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【UFN33】水垣偉弥(02) 「上とやらせるしかないって思わせる」

Takeya Mizugaki

【写真】試合内容では圧倒したように見えたエリック・ペレス戦も、スプリット判定に。豪州という土地柄、ジャッジの裁定には怖さが残ると水垣は言う (C)GONGKAKUTOGI

7日(土・現地時間)、UFC Fight Night33「Hunt vs Bigfoot」でナム・ファンと対戦する水垣偉弥インタビュー第2弾。

日本のエースは強心臓の持ち主として知られているが、この試合もまた、バンタム級の上位に食い込むために負けられないプレッシャーを持ち続けている。そんなプレッシャーを感じさせないインタビューの受答えもまた、水垣らしさだ。

<水垣偉弥インタビューPart.01はコチラから>

──しかし、第三者的に見させてもらうとナム・ファン戦は死角がないような気がしています。

「それ、めっちゃプレッシャーになります(笑)。まぁ、自信はありますが……」

──もっとプレッシャーを与えてしまうのですが、ナム・ファンに遅れを取るようでしたら、水垣選手の目指すトップ5との対戦は夢物語になってしまいます。

「その通りですね。だからこそ、そういう立場で戦っていること自体が常にプレッシャーを感じることにはなります。まぁ、良い試合をしようと心掛けるのとは違い、積極的な戦いを心掛けようと思います」

──アレックス・カサレス×ミッチ・ギャグノン戦がメインカードで(※後日、ギャクノンのビザ取得が間に合わず延期が決定)、水垣選手はプレリミ出場なのですね……。

「ハイ……。カサレスがメインカードっていうのは、ちょっとガッカリですが、まぁしょうがないです(苦笑)」

――ここまで結果を残しているのに、『しょうがない』という発言をせざるを得ない状況が多いです。

「ハハハ。まぁ、そうですね」

──そこで世界最高峰UFCで厳しい状況と向き合い続けている水垣選手にお伺いしたいのですが、1月4日のシンガポール大会にキャリア5戦以下のシンガポール人選手やフィリピン人選手が出場することをどのように捉えていますか。

「そこは……、何て言うのか今までとは違うリーグができたって感じですね。アジア・リーグというのか。アジアのMMAがより成長するための場っていうんですかね……」

──同じUFCファイターでも、彼らとは違うという称号というか目に見える格のようなモノを欲しませんか。アジア枠契約、インターナショナル契約というような形でも。

「ちゃんと見てくれている人には分かると思っているので、大丈夫です。というよりも、下は見ないようにしています。下を見ると、プレッシャーに押しつぶされてしまうので自分の目指す上だけを考えるようにしてします。下を見るのはチャンピオンになった時ですね」

──おお、頼もしい言葉です。そのタイトル戦線に関わってくる話ですが、12月14日にユライア・フェイバーとマイケル・マクドナルドが戦います。水垣選手も2014年を見据えると、この辺りがターゲットになってくると思われるのですが、この試合はどのようになると予想していますか。

「興味深い試合ですね。マクドナルドとは試合をしていなくて、ユライアとは戦っているので対等に見られない部分はありますが……。そうですね、打撃はマクドナルドの方が上手いと思います。ただし、そういうものをひっくり返す力をユライアは持っています。一瞬を逃さない選手です。その一瞬でユライアが試合を決めることができるのか、マクドナルドが凌ぐことができるのか。

そこが勝負になると思います。プレッシャーはマクドナルドよりも、ユライアの方があると思います。それとバンタム級自体、スコット・ヨルゲンセンとか、ブラット・ピケットもランカーが階級を落しているので、ここからは本当に大切になってきますね」

─水垣選手がフライ級転向を考えることは?

「落しません!! これ以上、体重を落すのは厳しいです。それに今回はフィジカルを見てもらっているトレーナーが、ガッカリするくらい調子は良いですからね(笑)」

──お腹が弱く、時にはミットまで持ってくれる大宮司岳彦トレーナー(笑)によると、『過去最高。ただし、マラソン・ランナーみたい』とのことですが。

「大丈夫です。持久力の中で瞬発力を出すトレーニングをしっかりと指導してもらっていますから。とにかく、このままの調子でいきたいです。勝負なので何が起こるか分からない。一発貰ってしまうかもしれないですし、油断は絶対にしないで戦います」

──ブリスベンは夏ですね。

「夏から冬の場所にいくより、冬から夏の場所に行く方が楽です。そんなに気にしない方ですし」

──そんなオーストラリアでのナム・ファン戦、KOとか一本ということではなく、日本のエースとして力の差を見せつけるような試合を期待しています。

「そうですね。もう、水垣には上のランカーとやらせるしかないってUFCに思われるような戦いをしたいです。応援よろしくお願いします」

■ UFN33「Hunt vs Bigfoot」対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
マーク・ハント(ニュージーランド)
アントニオ・ペイザォン・シウバ(ブラジル/4位)

<ライトヘビー級/5分3R>
マウリシオ・ショーグン(ブラジル/9位)
ジェイムズ・テフナ(豪州)

<ライトヘビー級/5分3R>
ライアン・ベイダー(米国)
アンソニー・ペロシュ(豪州)

<ヘビー級/5分3R>
パット・バリー(米国)
ソア・パラレイ(豪州)

<ミドル級/5分3R>
ディラン・アンドリュース(ニュージーランド)
クリントン・ヘスター(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ジュリー・ケッジー(米国)
ベチ・コヘイア(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
水垣偉弥(日本/10位)
ナム・ファン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ニック・リング(カナダ)
カイオ・マガリャエス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
リッチー・ヴァスリック(豪州)
ジャスティン・スコッギンス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・サントス(ブラジル)
クシシュトフ・ヨッコ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ベン・ウォール(豪州)
アレックス・ガルシア(カナダ)

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