライト級/5分3R>
ルスタン・ハビロフ(ロシア)
ジェイソン・サッゴ(カナダ)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドバー(米国)
オリヴィエ・オバメルシエ(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
ミッチ・ギャグノン(カナダ)
マット・ロペス(米国)

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