【UFC202】マクレガーがネイトにリベンジ。互いに3度目を口にする
<ウェルター級/5分5R>
コナー・マクレガー(アイルランド/※フェザー級王者)
Def.2-0:48-47.48-47.47-47
ネイト・ディアス(米国/※ライト級4位)
前回と同じくタッチグローブの素振も見せなかった両者。サウスポー同士の構えからマクレガーが左ローを2発見せる。ケージ際で回るネイトが右ボディストレート。マクレガーが素早い左ローから、両者のパンチが交錯する。ネイトは蹴りを交えて右ボディ、左右のローからサイドキックまで繰り出すが、マクレガーが右ボディから左ストレートを打ち込む。
続く左ストレートで後方に倒れたネイトに対し、スタンドでマクレガーが待ち受ける。ボディ打ちを繰り返すネイトだが、マクレガーも右ボディフックから左につなげる。勢いのあるパンチはマクレガー、右から左ストレートを逃しローを蹴り込む。ローとワンツーでリズムを掴んだマクレガーは、またも右ボディフックを打ち込む。ネイトの攻撃が届くのは右ボディが中心で、顔面へのクリーンヒットは少ない。
それでも右ジャブを放つネイト、さらに右のオーバーフックを被せようとするが、ローでバランスを乱す。右ジャブを届かせたものの、左ミドルで前足を蹴られ続けたネイトは、終盤に左のクロスからパンチを纏められ初回を落とした。
2R、「攻め急ぐことない」という指示を受けたマクレガーはここも左ローから攻撃に入る。カットを見せるネイトだが、左フックを受けて2度目のダウン。ここも寝技にいかなかったマクレガーが左ストレート、動きの止まったネイトに再度パンチを入れる。引き込んだネイトだが、当然立ち上がるしかない。
ネイトの左から右をバックステップでかわし、右ジャブと左ローを入れたマクレガーが右ジャブから左を狙う。ネイトが右ジャブを返すと、マクレガーは右ボディから左、そして右フックをヒットさせる。ネイトの右ローにマクレガーは笑みを浮かべて、左クロス。ここからスピードをあげてワンツー、右ストレート、左フックを打ち込む。
左ローを2発受けて前に出ていくネイト、とマクレガーの動きが一気に落ちて右フックを被弾する。ジャブを伸ばすが、切れがなくなったマクレガー。左ボディも威力が感じられない。と、ネイトが右を入れてショートの連打。ダーディボクシングからボディ、マクレガーもヒザ蹴りが返したが、このいきなりの失速は何が起こったのか。
アッパー、そしてボディを入れたネイトがポイントは失ったからもしれないが、完全に持ち直し流れを変えた。
3R、力を入れて左を蹴り、左エルボーから右の縦ヒジを見せたマクレガー。ネイトは右ジャブを伸ばし、間合いを外してきたマクレガーとの距離を詰める。組み付かれたマクレガーは、一度は体を入れ替えるも、ネイトがすぐに押し返してワキの差し合いへ。
離れたマクレガーが左をヒット、ネイトは右を返す。右ボディを見せてから、また離れたマクレガーが後ろ回し蹴り。蹴り足をキャッチしたネイトがケージにマクレガーを押し込む。ダブルレッグは防いだマクレガー、左エルボーを打ち込んで態勢を入れ替える。
ネイトは右を差し上げて、押し込み返すとボディを連打。離れたマクレガーは、足元がふらつく。ローを蹴って離れ、息をつくマクレガーにネイトは右フック、そして右ハイを入れる。左から右、そして左を打ち込んだネイトはケージにマクレガーをつめてボディ、そして顔面に連打していく。
離れられないマクレガーにボディ、右ヒザ、左フック、そして左右のフックを打ち込んだネイトがラウンドを完全に取った。
4R、「左フックをいつも意識しろ」というジョン・カナヴァンのアドバイスに大きく頷くマクレガーが、右からその左フックを入れる。さらに左フックのカウンターを狙うマクレガーに対し、ネイトは右ジャブ&右ボディストレート。また間合いを外すマクレガーは、左アッパーを被弾し、右ストレートを返し左前蹴りを2発蹴っていく。
ラウンド終盤が勝負時とみているのか、それとも疲れたのかネイトの動きが悪い。左アッパーから右を打ち込んだマクレガーに対し、ネイトは組んでボディロックからテイクダウンを狙う。これを耐えたマクレガーだが、ボディにヒザを受け、ボディを連打される。左エルボーを返したマクレガーを離さないネイトがヒザ蹴り。
体を入れ替えたマクレガーがワンツー、ネイトは左を打ち込み、右につなげる。今度はネイトが間合いを外すようになり、マクレガーがボディを2発。ネイトのパンチを足使ってよけ、右ストレート&左を打ち下ろす。最後に右ハイを狙い、バランスを崩したネイト。このラウンドはマクレガーが持ち直した。
最終回、マクレガーの左ロー、ネイトの右ジャブが同時に放たれる。間合いを外したマクレガーは、パンチを受けながら飛びヒザもネイトが組みついていく。得意の払い腰を仕掛けられず離れたネイト、マクレガーも左右に回り距離を測る。ダーティーボクシングの攻防からネイトがダブルレッグへ。これもこらえたマクレガーだが、右フックを被弾する。
離れたマクレガー、ネイトも歩いて追いかける。マクレガーは右ショート2発から右ボディ、ネイトは右を入れて首相撲、話してボディに連打。さらに右エルボーを顔面に入れる。細かいパンチをケージに押し込まれた状態で受け、ヒザを被弾しながらテイクダウンだけは許さないマクレガー。
ネイトはボディ、左フックを連打しクリンチを続ける。ネイトの右エルボーは空振りに、マクレガーは体を入れ代えると、足を払っていく。手をついて立ち上がったネイトが、支え釣り込み足でテイクダウンに成功する。そのままトップからパウンドを落としたところでタイムアップに。
1Rと4Rはマクレガー、3Rと5Rはネイト。2Rのネイトのダウンと終盤のラッシュをどのようにジャッジが判断するか。と、ジャッジは48-47が2人、47-47が1人──マクレガーがリベンジに成功した。
「驚いたか? マザーファッカー、キングが戻って来たんだ。3Rは落としたけど、落ち着いて肩を振って戦った。次のラウンドがあるし、前回の試合から学んだんだ。3度目も構わない。でも、俺はウェルター級で大きな相手と戦った。次はライト級でやるぞ」とマクレガー。対して、ネイトは「勝ったと思ったけど、こういうのがこのスポーツのフ○ックなところだ。言い訳はしたくないが、ケガをしてそれほど練習できなかった。俺は2度目の試合を受けたんだから、3度目を戦いたい。コナーは良い試合をした。でも、3度目だ」と捲し立てた。