【ADCC2013】88kg級。優勝はホミーニョ、コーネリアスに期待
19-20日(金~土・現地時間)、中国の北京でアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション選手権が開催された。88キロ以下級では前大会優勝のアンドレ・ガウバォンがスーパーファイトに。ジャカレ・ソウザ、デミアン・マイアもMMAに専念し、本命不明のなかホミーニョことホムロ・バハルが制し、こちらも初優勝を飾った。
【88キロ以下級】
優勝 ホムロ・バハル(ブラジル)
準優勝 ラファエル・ロバト・ジュニア(米国)
3位 キーナン・コーネリアス(米国)
前回優勝のアンドレ・ガウバォンがスーパーファイト出場のために欠場。本命不在ともいえるこの階級は、ホムロ・バハルとラファエル・ロバト・ジュニアという2人の柔術世界王者と、09年大会77キロ以下級で優勝しているパウロ・ポポビッチが順当に準決勝進出。バハルはUFCファイターのキム・ドンヒョンを足関節で、ロバトは日本の安西信昌相手に跳びつき三角絞めで完勝している。
この3人のレジェンドに混ざってベスト4に食い込んだのは、米国柔術界若手の代表株キーナン・コーネリアスだった。得意の下からの仕掛けが冴え渡ったキーナンは1回戦、オモプラッタの名手クラーク・グレイシーからバックを奪って勝利している。
<準決勝>
ラファエル・ロバト・ジュニア
Def. マイナス1P
パウロ・ポポビッチ
上からパスを狙うポポビッチと、得意のシッティングガードから仕掛けるロバトによる一進一退の攻防が繰り広げられたこの試合だったが、途中でポポビッチは足を負傷してしまう。結果、ポイントでロバトが決勝進出を決めた。この試合は戦い抜いたポポビッチだったが、3位決定戦を欠場に追い込まれている
<準決勝>
ホムロ・バハル
Def. マイナス1P
キーナン・コーネリアス
引き込んだキーナンが積極的に仕掛ける展開が続く。ポイントが付かない時間帯から、下からホミーニョの片足を取って立ち上がってテイクダウンを奪い、またバタフライガードからスイープをきめてホミーニョの背後に付いて見せたキーナン。ポイントが付く時間帯になっても、マイナスポイントを献上してでも下から攻めることを選択。今成正和の如く飛び込みながらのスイープ狙い、タックル、下からのたぐり、内外に回るベリンボロ等さまざまな技を仕掛けてゆく。
対するバハルは、ポイントすら奪われなければ勝ちが転がり込むことを意識してか、ひたすらディフェンスとエスケープに徹し、キーナンのスイープをがぶっては、下から煽られると足を引き抜いて下がって逃げる。結局、そのままタイムアップまで守り切ったバハルの勝利が決定した。この試合は、66キロ以下級3位決定戦のミヤオ×レイダー戦とならび、「上から逃げ続けた者が、下から攻め続けた者に勝ってしまう」ADCCルールの問題点を浮かび上がらせるものとなった。
<決勝戦>
ホムロ・バハル
Def. 3-0
ラファエル・ロバト・ジュニア
バハルは準決勝と同じく、ディフェンシブな戦いを展開。延長戦に入ると、ロバトのタックルをがぶったバハルは、ロバトの背後に付くことに成功。そこから強烈なチョーク狙いを仕掛け、ロバトの上半身を伸ばして両足フックを完成。決定的なポイントをあげて勝負を決めた。
調子の良いときと悪いときの差が激しく、伏兵に足を掬われることも少なくなかったホミーニョことバハル。ギあり柔術におけるスパイダーガードの名手は、それを使えないノーギにおいて今回粘り強さと勝負強さを見せつけ、嬉しい初優勝を果たした。同時にそのバハル相手に、互角以上の攻防を繰り広げたキーナン・コーネリアスの可能性も光った88キロ以下級トーナメントだった。