【OFC12】世界戦消滅、対戦相手変更に鈴木信達 「複雑…」
【写真】今までのスタイルで勝ったフィル・バローニ戦 (C)MMAPLANET
15日(金・現地時間)、マレーシア・クアラルンプールのスタジアム・プトラで開催されるONE FC12「Warrior Spirit」でアダム・カユーンとOFC世界ウェルター級のベルトを賭けて戦う予定だった鈴木信達だが、対戦相手のカユーンが負傷欠場。急遽、ノンタイトルでヴィトー・ピントと対戦することとなった。
世界戦がなくなり、代役とのノンタイトル戦という事態を前にして、鈴木の心境は。本人にその胸の内を訊いた。
Text by Takumi Nakamura
――カユーンの負傷欠場はどのタイミングで鈴木選手の耳に入っていたのですか。
「一昨日ですね(※取材は11月7日)。どんな怪我かは分からなかったのですが、負傷欠場することになったと聞かされました。それで代わりにポルトガルの選手になる、と」
――試合直前の世界戦消滅で試合をキャンセルする選択肢もあったと思うのですが。
「試合間隔を空けたくないというのが一番ですね。まあ前回いい勝ち方が出来たし、自分でも色々と試したいことがあります……。まぁ、でも世界戦が流れて、代わりの相手と対戦して負けちゃうようなことになれば(世界戦が)遠のくじゃないですか。だから複雑と言えば複雑ですよ(苦笑)」
――それが正直な意見だと思います。ただデビュー以降、年1~2試合ペースで、あまり試合をしないイメージのあった鈴木選手から「試合間隔を空けたくない」という言葉があったのには驚きました。
「そこは年齢的なことです。やっぱり時間が経てば経つほど自分の劣化が分かるので、なるべく体が動くうちに試合をしていきたい。これからはコンスタントに試合をしたいし、試合後も休む時間を短くして練習を継続しています」
――では練習量も増えていますか。
「もともと自分は試合の有無に関係なく練習をするタイプなんですよ。だからより詰めて練習しているイメージです」
――前回のフィル・バローニ戦以降、何か新たに取り組んでいること、もしくは練習していることはありますか。
「全くないですね(笑)。というのも去年(中村)K太郎さんに負けて、何かを変えなきゃいけないと悩んだ時期があったんです。あの試合は自分がやりたかったことを何も出来ないままやられてしまって、やってきた練習が正しかったどうかを判断するには短すぎました。
でも、バローニ戦を迎えるにあたって、今まで自分がやってきた練習、スタイルでいこうと決めて戦ったら、あの結果になったんです。だったらもう自分はこのまま行こう、と」
――ある意味、戦い方を割り切ったわけですね。逆にそれでクリアになったこともあるんですか。
「ありますね。K太郎さんに負けた試合は蹴りをキャッチされてテイクダウンされたので、自分の蹴り技は一流の選手には通用しないと感じて、しばらく蹴りを封印して練習していたんですよ。要は蹴りのメリットよりも、蹴りをキャッチされるデメリットやリスクを考えた戦い方です。でもリスクを恐れて自分の長所である蹴りを使わずに格上の相手に勝とうという考え方がそもそも甘い。
それで蹴りも解禁して戦ったのがバローニ戦です。次の相手は組み技系の選手と聞いていますが、だからといって蹴りを封印することはないし、リスクを犯してもいいから自分の長所をぶつけるつもりです」
――空手ベースの自分の戦い方でどこまでMMAで勝っていけるかという考えですね。
「自分の場合、他の選手と比べて競技生活や練習時間が長いわけではありません。またこういう言い方をすると総合格闘家の方たちに失礼かもしれませんが、僕は空手家です。だから空手の技で総合でも勝ちたいと思っています」
――次の試合をクリアすることが前提ですが、やはり鈴木選手としては早いタイミングで延期されてしまった世界戦を組んでもらいたいですよね。
「それはもう……すぐ組んで欲しいです。自分は日々の生活の中に格闘技が組み込まれていればいいタイプで、そこまでプロの格闘家としてモチベーションが高いわけではないです。でもタイトルやベルトという形に残る試合が組まれてモチベーションは上がりましたし、獲りたいという想いは強くなっていました。そのチャンスがこのタイミングで消滅するというのは衝撃的だったので(苦笑)、しっかり勝ってタイトル戦をアピールしたいです」
■OFC12「Warrior Spirit」対戦カード
<ウェルター級/5分3R>
鈴木信達(日本)
ヴィトー・ピント(ポルトガル)
<フライ級/5分3R>
アドリアーノ・モラエス(ブラジル)
ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア)
<ミドル級/5分3R>
ブライアン・ラフィク(フランス)
レナンドロ・アタイジ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
クリス・コクテフ(豪州)
トニー・ジョンソン(米国)
<ライト級/5分3R>
アラー・マゾロウム(エジプト)
ピーター・デイビス(マレーシア)
<フライ級/5分3R>
ジアーニ・スッバ(マレーシア)
ヤン・ティンチェン(マレーシア)
<フライ級/5分3R>
トク・ソフォン(カンボジア)
サイフル・メリカン(マレーシア)
<OFCマレーシア・フェザー級王座決定戦/5分3R>
AJ・マンスール(マレーシア)
メルヴィン・ヨー(マレーシア)
<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・ダー(米国)
サミール・ムラベット(ベルギー)
<ウェルター級/5分3R>
ズリ・シラアワント(インドネシア)
ニキ・ハリス(マレーシア)
<バンタム級/5分3R>
ケイシー・シュール(米国)
レイモンド・タン(マレーシア)