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【Invicta FC20】Wクラウンはバンタム級=エヴィンガー、ストロー級=ヒル──王者が有利か

evinger-hill【写真】バンタム級もストロー級もUFCが世界王座を認定している階級ということでも、この2つのクラスは常に激戦区。そのチャンピオンがトーニャ・エヴィンガーとアンジェラ・ヒルだ(C)INVICTA FC

18日(金・現地時間)、ミズーリ州カンザスシティのスコティッシュライト・テンプルでInvicta FC 20「Evinger vs Kunitskaya」が開催される。今大会はイベント名にあるトーニャ・エヴィンガー×ヤナ・クニツカヤの世界女子バンタム級選手権試合と、アンジェラ・ヒルにケイリン・メデイロスが挑む世界女子ストロー級選手権試合の2つの世界戦が組まれている。


バンタム級王者エヴィンガーにとって、今回は2度目の王座防衛戦。これがキャリア24戦目を迎える35歳のベテランと呼んでも過言でない王者は、UFC出場経験がないバンタム級のワールドトップファイターだ。先だって引退は公表した北米女子MMA界のパイオニア=ミーシャ・テイトは30歳。そのミーシャがコーチ役を務めたTUF18のイリミネーションラウンドで、エヴィンガーはテイト最後の対戦相手となったラケル・ペニントンに敗れハウス入りならなかった。

失意のエヴィンガーがTUF18放送終了2週間後にインヴィクタ初陣を戦い、この3年間で6つの白星を積み重ねてきた。そんな彼女の王座に挑戦するクニツカヤは、これがインヴィクタ初陣にして世界挑戦となる。ベースはキックボクシング、軸足を入れ替えた放たれる左右の蹴りはスピード感たっぷりで、パンチの連打から組んで寝技に持ち込む。

攻め重視のアグレッシブなスタイルはハマれば一気にエヴィンガーを倒す可能性を秘めているが、世界王者の強さは懐の深さ。クニツカヤが打撃で前に出ると、真っ向から打撃でやりあうことはないだろう。まずはクリンチで壁に押し込み削る。そして寝技に持ち込むと、エヴィンガーは抜群の安定度を誇っている。一方クニツカヤはグラウンドでも攻めは強いもののスクランブルで背中を安易に預けるなど、防御力では心もとない一面も覗かせている。

一気の勝負なら挑戦者、最初のラッシュを見極めれば王者がペースを握るであろう。そして、もう一つの世界戦もまた王者ヒルが優位に立つことは間違いない。本来であれば日本の魅津希がチャレンジャーになっていてもおかしくなかったこの時期、彼女が大事を取ってヒザの手術を行ったことでその座をメデイロスが射止めたような形だ。

UFCベテランのヒルはキックで16勝無敗の戦績を誇り、テイクダウンディフェンスやヘッドコントロールにも長けている。プロMMA2戦目で出場を果たしたUFCではキャリア不足もあり、いきなりの世界最高峰でポテンシャルを発揮するには至らなかったが、インヴィクタでは3連勝中。しかもキャリア8戦目でインヴィクタ王者となり、その時点で他に3つのベルトを保持していたヘナタ・ソウザを圧倒しての王座戴冠劇で見せたように、いよいよ本領発揮&将来性をケージのなかで見せつけている。

メデイロスとしては荒いペースにヒルを巻き込むことができれば、勝機を見出すことができるだろうが、攻撃の精度と防御力で1枚上のチャンピオンの牙城を切り崩すのは簡単ではないだろう。鮮烈復帰後の魅津希、あるいはアトム級チャンピオンの浜崎朱加が階級を上げて挑むこともあり得なくもないだけに、ストロー級王者ヒルの試合には要注目だ。

■Invicta FC20対戦カード

<Invicta FC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] トーニャ・エヴィンガー(米国)
[挑戦者] ヤナ・クニツカヤ(ロシア)

<Invicta FC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] アンジェラ・ヒル(米国)
[挑戦者] ケイリン・メデイロス(米国)

<女子アトム級/5分3R>
エリカ・チブリシオ(ブラジル)
シモナ・スークポヴァ(チェコ)

<女子ストロー級/5分3R>
アシュリー・ヨーダ(米国)
アンバー・ブラウン(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシー・ローズクラーク(豪州)
パム・ソーレンソン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ステファニー・エガー(スイス)
アレクサ・コナー(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ミランダ・マーヴェリック(米国)
サマンサ・ディアス(米国)

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