この星の格闘技を追いかける

【ADCC2013】エスティマ×ガウバォン&マスター対決の結果は…

19-20日(金~土・現地時間)、中国の北京でアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション選手権が開催された。トーナメント戦が主体アブダビコンバットだが、スーパーファイト王者と前回大会の無差別級王者とのワンマッチも行われている。

今大会ではスーパーファイト王者ブラウリオ・エスティマと、前回の無差別級優勝アンドレ・ガウバォンの開いたで、雌雄を決することとなった。さらに前回大会から始まったマスターファイトでは、第1回大会の無差別級王者マリオ・スペーヒーとファビオ・グージェウという2人のレジェンドが対戦した。

<スーパーファイト>
アンドレ・ガウバォン
Def.by RNC
ブラウリオ・エスティマ

ジャカレイを倒してスーパーファイト王者となったエスティマに、前回の階級別、無差別級を制したアトスの盟主ガウバォンが挑んだ一戦。2 人は09年大会、今年の世界柔術で顔を合わせており、どちらもエスティマが勝利している。

試合は予想通り、積極的にテイクダウンを仕掛けるガウバォンが上を取り、エスティマが得意のガードで対抗する形で進んでいった。13分ほど経過した頃、下から回転したエスティマはインバーテッド(逆)・ガードの状態でガウバォンの胴体を両足でロックする。そこからエスティマはアンクルを狙い、さらにヒールに移行するが逃げられる。次はガウバォンが上からダイブし、エスティマとマットの間に体を入り込ませるようにバックを狙うが、これも不発。

16分経過時、ガウバォンは前傾姿勢から左右に激しく動いてパスに。必死で足をガウバォンの腰にかけようとするエスティマだが、ガウバォンはエスティマの首を抱えつつ、自らの頭を低くエスティマの上体に付けて抑えてそれを許さず、上四方まで回りこむ。 ポイントを許すまいとうつ伏せになったエスティマのバックにガウバォンは飛びついてシングルバックの体勢に。

エスティマは腰を上げ、同時に頭を下げて前に落とそうとするが、強力なバックコントロールを誇るガウヴァオンは背中について離れない。やがてエスティマの体勢は潰れてしまう。そのままガウバォンがチョークを仕掛けると、エスティマはついにタップ。今年もパンナム&世界柔術両大会で階級別と無差別に出場し、さらにメタモリスでも戦うなど精力的に試合を重ねてきたガウバォン。エスティマに雪辱し、スーパーファイト王者の座についたこの試合は、2013年度の彼の激闘の集大成となった。

<マスター・スーパーファイト>
マリオ・スペーヒー
Def. by レフェリー判定
ファビオ・グージェウ

前回大会でヘンゾ・グレイシーを倒したスペーヒーと、アリアンシの最高指導者グージェウの一戦。今のように柔術の教則映像が巷に溢れてはいなかった十数年前、グージェウの「グレイテスト柔術テクニック」教則でオープンガードからのスイープを学び、スペーヒーの「マスターシリーズ」教則でパスガードを研究した者も少なくないはず。

いわばこの2人は、長期に渡り柔術を続けてきた世界中の柔術愛好家にとって師匠ともいえる存在だ。そんな2人の試合は、スタンドでの圧力で勝るスペーヒーが上からパスを仕掛け、グージェウは下から対抗するという、両者が得意分野をぶつけ合う展開に。スタンドでグージェウの頭を抱えてがぶるようにしてグラウンドに持ち込んだマリオは、胸を合わせ両腕で相手の上半身をがっちり固めて足抜きでのパスを狙ってゆく。1999年に行われたエンセン井上とのADCC初スーパーファイトでもしきりに見せた動きだ。結局、スタンドでもグラウンドでも圧力をかけ続けたスペーヒーがレフェリー判定勝利。ADCC第1回から続く無敗伝説は今年も崩れなかった。

PR
PR

関連記事

Movie