【ADWP】アブダビ・ワールドプロ2016展望<02>ガルバォン&キーナン×プレギーサ。無差別級の行方は?
【写真】プレギーサとキーナン、新世代の争いにガルバォンが割って入ると決勝クローズもあり得る94キロ以下級だ(C)MMAPLANET
19日(現地時間・火)から23日(同・土)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのザイード・スポーツシティ内のIPICアリーナにて、アブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2016が開催されている。今回は黒帯・重量級の見所を紹介したい。
【94キロ以下級】
2ブロックあるうちのAブロックには、天才キーナン・コーネリアス(アトス)がエントリー。ワームガードをはじめとするさまざまな最新技術開発で世界の注目をさらったコーネリアスだが、昨年のこの大会はヴィクトー・エスティマに惜敗。
世界柔術やADCC大会でもまだ頂点は取っていない。今年こそはと期するものがあるだろう。同ブロックには地元UAE期待のファイサル・アル・キットビや悪童アーバース・サントスも顔をみせている。
Bブロックには、アトス総帥のアンドレ・ガルバォンの名が。先日のパン大会では最重量級にエントリーし、見事に同門選手とクローズアウトを果たした闘将は、今回もコーネリアスとのワンツーフィニッシュを狙っていることだろう。
しかし、このブロックには、この超強力なアトス師弟コンビをも凌駕しかねない強豪がいる。一昨年の世界柔術決勝でガルバォンに競り勝ち、一躍世界の注目を浴びたプレギーサことフィリッピ・ペナ(グレイシー・バッハ)だ(その後禁止薬物使用が発覚し、優勝は取り消しとなってしまった)。
昨年のこの大会の階級別を制したプレギーサは、無差別ではコーネリアスと大接戦の末に惜敗。しかし今年のマナウスオープンの無差別級決勝では、きっちりコーネリアスに雪辱している。今回、天下一品のガードワークとスイープ力を誇るペナが、ガルバォンとコーネリアスの両者を倒してこの階級を制したら、これは偉業と形容して差し支えないだろう。
【94キロ超級】
Aブロックには、一年前まで世界最強の柔術家の名を欲しいままにしていたブシェシャことマーカス・アルメイダ(チェックマット)がエントリー。
昨年の世界柔術のヒカルド・エヴァンゲリスタ(コマンドグループBJJ)戦で左膝を負傷したアルメイダは、今回が手術を経ての復帰戦となる。重量級離れしたあのダイナミックな柔術がどこまで復活しているのか、世界が注目するところだ。同ブロックにはイゴール・シウバ(コマンドグループBJJ)等の強豪も顔を見せている。
そしてBブロックには、アルメイダを負傷に追い込んだエヴァンゲリスタ、昨年の世界柔術で、そのエヴァンゲリスタを倒して最重量級を制したガブリエル・ルーカス(チェックマット)、13年のADCC世界大会無差別級決勝でアルメイダを倒したサイボーグことホベルト・アブレウ(ファイトスポーツ)、アルメイダとはよく同門決勝戦で接戦を演じているアレキサンダー・トランス、階級下の極め業師ルイス・パンザ(バルボーザ)等の強豪がズラリ、群雄割拠の状態となっている。
【無差別級】
これまで紹介してきた階級別にも増して注目すべきは、最大の優勝賞金30000ドルが賭けられた無差別級だ。昨年優勝のアルメイダは、ここを制して真の復活を宣言できるのか──と思いきやトーナメントウィークになって無差別級不出場を表明してしまった。
大本命が欠けた今、上記の94キロ以下&超級という重量級の強豪にいかにレアンドロ・ロが絡むか。現在の地上最強柔術家ベウナウド・ファリアの対抗馬として浮かび上がって来ることとなる。今年の地上最強決定戦の第一段として、見逃せないところだ。