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【UFC203】崖っぷちのカリスマ=ユライア・ファイバー、ジミー・リベラ戦で正念場迎える

rivera-vs-urijah【写真】時代の流れに抗うことはできるか、ユライアが正念場のリベラ戦を迎える (C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)にオハイオ州クリーブランドのクイックオンローンズ・アリーナで開催されるUFC203「Miocic vs Overeem」。メインはUFC世界ヘビー級選手権試合=ステイプ・ミオシッチ×アリスター・オーフレイム、セミがファブシリオ・ヴェウドゥム×トラヴィス・ブラウンというヘビー級の祭典にあって、バンタム級のユライア・フェイバー×ジミー・リベラに注目したい。


米国MMA界軽量級のパイオニアも、UFC王座には無縁。暫定王座も含め4度のタイトル挑戦権が与えられ、その全てで敗れた。とはいっても世界戦以外でオクタゴンで喫した敗北はフェザー級契約で戦ったフランキー・エドガー戦のみ。ゆえに高いカリスマ性と人気をユライアは維持している。

ただし、最近のカリスマはチーム・アルファメールを離脱したTJ・ディラショーやライバル=ドミニク・クルーズに対するトラッシュトークがどこか的外れ感があり、同様にオクタゴン内でもフランシスコ・リベラ戦、アレックス・カサレス戦などチャンピオンシップ以外も動きの衰えを感じずにいられなくなっている。

レスリングベースにムエタイを取り入れ、とにかくアグレッシブかつフィジカル全面のテイクダウン&パウンドからフィニッシュという流れが持ち味のユライアだが、そのスタンドでの打撃戦が以前のように勢いがなくなっている。粗さのなかで、相手の意識を打撃に集中させてテイクダウンを奪っていたのだが、彼の打撃に呑まれる対戦相手が少なくなってきた。

そんなユライアにとって、このリベラ戦はトップ戦線に踏みとどまることができるかどうか、非常に大切な一戦となってくる。東部の名門カラテ道場ネットワークから時代の流れとともにキックボクシング、MMAでハイクオリティなファイターを輩出してきたタイガー・シュルマン門下生は、UFCと契約するまで長い時を必要とした。

8年前にティーンエイジャーでプロMMAデビューを果たし、ROCからBellatorのプレリミ戦へ。その後、KOTCではフライ級(※62.1キロ)で王座を獲得もTUFシーズン14のエントリーマッチでデニス・ベルムデスに敗れ、ホーム入りはならなかった。リベラはローカルシーンに戻ることを余儀なくされたが、ROCでバンタム級王者になり、再びBellatorのプレリミを経てWSOFへ。この時はバンタム級の有力コンテンダーと目されていたものの、UFCへの夢を捨てきれず東部に舞い戻り、ニュージャージーのローカルショー=CFFCでバンタム級のベルトを巻いた。

この間のMMA戦績は実に16勝1敗(※ベルムデス戦は非公式戦)。そして2015年7月に代役出場でUFCとの契約にこぎつけ、以来3連勝で通算レコードは19勝1敗まで伸びている。ペドロ・ムニョス、ユーリ・アルカンタラというブラジルの猛者とのタフマッチを制し、今回のビッグファイトを迎えることとなった。

オーバーハンドのパンチが多いMMAにあって、しっかりと左足を相手の懐まで踏み込み、コンパクトな右を体ごと打ち込むのがリベラ、最大の特徴だ。体重とスピードに乗ったパンチは、オーバーハンドの権化=ユライアとはまさに対照的。ユライアはオーバーハンド特有の相手の足下に視線を落としたパンチで、そのままダブルレッグ&大内というテイクダウンに持ち込むことができる。

一方のリベラは踏み込みとパンチのインパクトが同じタイミングというレスラーには非常に稀なリズムで打撃を当てて、テイクダウンに持ち込むことができる。ユライアがこのリベラのリズムに戸惑うようなことがあれば、いよいよカリスマの居場所はオクタゴンの中で見つけ辛くなるだろう。

■UFC203対戦カード

<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] スタイプ・ミオシッチ(クロアチア)
[挑戦者] アリスター・オーフレイム(オランダ/3位)

<ヘビー級/5分3R>
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/1位)
トラヴィス・ブラウン(米国/7位)

<ウェルター級/5分3R>
CMパンク(米国)
ミッキー・ガウ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ユライア・フェイバー(米国/2位)
ジミー・リベラ(米国/13位)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル/6位)
ジョアン・カルダーウッド(英国/7位)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカ・アイ(米国/10位)
ベチ・コヘイア(ブラジル/11位)

<ライト級/5分3R>
ニック・レンツ(米国)
マイケル・マクブライド(米国)

<ミドル級/5分3R>
カイオ・マガリャエス(ブラジル)
ブラッド・タヴァレス(米国)

<フライ級/5分3R>
イアン・マッコール(米国/5位)
レイ・ボーグ(米国/14位)

<ウェルター級/5分3R>
ヤンシー・メデイロス(米国)
ショーン・スペンサー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
CB・ダラウェイ(米国)
フランシマール・バローゾ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドバー(米国)
ジェイソン・ゴンザレス(米国)

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