【ADCC2013】神童引退後、クロンが77キロ未満級の優勝候補
【写真】マルセリーニョが引退した77キロ未満級で、2003年ブラジル大会のホジャー以来、グレイシーの優勝が見られるが、クロン・グレイシー (C) DAVE MANDEL
19-20日(金-土・現地時間)、中国・北京でアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション選手権が行われる。2年に一度、世界最高峰の組業師たちを集めて行われる通称アブダビコンバット。今年もグラップラーの祭典と呼ぶに相応しい強豪たちが集まった。まずは軽量ニ階級の見所をお届けしよう。
【65.9キロ以下級】
優勝候補筆頭は前回、前々回大会と優勝しているハファことハファエル・メンデス(ブラジル)。50/50ガード、ベリンボロ等の新技で柔術界に新風を巻き起こし、ギ、ノーギどちらにおいても世界最高峰に君臨する選手だ。昨年から兄のギリャルメ・メンデスとともにカリフォルニア州のコスタメサにアート・オブ・柔術アカデミーを開設、指導の方にも力を入れざるを得ない状態だけに、いつもの圧倒的な強さを発揮できるかどうか、注目だ。
このハファに前々回、前回と敗れているのが、ハファ登場以前は柔術界に敵なしの存在だったコブリーニャことフーベン・シャーレス(ブラジル)。ハファとは常に僅差の好勝負を展開する宿命のライバルだが、09年の今大会で敗れて以来、ギあり、ノーギを合わせて実に7連敗。相性が悪いという印象は否めない。
むしろ打倒ハファの一番手として期待したいのは、タンキーニョことアウグスト・メンデス(ブラジル)だ。11年のワールドカップ、今年の世界柔術でハファのベリンボロを防いで優勝している。道着ありの柔術において、タインキーニョは現在唯一ハファを倒す方法を知っている選手と呼んでも過言ではないタンキーニョ。ノーギのADCCにおいて、いかにハファに立ち向かうか注目だ。
その他の注目選手としては、ミヤオ兄弟の弟ジョアオ・ミヤオ(ブラジル)、常連バレット・ヨシダ(アメリカ)らが挙げられる。また日本からは、前修斗環太平洋フェザー級王者(現在は返上)、チョークの名手の佐々木憂流迦(うるか)こと佐々木佑太、その佐々木と修斗で熱戦を展開し、07年には同大会で4位入賞している徹肌ィ郎こと鈴木徹、そして徳島柔術の吉岡崇人が出場する。
【76.9キロ以下級】
前回優勝のマルセロ・ガウッシアが引退により欠場。超ベテランにして前回準優勝のレオジーニョことレオ・ヴィエイラ(ブラジル)、3位のクロン・グレイシー(ブラジル)、そして今年のムンジアル王者のオターヴィオ・ソウザ、ギ、ノーギ両方で世界王者となる経験を持つルーカス・レプリ(ブラジル)が優勝候補か。
中でも注目はやはりヒクソンの息子クロン。前回大会では準決勝でガウッシアと対戦。ギロチンで締め上げてあわやの場面を作ってみせた。去年からはポイントなしのプロ柔術大会メタモリスに出場。第1回大会では上述のオターヴィオ、第2回大会では青木真也からそれぞれ一本勝ちしている。他の注目選手としてはバック取りの名手JT・トレス(アメリカ)、そしてUFC前ライト級王者のベンソン・ヘンダーソン(アメリカ)らが挙げられる。
日本からも山田崇太郎とDEEP王者の北岡悟が出場。強烈な極めを持つ両者が、世界最高峰の選手達に一泡吹かせる場面を期待したいところだ。