【UFC166】死力尽くした挑戦者、ヴェラスケスの総合力に屈す
<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
ケイン・ヴェラスケス(米国/王者)
Def.5R3分09秒 by TKO
ジュニオール・ドスサントス(ブラジル/1位)
右から左フックを大きく振るったドスサントス、これが空振りになりヴェラスケスが組んでギロチンへ。一旦離れるが、すぐに距離が近づきドスサントスがアッパーを入れる。パンチの応酬からテイクダウンを仕掛けたヴェラスケス、距離を取り直すと互いにパンチをヒットさせる。再び組んでドスサントスをケージに詰めたヴェラスケスは、もう一度距離ができるとドスサントスがハイを狙う。ここでもケージにドスサントスを押し込み、ヴェラスケスがテイクダウンへ。
ドスサントスは背中をつけてハーフガード。頭を押すが立ち上がることはできない。ヴェラスケスは右エルボーを落とし、パスからバックマウントへ。続いてがぶりから、再びダブルレッグ、シングルに移行してテイクダウンを執拗に狙う。残り1分、押し込み倒し、ドスサントスを削ってきたヴェラスケスが組んだ状態でパンチ、ヒザを入れる。ヒザを続けるヴェラスケス、ドスサントスの後回し蹴りは空振りになり、初回が終了した。
2R、左ジャブから前に出て、右ストレート、ヒザを打ち込んだヴェラスケス。ドスサントスの蹴り足を掴み、尻餅をつかせる。ドスサントスの左ジャブはヴェラスケスの前進を止められず、ケージに押し込まれる展開が続く。2度のワンツーをノーガードでかわそうとしたドスサントスだが、すぐに組まれてケージに押し込まれる。押し返したドスサントス、ステップを踏んで右に移動するも、ヴェラスケスの右を受けて組みつかれる。ケージを背にし、ヒザを受けたドスサントス。
次に距離が出来た直後にも、ヴェラスケスは組みついてドスサントスを押し込む。払い腰から腹這いになったヴェラスケスの背中を越して立ち上がったドスサントスだが、すぐに組みつかれて元の木阿弥に。離れては組みつくという展開を見せる王者、ドスサントスがケージを背にする展開が続いた。3R、下がって間合いを作りたいドスサントスをシングルでホールドしてケージに押し込むヴェラスケスは、離れ際にパンチを入れて即組みついていく。
パンチと左右の組み、時には足を取られ、ドスサントスが局面を打開できない。2分が警戒しようやく距離を取ったドスサントスだが、ここでも打撃で優位に立てないまま組まれる。すぐに距離をとるドスサントスだが、すぐに組みつかれてケージに。疲れが目立つドスサントス、続いて距離を取るが右を受けてダウン。パンチの連打から、組んでケージに押し込むヴェラスケスは、右ハイへ。これは空振りに終わるが、再びケージに押し込み細かいパンチをいれ、休む間をドスサントスに与えない。
頭から突っ込み、ドスサントスをケージに押し込むヴェラスケスは、離れ際にワンツーから右ストレートを打ち込む。残り20秒、パンチを打ちこんでからケージに詰めたヴェラスケスが、完全に流れに乗った。4R、開始直後に右を打ち込んで組みついたヴェラスケス。左から右、左右の連打を受けるドスサントス。ヴェラスケスはここでもケージに押し込み、揺さぶり続ける。自らも休みながら、相手には一切休む時間を与えないヴェラスケスは、ワンツーを打ち込んで、ダブルから押し込む。
ケージを背にして攻撃を受け続ける挑戦者、間合いができても左フックを空振り、逆に左を受けて組みつかれる。ドスサントスはエルボーを打って離れたが、直後にケージに押し付けられる。右を返して距離を取ったドスサントス、ヴェラスケスは左ジャブ。挑戦者が素早いパンチを繰り出すと、即クリンチに。頭を突き放してエルボーを入れると、ヴェラスケスの額をカットする。ドスサントスは右目尻を大きくカットし、流血に見舞われておりドクターチェックが入る。
もちろんここでもストップはなく、試合は再開。ドスサントスは大きな右から左ジャブを放つも、すぐにヴェラスケスの右を受けて組みつかれる。エルボー2つからジャブを伸ばすとチャレンジャーだが、目に入る血が気になるようだ。と、左を受けてケージに詰まったドスサントスは、左フックから右を受け、ヒザを返すとここで4Rが終了する。
最終回、パンチを入れてから、ドスサントスの右を誘いテイクダウンに成功したヴェラスケス。立ち上がり際にバックにつくが、すぐに正面から押しこんでいく。右脇を差されたドスサントスは、ヴェラスケスの細かい右のパンチを受け続ける。エルボー以外、攻撃手段がなくなり、ケージに釘付けにされるドスサントス。そのケージ際で右を受けて、組みつかれるとノーアーム・ギロチンへ。ホールドされた首を軸に、巻き込むようにグラウンドへ移行して、首を引抜いたヴェラスケス。同時に頭をマットに打ち付けたドスサントスが、正座状態になるとヴェラスケスが、そのがら空きの顔面にパンチを入れる。頭からつっ伏したドスサントスを見て、ついにレフェリーが試合をストップした。
削られ、パンチを被弾し続けたドスサントス。終わってみれば、耐え忍ぶ折れない心は見せたが、打ち合いのなかでしか勝機を見つけられない完敗であった。