【UFN101】ヴォルカノフスキーと対戦する粕谷優介<02>「自分を褒めることができる戦いを」
【写真】川尻達也にもらったサインをジムの入り口に飾っている粕谷 (C)MMAPLANET
27日(日・現地時間)、豪州ビクトリア州メルボルンのロッドレイバー・アリーナで開催されるUFC Fight Night 101「Whittaker vs Brunson」でアレックス・ヴォルカノフスキーと戦う粕谷優介インタビュー後編。
2度の試合延期を乗り越え、今回の試合に挑む粕谷は昨年の9月のニック・ハイン戦の記憶を払拭したいという。後十字靭帯の負傷で、ヒザから下の感覚がない状態で戦っていたにも関わらず、いけない自分が許せない――憧れの人の試合をみて強く思う粕谷の今回の試合に賭ける想いとは。
<粕谷優介インタビューPart.01はコチラから>
――蹴り、テイクダウンも強いし、ガードからの攻撃もあります。そのような相手に、昨年9月のUFC初陣ニック・ハイン戦では靭帯の負傷で本来の試合はできなかった分を全てぶつけたいという気持ちは?
「もちろん、あります」
――負傷の方の経過はいかがだったのですか。
「4月ぐらいからは全力で動けるようになっていました」
――半年というのは、でも早い方ではないですか。
「実はリハビリもしっかりとやっていないんです。あんまり大きな声で言えることではないですが、リハビリよりも自然に生活しているほうが直りが早いというのが、6歳の時から格闘技をやってきた僕の感覚なんです。
これまでもケガをしても、動かさないとかいうよりも普通に仕事をしている方が良かったような感じで。今回も早くても運動ができるようになるのは1年間後ぐらい、それでも動かせないかもという診断だったんです」
――そこまでの状態で戦っていたということですよね。
「ヒザから下の感覚がなくて、踏ん張るとズレる。寝技にいくと、抜けちゃうなっていう感覚がありました。後十字だったのですが……。引退したときには手術をしようと。今は周囲の筋肉で保っている状態かと思います。
でも、前の試合はヒザがダメだったからって楽をした面があります。寝技にいけないという感覚はあったのですが、後から考えるともう格闘技ができなくなくなってもいかないといけなかったと思います。
正直、僕はファンに何を思われても、自分の感情が一番大切だと思っています。だから自分が納得できるかどうかが一番重要で、それが応援してくれている人にとっても良い試合だと。なら歩けなくなったとしても、もっといくべきだった。
なぜ、行けなかったのだろうというのを考えてきた1年でした。だから、今回の試合はやり抜きたいです」
――だから行けとは、私の立場では決していえないですが、それこそ粕谷選手の信条なのですね。
「辞めてしまった方が楽なのは分かっています。だからこそ、全力でやり切る。会社で仕事をしているだけの方が楽です。だからといって逃げたくはないし、夢だったわけですから。
自分で自分ことを理解しきれていないのですが、格闘技が好きだからここまでしんどくてもやりきりたいんだ――と思っていたいです」
――決して生活の糧でもないわけですし。
「多分……、怖いからやっているのかなって。それを克服したいから格闘技を続けているのかって思います」
――格闘技は白黒がはっきりしていて、勝利したときの高揚感は何モノにも変えられるモノではないかと。それが恐怖を克服したのと同じことかは分からないですが。
「勝った時だけは、自分で自分のことを褒められると思います。強いより、頑張ったって言われたいほうで(笑)。自分なりに頑張って、その結果が勝利という形なら褒められたいです(笑)」
――では最後にアレックス・ヴォルカノフスキー戦、どのような戦いをしたいですか。
「心を折りたいです。一本を取れるイメージもわかないですし、自分より強いだろうけど心を折りたい。格闘技って強さを競い合うものですけど、それは当日の強さだと思うんです。その日、どっちが勝つか。その日だけでも、相手より強ければ良い。
長く続ける競技ではないので、全てを出し尽くしたいです。ほんと8月の川尻選手とカブ・スワンソン選手の試合を見て、泣きそうになったのですが――1年間前の自分の試合を思い出して、自分は何をやっていたんだっていう気持ちが大きくなりました。
見ている人に感動してほしいとか、おこがましくて言えるようなファイターじゃないですが、それでもファイターとしてここまで気持ちに差があるのかって。憧れの人だからこそ、川尻選手の試合を見て、去年の9月の試合を払拭するしかないと言い聞かせることになりました。
誰に弱いと言われようが……そんなことは俺が一番分かっていることなので。自分を見返したいです。そして、試合後に自分で自分を褒めることができる試合をしたいです」
■UFN101対戦カード
<ミドル級/5分5R>
デレック・ブルンソン(米国/8位)
ロバート・ワイッタカー(豪州/7位)
<ミドル級/5分3R>
ダニエル・ケリー(豪州)
クリス・カモージ(米国)
<ライト級/5分3R>
ジェイク・マシューズ(豪州)
アンドリュー・ホルブルック(米国)
<ウェルター級/5分3R>
リチャード・ウォルシュ(豪州)
ジョナサン・メニエ(カナダ)
<フェザー級/5分3R>
ダン・フッカー(ニュージーランド)
ジェイソン・ナイト(米国)
<フライ級/5分3R>
ベン・ウェン(米国)
ジアン・ヘレラ(米国)
<ライト級/5分3R>
ダミアン・ブラウン(豪州)
ジョン・タック(米国)
<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
<女子ストロー級/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
ダニエル・テイラー(米国)
<フライ級/5分3R>
ジネル・ラウサ(フィリピン)
ヤオ・ジークイ(中国)
<ウェルター級/5分3R>
カイル・ノーク(豪州)
オマリ・アクメドフ(ロシア)
<ライトヘビー級/5分3R>
カリル・ラウントリー(米国)
タイソン・ペドロ(豪州)
<バンタム級/5分3R>
マルロン・ヴェラ(エクアドル)
ニン・グォンユ(中国)