【JBJJF】シュレック関根が全日本出場。「シードにしないで強い選手を最初からどんどん当ててほしい」
【写真】シュレックがいよいよ全日本制覇に乗り出した。台風の目以上ではない (C)TUSBASA ITO
24日(日)、東京都練馬区光が丘ドームにおいて第17回全日本ブラジリアン柔術選手権&第10回全日本ブラジリアンキッズ選手権が開催される。日本各地からトップ選手が続々とエントリーし、早々に受付が締め切られることとなった全日本選手権。初参戦で台風の目となりそうな関根“シュレック”秀樹の意気込みを聞いた。
Text by Takao Matsui
「これまで最大の目標をワールドプロやアブダビコンバットにおいていたことと、仕事のスケジュールが合わなかったために全日本選手権は出られませんでした」
怒涛の快進撃を続けている関根“シュレック”秀樹は、初の全日本選手権出場についてそう答えた。全日本に重きをおいていなかったのは、ワールドプロというIBJJF系とは違う世界への挑戦が視野にあったことを隠さない彼だが、戦い方そのものに関しても心境に変化が生じてきたようだ。
「これまでのスタイルはムービング重視で、極めにいくのは最後にしていました。ガード重視で受けの柔術ですね。いきなり極めにいくのは嫌がられるかもしれないし、相手があってこそ試合が成立するので、そうした背景も実際にはありました」
関根の階級は、ウルトラヘビー級のため対戦相手が少ないことも影響しているのだろう。ケガをさせてはいけない一方で、手加減もできない。立ち技が得意な選手にあえて立ち技で勝負してきた理由は、自らにハンデをつけていただけなのかもしれない。しかし、そうしたスタイルを変える転機が訪れた。
「アブダビ・ワールドプロではヒザの靱帯を切ったまま戦っていたこともあったんですが、階級別も無差別もレフェリー判定で負けました。何もされなかったけど、何もできなかったんです。その大会の時に指からバイ菌が入り、手術して短くなってしまいました。半年間、柔術を休んでいる時に、以前のように戦えるのか不安になりました。そして、このまま終わりたくないと思ったんです。これまでのスタイルではなく、一本を取りにいくスタイルをやろうと決意しました」
3月に復帰した関根は、ポジションを重視したスタイルから一本を取りにいくスタイルに変えても、これまで通り勝利を量産することとなる。パワーはもちろんのこと、スピードもヘビー級とは思えないほど俊敏でいて、確かな技術も持っている関根だからこそできる戦い方だ。まさに檻から解放された怪物のような暴れっぷりでもある。その関根は全日本へ向けても、不敵にこう言ってのけた。
「関係者には、オープンで自分をシードにしないで強い選手を最初からどんどん当ててほしいと伝えました。細川(顕)選手と最初から組んでもらってもいいですよ。そのほうが互いに消耗しないで全力で戦えるし、見ている人もその方が面白いと思うんですよね。細川選手も、きっとそう思っているんじゃないですかね」
まさか……。関根と初戦から戦いたいと張り切っている選手は、誰もいないことだろう。
「そうですかね。せっかくエントリー料を払って出ているんですから、1試合でも多く強い選手と戦ったほうがいいじゃないですか。たくさん戦えば、結果的に優勝することになるんですけどね」
目覚めた怪物は、そう言って高笑いした。