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【ONE47】ミャンマーでパシオを迎え撃つ内藤のび太<02>「誰かがタイムマシンを作れば良い」

nobita-naito【写真】こういうことなんだが、やはりMMAの世界王者には見えない内藤のび太。そこが彼の魅力となっている (C)MMAPLANET

7日(金・現地時間)にミャンマーはヤンゴンのトゥウンア・インドアスタジアムで行われるONE47「State of Warriors」でジョシュ・パシオの挑戦を受ける内藤のび太インタビュー第2弾。

5月にONE世界ストロー級王者となったのび太の初防衛戦。ミャンマー、そしてパシオという二重の未知に立ち向かうのび太は不確定要素の大きさと、前回のデェダムロン戦の絶対不利という空気でもない今回のパシオ戦に対し、気持ちの纏めづらさを伺わせる問答が目立った。

「躓く要素は揃っている……」とまで言うのび太──まさに『のび太の代魔境』ばりの様相を呈してきたパシオ戦だ。

<内藤のび太インタビューPart.01はコチラから>


──パシオ陣営、チーム・ラカイが一番チェックするのはやはりデェダムロン戦だと思います。そうすると、組まれないために距離を取って来るということも考えられます。徹底してスプロールに重点に置いて。

「どうなんですかね……、僕と戦うことでどこまで対策を練ってくるのか。まだONEでは2戦目ですし、本当に予想もできなくて。何が起こるか……、またゼロからやるだけですね。

ミャンマーのことも全然分からないですし。ホント、在り来たりな意見なのですが、これまでに日本から出て海外で戦ってきた選手たちの凄さが理解できるようになりました」

──いやぁ、タイとミャンマーでMMAを戦った日本人選手はのび太選手が初めてのはずですからね。

「さっきも言いましたがミャンマーってピンと来ないですし。タイだと、まだタイという国、バンコクのイメージがあるじゃないですか?」

──ハイ、確かに。

「ジメジメしているとか。何よりムエタイっていうピンとくるものが格闘技にはありますし。それがミャンマーは……」

──格闘技ならラウェイですか……。

「ラウェイ自体が謎で、明確じゃないですしね。どういうものなんだって」

──無学ということもありますが、長い間軍事政権下にあった国で、アウン・サン・スーチー女史ぐらいしかミャンマー人で名前が思い浮かぶ人物がいないのが正直なところです。

「そうそう、そうですよね(笑)。ずっと軟禁されていたので、そうなると不安なことしか思い浮かばないですし。でも、どうなるのか……。また、運よく日本の人に出会えたら良いなぁって(笑)」

──前回のタイでは横田一則選手陣営もいて、いくらでも日本人を目に出来る環境でした。でも、心技道場の秋山さんのような方がヤンゴンにいてほしいと期待してしまうのは……。

「完全に拙いですよね(苦笑)。ホントに。でも、多少は日本の方もいるらしいので。何とか……って(笑)。前回は鶴屋さんと弟に加えて、松根さんも来てくれて……ホントに良かったんですけど」

──オッ、修斗時代ののび太キャラが降臨してきたような思い切りの無さですね(笑)。

「そうなんです。考え始めると、もうどうしようもない状況に陥ってしまうので。停電やエアコンが効くのか、そんなところから不安になってしまうのですが、ONEの大会では普通だったとは聞いています……でも、普通っていうのも……。

とにかくご飯が合わないようなので……。タイは良かったんですけどね。その合わないのも、何が合わないのかも分からないですけど……」

──可憐な美女もいてくれますよ。

「ハハハ、結論はそこですか。ご飯は拙くても、女の子は可愛いかもしれない。そこを軸にポジティブにしていくってことですか(笑)」

──対戦相手のパシオが住むフィリピンの方が気候は近いでしょうね。

「まぁ、もう……でも大丈夫なので。今回の僕は背負っているモノがないので、そこは前回よりは楽……というと失礼に当たるのですが、とにかくやるだけやるっていう覚悟ではいます。絶対に勝たないと、戻るところがないとかっていう感じではないので。

別に……結果的に誰かが……凄いことをやれば。結果、誰かがタイムマシンを作れば良いと思っているんです」

──エッ、それはどういうことでしょうか。

「いやいやいや、例え話ですよ。結果的に誰かがタイムマシンを完成させれば良いやって」

──スイマセン、どういう例え話なのでしょうか……。

「アハハハハ。まぁ、タイムマシンってすごい発明じゃないですか。偶然がたくさん重なって、色んな人の積み重ねがあって最終的に完成する」

──……。

「僕がそのキッカケになるかもしれないし……、例え話ですよ。ちょっと分かり辛い。いや、めちゃくちゃ分かり辛いですか?」

──ハイ、正直なところのび太選手が何を言いたいのか、分からないです(苦笑)。

「ちょっと、ちょっと、ちょっとおかしくなってしまって……。緊張しているのかもしれないです」

──……。逆に前回の方がプレッシャーもあって、おかしなことを言う余裕もなかったのか。

「バンコクの試合はプレッシャーが凄かったです。それが良かったのかもしれないですけど。プレッシャーがないほうが動きが悪くなっていたかもしれないですし。それは、今は分からないですが……。今の心境でいえば、プレッシャーは前回の方がありました」

──今回は周囲も、デェダムロンの時とは違い──大丈夫という風な見方をどうしてもしてしまいがちではないですか。

「そうなるのは、怖いですね。躓く要素が揃っちゃってきているんですよね……」

──いえ、そこまでは言っていないですが……。

「まぁまぁまぁ、ここで躓くのは……ハァ、そうですね……躓く感じもありますよねぇ」

──ありますよねぇって……。それは困りますよ。

「ホントはパワー全開で荒い選手に負けるのは、格闘技をやってきた身からすれば嫌なんですけど、何かを起こすのってそういうタイプの選手じゃないですか。

まぁまぁ怖いんですよ。そう、怖いという気持ちは持っておこうと思っているんですが……。やっぱり僕がケージに入った時に、相手のことを侮っていたらヤバイかもしれないですよね」

<この項、続く>

■ONE47対戦カード

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)級選手権試合/5分5R>
[王者] 内藤のび太(日本)
[挑戦者] ジョシュ・パシオ(フィリピン)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
オング・ラ・エヌサン(米国)
ミカル・パスタルナック(ポーランド)

<ヤンゴン・フェザー級T決勝/5分3R>
TBD
TBD

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ムイン・ガフロフ(タジキスタン)
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア)
ジョーダン・ルーカス(豪州)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
バシール・アフマド(パキスタン)
マムード・モハメド(エジプト)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ソウ・バ・ウー(ミャンマー)
カリアー・シン・ピョー(ミャンマー)

<ヤンゴン・フェザー級(※70.3キロ)T準決勝/5分3R>
イェ・ユーアン(中国)
ソー・ヤンパン(ミャンマー)

<ヤンゴン・フェザー級(※70.3キロ)T準決勝/5分3R>
カト・パリ(ミャンマー)
ポー・ドー(ミャンマー)

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