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【Grndslam05】MMAリンカネーション、所×勝村から12年──伊藤盛一郎×内藤頌貴!!

seiichiro-ito【写真】この試合、伊藤の取る強さとともに取られない力、譲らない能力にも注目したい (C)MMAPLANET

11月3日(木・祝)に東京都江東区ディファ有明で開催されるGRANDSLAM05のカード&出場選手が徐々に明らかとなっているので、ここでまとめておきたい。


9月13日にカード第一弾として加藤忠治×鈴木淑徳のライト級2回戦(※延長有り)が発表され、以降は現時点までにフライ級 5分3R=伊藤盛一郎×内藤頌貴、上田厚志×高橋了介戦が決まり、さらにはONEファイターの山田哲也、そして清水俊一の出場も決定している。

なんといっても、注目はZSTフライ級王者の伊藤とプロ修斗バンタム級(※56.2キロ)世界ランカーの内藤の対戦だ。伊藤は元プロ修斗フェザー級チャンピオン勝村周一朗の愛弟子で、内藤は前プロ修斗フライ級(※52.2キロ)世界王者で現ONE世界ストロー級チャンピオン内藤のび太の実弟だ。

名伯楽、チャンピオン・メーカーとなった鶴屋浩の指導の下、プロ修斗一筋のキャリアを積み上げた内藤。このところ2分を挟み6戦負けなしの4連勝中のプロ・シューターだ。

一方、伊藤もZST以外では唯一VTJで戦ったのみという、生粋のZST生まれZST育ちのチャンピオン。かつてZSTはいわゆるパウンド有りのMMAとは一線を画した路線を敷いており、パウンド解禁となった現在もその極めへ拘りは、スクランブル全盛期のMMA界にあってある意味、異質なイメージが残っている。

格闘技の底辺拡大というカラーもあり、その敷居の低さから実力的には他の老舗プロモーションと比較して、一歩後塵を拝するという印象をファンが持つことも抗えない。対して、プロアマ一貫育成の修斗は実力派という伝統を持ち続けている。そんなZSTと修斗の対戦でいえば、忘れられないのが所英男と勝村の一戦だ。まだ、ファイターによるプロモーション間の行き来が現在と違い、稀だった時代。語弊を恐れずにいえば強さの修斗で育った勝村が、楽しさを含んだ格闘おもちゃ箱ZSTに活路を求め出場し、修斗サイドからすればあろうことか所の前に38秒ギロチンで屈し歴史的な敗北を喫した戦いだった。

敗戦後、格闘技を続けることができない──そんな風に精神的にも追い込まれた勝村に再生の場を提供したのはZSTだった。そして、所の盟友となった勝村は5年半後に上田将勝に勝利し修斗の頂点に立った。そんなZSTと修斗を巡るMMAリンカネーションの発端となった所×勝村戦が行われたのが、奇しくも12年前=2004年の11月3日だった。

干支が一回りし、勝村の教え子である伊藤がZST王者という立場で、修斗世界ランカーの内藤と対戦する。この一戦、個人競技のMMAではあるが、ZSTの12年と修斗の12年が問われる戦いという見方が成り立つ。非常に興味深い、負けられない存在証明を掛けた戦いとなる。

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